Facebook広告の勝ちパターンは「シンプル」?売れるバナーはたまにカッコよくない

Facebook広告の勝ちパターンは「シンプル」?売れるバナーはたまにカッコよくない

台湾で通用する Facebook 広告バナーの勝ちパターンないですか?ってよく聞かれますが、私は確信持ってこう言います。Facebook 広告は「シンプル」であることが良いです。

世の中にはシンプルであることが如何に良いかを讃える書籍や名言が並びます。
“Less is more” (余計なものがないほうが良い) -ミース・ファン・デル・ローエ
”Simple can be harder than complex” (シンプルであることは複雑であることより難しい) -スティーブ・ジョブス
“Simplicity is the ultimate sophistication” (シンプルさは究極の洗練) – レオナルドダビンチ

しかしいざ広告の制作になると、広告主は限られたバナースペースに非常に多くのメッセージを入れようとします。また、広告主の中にはシンプルなバナーを制作すると、それを手抜きと感じる人もいます。
制作側は顧客である広告主に対してあまり強いことを言えないため、広告主の要望に従って多くのメッセージをバナーに詰めた結果、全然効果のないバナーができることは日常茶飯事です。

私は元々家族から「あまり捨てすぎないように」と注意されるほどミニマル&シンプルをモットーとしています。余計なモノに気をとらわれる事が苦手です。
そんな私は広告制作においても「シンプル」をモットーにしています。そして、シンプルであることが Facebookのバナーで効果を発揮すると確信したのはつい最近のことです。

このブログでは Facebook 広告にシンプルさを求めた結果、実際に効果が出たカラダファクトリー様の事例をご紹介します。また、これをご覧の読者だけに特別に私、及び applemint が実践しているバナーの制作方法をご紹介します。

もう一度言います。鍵は「シンプル」です。

シンプルさこそが本当の強さ

アップルがごちゃごちゃとした広告を出しているのを見かけた事がありますか?
シンプルである程伝える力が強いのです。

まずは実際の事例と実績を見てください!今回は弊社のクライアントで全世界130店舗の整体サロンを展開するカラダファクトリー様の広告事例から予約率の変化をご紹介します。

美脚マッサージのバナー広告

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(改善前)1.52%(改善後)2.41%

小顔矯正のバナー広告

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(改善前)1.87% (改善後)2.63%

予約率が大きく改善している事以外にも、何か気付く事があると思います。
こうして並べると、シンプルなバナーの方が目につきやすく感じませんか?まずは感覚的にシンプルである事の強さを感じてもらえたらと思います。

『伝わる』広告に必要な3つのメソッド

では、ここからが本題です。
シンプルさにはメソッドがあります。これから特に大切にしている 3 つのメソッドをお話ししたいと思います。実際に以上に例を挙げたバナー 2 枚をちらちら見ながら読んでいただれば嬉しいです。

強く、短く

情報は伝え方次第で印象に残るかどうかが大きく左右されます。まず一つ目のメソッドは強く、短くを意識する事です。
多くの人に広める言葉は短く強い言葉が求められます。日本では毎年流行語大賞を発表していますが、
インスタ映え
爆買い
倍返し
今でしょ! 
どれもインパクトの強いワンフレーズです。

広告で伝えたいことがたくさんあるのはもちろんです。商品開発者やサービス提供者にはそれだけの愛があります。しかし、消費者は「そんなわけあるか!」という感じで大体のことは疑って信じない生き物です。
沢山ある伝えたい事の山から、一番大切な事以外を削り取って『強く、短く』することが伝えるためのまずの第一歩です。

強く短い文の企画

では、私がどのように「強く」「短い」キャッチに辿り着いているのか?以上でご紹介した美脚マッサージバナーを作った際のステップを例にご紹介します。

ステップ① ターゲットの悩みと訴求を書き出す
悩み:下半身太り、体重が増えた、足が太い、下腹が出てる
訴求:下半身痩せに効果的、運動要らず、新陳代謝改善、限定体験価格
書き出したら、インパクトが強そうなものを選んでください。

ステップ② ①を代弁できる画像を探す
ターゲットにこの広告は私に向かって話しているんだと足を止めてもらう事が第一歩です。そのため、画像はターゲットの悩みを代弁する者、または訴求を代弁する者を使って、誰に向かって話しているのかを明確にします。

ステップ③ターゲットが注目しそうな単語を書き出す
画像が決まったら次は画像に合わせる単語選びです。ステップ①同様に悩みと訴求それぞれを書き出します。
悩み:下半身太り、大根足、むくみ
訴求:美脚、「すらっと」、脚線美
書き出したら、全ての単語を画像の上に乗せてシミュレーションします。

ステップ④ 単語を選ぶ
最後は使う単語を決めます。まだ単語の状態なので、必要に応じて文章化するのも良いと思います。中国語の場合、漢字ぎっしり並ぶとごちゃっとしやすいため個人的には単語で簡潔に終わらせるのが好きです。

コピーライティングの多くが全て書き出して削るという方法を実践していると知り、私も全て書き出した後に無駄を省いていく方法で短く強くを意識するようにしています。
特に Facebook 広告はタイトルやテキストを使って情報補足ができます。そのため、最重要情報以外は思いきり削るようにしています。

② 文字だけが言葉じゃない (写真の選び方)

なんだか哲学的な聞こえになってしまうのが不本意ですが、文字に頼らない事が二つめのメソッドです。
ではどうするか?広告バナーの場合は簡単ですね、画像です。例えば先の章でお見せした①のバナー、画像を見てどんな事が思い浮かぶでしょうか?

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体型への不満
鏡の前で「太ったかも…」と腹の肉を摘んだあの夜
「もっと細かったら着るんだけど」と諦めたミニスカート など
鏡を見て立ち尽くしているこの足だけで色々な想像を掻き立てる事ができます。
文字を使わない事によって、見た人それぞれがメッセージを想像します。これが二つ目の文字を頼らないメソッドです。

良い広告と悪い広告

三つ目のメソッドは受け取る相手が受け取れる量を想像する事です。
アップルの共同創業者で、クリエイティブディレクターを務めたリー・クロウの逸話をご紹介します。iMac の 30 秒 CM にいくつものメッセージを盛り込む事をスティーブ・ジョブズが望んだ際のお話を引用します。
※引用「Think Simple アップルを生み出す熱狂的哲学」(NHK出版)

リーはメモ帳から 5 枚の紙をちぎると、1 枚ずつ丸めはじめた。
すべてを丸め終えると彼のパフォーマンスが始まった。
「スティーブ、キャッチしてくれ」と言って、
紙の玉を一つテーブル越しに投げた。
スティーブは難なくキャッチして、投げ返した。
「これがいい広告だ。」リーが言った。
「またキャッチしてくれ」と言って、
紙の玉 5 つすべてをスティーブの方に投げた。
スティーブは一つもキャッチできず、紙の玉はテーブルや床に落ちた。
「これが悪い広告だよ」

受け取ってもらわねば話にならない。

製作費や広告費、代理店への手数料…考えれば考えるほどあれこれ言いたくなってしまうかもしれません。そんな時は、今一度受け取る相手を思い浮かべて、ぎゅっと絞り込む事を思い出してください。受け取る相手のキャパシティーを想像する事、これが三つ目のメソッドです。

ちなみに私が今回お話したメソッドはコピーライターの阿部広太郎さんの書籍『超言葉術』から言葉をお借りしています。気になる方は是非参考にしてください。

https://www.amazon.co.jp/dp/B084MFD3W6/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_9TMkFb1RJV52P

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は広告バナーがシンプルであるべき理由を事例とメソッド 3 つをお伝えしました。私たちが作るクリエイティブが決して豪華絢爛ではない理由は、『伝える』チカラを最大限まで高めるためです。

デジタルの台頭で PDCA に今まで以上の速度が求められ、テレビや紙面で『イメージを売る広告』を作っていた代理店は『商品を売る広告』への進化を求められています。
ただ、商品を売る事に集中した挙句、情報を詰め込みすぎて消費者に伝わらないクリエイティブになってしまっている事例もよく見かけます。

バナー広告を作る際、制作依頼する際は、今一度振り返ってみてください。
・『伝える』チカラが十分に高まっているか
・もっとシンプルにできないか
・消費者が受け取れるキャパシティーを超えていないか
こんな事を意識すると、Facebook だけでなく、どんな媒体でも通用する強いバナー広告が完成するのではないでしょうか。

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Hiro

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