こんにちは、applemint 広告運用担当の Hiro です。
散歩へ出かけようと近くのスターバックスへ行ったら「今日は二杯目がタダなの」と言われ強制的に二杯渡され、散歩を諦めコーヒー二杯持ってそのまま家に帰りました。
スタバの二杯目タダからも分かるように、台湾のセールやプロモーションは日本と比べてダイナミック だと感じます。
ではウェブ上のプロモーションはどうでしょうか?
ウェブ上でセールやディスカウントのキャンペーンを行いたい時どのように行えば効果的か?
このブログでは台湾のプロモーション手法や通販マーケティング法を簡単にご紹介した後、台湾における景品表示法(景表法)の定めるルールと、台湾でマーケティングをする際に気をつけておきたいリスクを分かりやすくまとめていきます。
Contents
台湾でよく見る超お得なセール例
まずは台湾ならではの割引表記をご紹介します。
買一送一
『買一送一(マイイーソンイー)』はひとつ購入でひとつ無料という意味です。
日本では 50%OFF と同様の意味合いで、海外ブランドのアパレルでは『Buy one Get one Free』なんて表現されていたりもします。
例えば台湾のスターバックスでは大体 1〜2 か月に一度このキャンペーンを行っています。一杯購入すればもう一杯が無料でついてくる超お得なセールです!
(散歩中に二杯渡されると困り物ですが、)スタバのコーヒーが半額で楽しめるなんて嬉しいですよね。
日本ではあまり見かけないプロモーションかと思います。
二点目以上がタダ同然
続いて二点目が格安で購入できるプロモーションです。
セブンイレブンやドラッグストアなどでよく見かけます。
例えばセブンイレブンで見かけたのが、
なんとコアラのマーチ 二つ目がたったの 10 元で購入できます!
計算してみると 6 割引きくらいの価値になります。
日本では賞味期限ぎりぎりのワゴンセールで見るような割引率ですね…
なんと伊藤園のおーいお茶は三点目 0 元でした。
仕組みはわかりませんが、どう考えても相当なお得感です!
これも日本ではあまり見ないタイプの割引セールではないかなと思います。
閉店セール2折
台湾では閉店セールを延々としているローカルな家具屋や婦人服店が少なからず存在します。実際に私の自宅近所には既に3年間閉店セールをしている婦人服店があります。
こういったお店がとんでもない割引率の広告をしているのをよく見かけます。
この XX 折という表現は割引後の率を表していて、例えば、
7 折 ⇒ 30%引き
85折 ⇒ 15%引き
9 折 ⇒ 10%引き と解釈します。
要は数字が小さいほどお得に購入できるという事になります。
日本では閉店商法や二重価格表示の取締り定義が厳しく定められています。
もし日本だったら、3 年も閉店を偽り、80% オフが通常価格化しているお店なんかがあればとっくに指導が入っているはずです。
台湾人の寛容さがこのお店を支えているのかもしれません。
台湾の通販でよく見る例
では続いてデジタルマーケティングでよく利用されている価格表記例をご紹介します。
「永遠の 15%OFF 」
二つの価格を同時に見せ、実際の販売価格を安く見せるための商法です。
よくテレビショッピングで耳にする
「通常価格 5980 円のところ、今なら 3000 円引き、なんと 2980 円!」
みたいなものですが、
台湾の通販商品はこのような二重価格表示が頻繁に用いられています。
実際のところ通常価格で販売している実績がほとんどないケースもあるようです。
二重価格(ダブルプライス)に頼った商法は、いくつかリスクがあります。
通常時点で割引表現をしているため、例えばクリスマスなどのセール時期には割引の割引をする形になり、割引依存な販促へ偏るリスクがあります。
また、「このブランドいつも割引していて安っぽいな…」など、消費者へ誤ったブランドイメージを植えつけてしまう危険性もあります。
以前、販促を割引に頼りすぎたために顧客がセール待ちをするようになってしまい、通常価格では業績が伸ばせない体質となってしまった企業の例を見た事があります。
日系通販ではよく見かける手法ですが、個人的には理想的な売り方ではないと思っています。
一般懸賞:抽選キャンペーン
購入者の中からランダムに選ばれた人が豪華景品を獲得できるキャンペーンです。
かなり豪華な抽選キャンペーンを見つけました。
広告バナーやウェブサイトにインパクトが出るので普段引き込みの難しい顧客層にも効果的にアプローチできそうです。
日系通販では iphone やダイソンの抽選キャンペーンをしていたりするようです。
かなり前ですが、通販コスメを担当していた際に美容家電を使った抽選キャンペーンを実施したことがあります。
実施の結果、販売単価の高い商品の販売比率が伸びる傾向がみられましたが、その一方でビッグイベントで掴むお客さんのロイヤリティは低い可能性が高いという分析結果も出ています。
満〇〇○元で景品プレゼント
一点金額以上購入すると景品がもらえるタイプのキャンペーンです。
例えば SHU UEMURA を例に挙げると、こんな風に購入金額に応じて様々な景品がもらえます。
その他にも、 PChome ではファミリーマートのアイスクリーム無料券の配布をしています。
台湾人は『タダでもらえるもの』へのリアクションがとても良いです。
私の義母がまさにその典型例です。
彼女のクレジットカード会社が 5 万元以上の消費でエアフライヤーがもらえるキャンペーンを実施した時のことです。エアフライヤーは高くても7,000元ほどで買えるため、無理をして5万元消費する必要はありません。
しかし義母は目標の50,000元の消費に達するまで買い物をしに行くと言って聞きませんでした。彼女が言うに、景品には逆らえないのだそう…(笑)
こんな風に景品があるだけで心動かされる台湾人の方が少なからずいるようです。台湾市場に適したプロモーションなのかもしれません。
ここまで合計 6 つ、台湾特有ののプロモーション例をご紹介しました!
台湾の割引やキャンペーンって少し大袈裟すぎるのでは?
と思った方もいるのでは無いでしょうか。
というわけで、台湾には日本でいうところの景品表示法のような法制度はないのか調べてみました。
台湾に景品表示法の法律はあるの?
上記に挙げた例の中から以下の二点に注目して調査してみました。
・価格表記に関するルール
・割引や景品の限度
ダブルプライス『実売記録のない価格を記載して良いのか?』
結論:不当表示にあたる恐れあり
ダブルプライスで法的罰則が下された例がありました。
某Eコマースで原付バイクの価格表記を、
通常価格 73,000 元 ⇒ 特別価格 54,500 元
と表記して販売した事業者に対し、実売履歴のない価格を表記したとして 15 万元の罰金が科せられました。
- ダブルプライス商法のリスク
-
通販企業では当たり前のように使われているダブルプライス商法ですが、すでに判例がある通り、もし提訴されれば法的処分が下される可能性があります
景品キャンペーン『景品の最高額に規制はないの?』
結論:取引価格の二分の一以下の価格であればOK
(原則)
取引価格100元未満:50元
取引価格100元以上:取引価格の二分の一以内
実際に例を挙げると
1,000 元の商品なら景品は 500 元以内
10,000元の商品なら景品は 5000 元以内
が法令で定められたルールとなります。
日本の場合、
一般懸賞(当選者がもらえる):取引額の 20 倍以内
総付懸賞(全員もらえる) :取引額 20% 以内
と別々にルールが定められていますが、台湾にはこの区別が明記されていないようです。
例外:同類商品を使ったプロモーション
上記で例に挙げた
・スタバの買一送一
・コアラのマーチ 2 つ目 10 元
などはこの例外事項のため合法的プロモーションと言えるようです。
つまり、 市場価格 24,900 元の iphone 11 を抽選景品とできるのは取引価格が 12,450 元以上の商品やサービスという事になります。
参照:行政院公平交易委員會 「我國相關法規堆贈品贈獎促銷行為之規範」
以上ダブルプライスと景品に関する法令についてまとめました。
とはいえ台湾の公正取引委員会にあたる機関の規定の多くは、『景品や価格表示の合理性は行政院が最終判断をする。』という記載になっています。
ルールはあるものの、日本ほど厳しく取り締まっていないような印象を持ちました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでで台湾のプロモーション例や合法性について簡単にまとめてみました。
- 台湾でよく見るお得なセール代表例
-
・買一送一(ひとつ買うとひとつタダ)
・二点目 10 元(一点目以降がタダ同然で手に入る)
・閉店セール
- 通販でよくみられるセール代表例
-
・二重価格(ダブルプライス)
・抽選懸賞キャンペーン
・満額〇〇○元で景品贈呈
実際に法令を確認すると、
・実売記録のない販売価格の記載は NG
・商品価格の二分の一を超える景品は NG
など定められているものの、どうやら日本より相当寛容のようです。
台湾の日系代理店提案のキャンペーンなど、法的なリスクを詳細に説明されないケースなどもあるようです。消費者が通報するケースもあるため、台湾マーケティングの注意点としてリスクがある事を知っておきたいです。
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