こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
飲食店やアパレル業等、リアル店舗でのビジネスを生業にする方が、台北でお店を出そうとしたら、まずぶち当たる問題が『どこにお店を出せばいいか?』ではないでしょうか?
結論を先に言ってしまうと、僕は『中山』『西門』『忠孝新生』『淡水』あたりがいいと思っていて、逆に危ないと思っているのは『西湖』『台大醫院』『松江南京』『南京復興 』あたりだと思っています。
ただし、松江南京と南京復興は平日にうまく集客し、土日休めば問題ないと思っています。
このブログでは applemint が MRT の人の出入りをもとに「なぜ」これらの駅がいいのかお伝えします。
三国志の諸葛孔明も、戦いの前に地形や天候を入念に調べ、戦略を立てました。僕はビジネスという戦いは、リサーチで8割決まると思っています。このブログが台北でお店を開きたい人の参考になると幸いです。
Contents
上班族 (社会人) を探せ
台湾で飲食店を開こうと思う多くの方は、社会人をターゲットにすると思います。社会人の方をターゲットにした場合に気になるのは以下です:
- 社会人は平日どこにいるか?
- 社会人は週末どこにいるのか?
- 社会人はどこに住んでいるのか?
もしもこのブログをご覧の方が、学生をターゲットとしたお店を開く場合、基本的に大学付近にお店を開くといいでしょう。台湾大学がある公館なんて平日も週末も学生だらけです。でも社会人は事情が違います。
なぜなら平日に社会人が多くいる場所は、週末も社会人が多くいるとは限らないからです。東京駅なんて週末と平日では、出入りする人は全く異なりますし、人の数も変わります。
そこで僕は、台湾にいる社会人が平日と週末にどこに集まっているか知るため、以下のデータを調べる事にしました。
- 平日/週末 の MRT の乗車率 (出入り)
- 台北の空室率
- 人間の行動範囲
MRT を利用する大半の方は社会人です(高齢者もいますが)。そこで MRT の乗車率が高い駅は社会人が多いと仮説を立て、MRT の乗車率を調べました。次に、台北の空室率及び部屋の占有率を調べました。空室率が低い地区は、人が多く住んでいると言えます。
今回のブログでは、コロナ以前の台湾の MRT の乗車率のデータを基に、僕なりにお店を開くと良さそうな駅と、お店を開くと苦労しそうな駅を定義したいと思います。
平日/週末 の MRT 各駅のトラフィック
MRT を使う大部分の人はビジネスマン/OL(働く年齢の人達)でしょう。また、平日に乗車/下車が多い駅は、多くの人が働いている場所と仮定できます。これらの仮定が正しければ、平日に人の出入りが多い駅の一部は週末は出入りがかなり減ることが予想されます。
なぜなら社会人は、週末にオフィスがある駅に行く用事がないためです。反対に、平日と週末でトラフィックの落差が少ない駅は仕事の有無に関係なく、毎日コンスタントに人の出入りがあることを指します。
つまりお店を開く時に狙いたいのは平日も週末も成人がよく出入りする駅です。
台北 MRT 各駅のトラフィックは、幸いにも台北メトロが親切にも統計数字を出していたのでコチラから調べました。 (以下画面スクショ:2022年7月7日)
ちなみにコロナ後は人の出入りが極端に減ったこともあり、あまり参考にならないと考えたため、コロナ前の 108年(2019年) 8月のデータをサンプルとして使いたいと思います。
平日人の出入りが激しい台北 MRT 駅 (200万人オーバー編)
まず平日に人の出入りが多い台北の MRT 駅を列挙します。
- 平日出入りが多い台北のMRT駅
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- 台北駅:6,999,615
- 西門:3,294,182
- 市政府:2,919,398
- 忠孝復興:2,578,406
平日人の出入りがそこそこ激しい台北 MRT 駅 (100万人~編)
次に台北で平日の人の出入りがそこそこ多い駅を列挙します。
- 平日出入りが多い台北のMRT駅
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- 南京復興:1,938,743
- 板橋:1,882,627
- 新埔:1,812,883
- 松江南京:1,853,171
- 忠孝敦化:1,681,111
- など
この他『行天宮』『台北小巨蛋』『國父紀念館』といった駅も、コロナ前の2019年8月には100万前後の出入りがありました。
『國父紀念館』は、『市政府』と『忠孝敦化』という人の出入りが多い駅に挟まれているのにも関わらず、2つの駅と比べて人の乗車数は 50万人も少なく、驚きました。以下は平日人の出入りが多い駅のヒートマップです。
平日と週末の出入りを比べた時に落差が小さい駅は?
次に週末の人の出入りが多い駅を調べました:
- 週末出入りが多い台北のMRT駅
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- 台北駅:3,195,038
- 西門:1,488,196
- 市政府:1,072,735
- 忠孝復興:860,832
結果、平日に人の出入りが多い駅は週末も割と多い傾向にありました。
次に週末と平日の人の出入りの差が大きい駅を調査しました。この差が大きければ大きいほど、週末の人の流れが少なく、週末の売り上げに苦戦する可能性があります。ちなみにこの落差の調べ方ですが、例えば平日100万人出入りする駅が、週末に30万人しか出入りしないと落差は70%減です。
まずは、平日と週末の人の出入りの落差が比較的に少ない駅をご紹介します。これらの駅は平日と週末で安定して成人がいる可能性があり、店舗のビジネスをする上で有利になると思われます。
平日と週末の出入りを比べた時に落差が小さい駅は?
- 平日と週末のトラフィックの落差が小さい駅
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淡水 (53%)
台北駅 (54%)
西門 (55%)
公館 (55%)
台北101/世貿 (56%)
『淡水』駅の人の落差が低いってものすごく意外じゃないでしょうか?僕もびっくりしました。
台北駅はハブですし、西門駅はコロナ前は平日も観光客で盛り上がっていたので妥当な結果です。以前台北で 4店舗飲食店を経営している方が、お店を出すなら『西門』をお勧めしていましたが、平日と週末の人のトラフィックの落差が少ないので納得ですね。
次に平日と週末の人のトラフィックの落差が大きい駅をいくつか挙げたいと思います。
- 平日と週末のトラフィックの落差が大きい駅
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西湖 (87%)
台大醫院 (82%)
松江南京 (80%)
南京復興 (78%)
これらの駅に共通しているのは、所謂オフィス街の駅ということです。当たり前かもしれませんが、オフィス街の駅でお店を立てると平日と週末の人のトラフィックの落差が大きいでしょう。
例えば西湖や台大醫院駅で飲食店とか開こうものなら、週末の売上はかなり下がることを覚悟する必要があります。南京復興にある有名な海南チキンライス店『慶城海南鶏飯』は、この事を理解していて、週末はお店を閉めてます(笑)
MRT のデータから見た出店リスクの高い駅
ずばり今回のデータで僕が出した結論は、『西湖』『南京復興』『松江南京』は平日と週末の MRT の出入り落差が大きいことから、お店を開くのにあまり適していないと考えています。
ただし松江南京駅のくら寿司は、週末も多くの人が並んでいることから、お店が何処にあっても、そのお店に行くだけの価値を提供できれば、これらの駅でもうまくいくかもしれません。
そのほか、僕だったら『信義安和』『國父紀念館』はあまりお勧めしません。まず信義安和は平日と週末の人のトラフィックの落差が 72% あります。その上、平日の月間トラフィックも80万前後とメジャーな駅に比べて少ないです。さらに信義安和は高級住宅街という位置づけから家賃が高いです。
同じような理由で『國父紀念館』もあまりお勧めしません。『忠孝敦化』『市政府』という月間トラフィック平均100-200万のメジャーな駅の間に挟まれているにも関わらず、平日のトラフィックはこれら2駅に比べて50万も低いためです。そして週末は平日と比べて、トラフィックが 66%ダウンします。それでいて好立地な影響から家賃がものすごく高いです。
- 個人的に出店をあまりお勧めしない駅
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西湖
南京復興
松江南京
信義安和
國父紀念館
少し前の話ですが、アイコン的な存在だった Ice Monster 國父紀念館店は売上不振から閉店を決めました。
関連記事:ICE MONSTER熄燈 台北東區真的沒落了
國父紀念館駅の2番出口をちょっと進んでみてください。空き部屋がかなりあります。例えば國父紀念館駅でお店をやっていくのなら、週末でもわざわざ足を運びたくなるような特別な価値を提供しつつ、それなりの単価を取れないと難しそうです。
ただし松江南京も、國父紀念館も、僕の知り合いが何年も飲食店続けてます!品質と人惹きつける魅力があればどこでもやっていけるのでしょう!
MRT のデータから見た良さそうな駅
避けるべき駅がわかったところで、最後に出店に良さそうな駅もご紹介したいと思います。僕が思うお店を開くのに良さそうな駅とは『平日と週末のトラフィックの差が少ない』『家賃がそこまで高くなさそう』『平日も週末も割とトラフィックがある』『アクセスがいい』の4点です。この条件に当てはまりそうなのは以下の駅です:
ちなみに家賃に関しては第二回のブログで詳細にお話をしたいと思います。
- MRTのデータから見た店舗ビジネスに良さそうな駅
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・中山
・東門
・忠孝新生
・西門
淡水はアクセスが悪いので省きましたが、淡水もいいと思います。中山は日本人観光客が多いため、日本人に向けて発信したいお店を企画すると面白そうです。また、中山駅付近は最近新しい商業施設がどんどん建っています。
忠孝新生は最近ドンキホーテの2号店も進出し、おしゃれスポット華山も近くにあるため今後目が離せません。
ちなみに今から8年前の平日と週末の人の乗車の落差が小さかった駅もご紹介します。8年前と比べ、人の流ればどのように変わっているか参考になれば幸いです。
- 5年前平日と週末のトラフィックの落差が小さかった駅
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西門:52% (2019年:55%)
台北101/世貿:52% (2019年:56%)
淡水:53% (2019年:53%)
公館:53% (2019年:55%)
台北車站:53% (2019年:54%)
忠孝復興:56% (2019年:67%)
忠孝新生:57% (2019年:60%)
中山:58% (2019年:58%)
市政府:59% (2019年:63%)
平日と週末のトラフィックの落差が小さい駅は、今も5年前もあまり変わらない印象を受けます。ワーストの顔ぶれも変わらず『南京復興』、『松江南京』、『西湖』などでした。
五年前と比べて平日と週末のトラフィックの落差がほとんど変わらないのは『淡水』や『中山』です。逆に『忠孝復興』は5年前と比べて落差がものすごく増えたので週末のトラフィックが近年伸び悩んでいる可能性があります。
以上のデータを踏まえ、僕は個人的に中山や忠孝新生にお店を出すのが面白いのではないかと考えています。第二回のブログでは家賃や地区別の空室率を調べ、人の流れやお店を出す効率を更に検証したいと思います!
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