こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。突然ですがみなさんは台湾に日本人がどれくらいいるかご存知ですか?
日本交流協会の調べによると2022年3月時点で台湾には日本人が 19,432人います。これは台湾の人口の0.07%で、日本人は台湾では圧倒的マイノリティです。
ただ 19,000人は思ったよりも多いですね…笑
マイノリティは本来マイノリティ同士で固まってコミュニティを形成し助け合わないといけないものの、日本人はそれが中々苦手です。中華圏の人はその辺うまくて、世界中どこに行ってもチャイナタウンがあります。
マイノリティは残念ながら何か事件が起こるとよく差別の対象になります。例えば日本では日本人が日本人に対して暴力を振るってもそこまでニュースにならないかもしれませんが、これがベトナム人や中国人だとすぐにニュースになります。台湾でも同じで、日本人が台湾で些細なことでも問題を起こせばかなり注目を浴びてしまいます。
また、マイノリティは何もしなくてもアウェーの地で繁盛すると嫉妬や僻みの対象となり、差別や攻撃を受けやすいと言われています。しかし、よく考えると妬みから人を攻撃しても何も解決にならず、むしろマイナス効果が大きいです。
今回のブログでは僕が以前台湾のメディア向けに書いたコラムを日本語にしてお送りします。流れとしてはまず、台湾で起業して他社から嫌がらせを受けた僕の日本人の知り合いの話をご紹介し、その上で、妬みから攻撃してもあまりロジカルじゃないことを説明したいと思います。
日系飲食店A が受けた嫌がらせ
台湾で飲食店は攻撃の対象になりやすいと言われています。なぜなら繁盛し始めるとそれが行列や満席という形で可視化されるからです。僕は台湾に数人の飲食店関連の知り合いがいますが、みな一度はなんらかの嫌がらせを受けた経験があるようです。
今回は日本人が経営する某飲食店Aが受けた嫌がらせを3つをご紹介します。ちなみに今からご紹介する3つの嫌がらせは台湾で飲食店をする人であれば全て経験する嫌がらせのようです(苦笑)
- 台湾で日系飲食店が受ける典型的な嫌がらせ
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1. 不法労働者 (労働許可のない日本人) を雇っていると訴えられる
2. 排煙の設備が不十分と言われる
3. 税金を払っていないと言われる
なので、当たり前ですが『労働許可証がある人を雇う』、『排煙の設備はきちんとする』、『税金はきちんと支払う』は徹底しないと狙われます。また、ちゃんとしてる飲食店でもどうやら叩けば埃が出ると思って、繰り返し労働局に訴えられるようです。
ちゃんとしている飲食店はきちんと対応しているのに、お客さんが食事中に労働局の職員が立ち入って店内の雰囲気が悪くなるため、本当にいい迷惑だそうです。
3社が結託した妨害
次に、某日系玩具店の事例をご紹介します。日本の玩具を販売代理していた某日系B社は台湾で事業が軌道に乗り始めた頃に競合他社から販売代理の妨害を受けました。
競合他社3社が B社が販売代理を請け負っていたメーカー3社の商品をそれぞれ並行で輸入し、B社が取引をしている小売店にB社よりも安い値段で商品を卸して B社の売上を妨害しようとしたんです。僕が同じことをやられたら結構傷つきます。
その後、その競合他社3社がB社のカタログや商標を使っていたので B 社が弁護士に相談して訴えたところ、競合他社が手を引いたそうです。このことが起きたのは B社の社長が起業して数年経った時らしく、初めてこんな露骨な嫌がらせを受けたためその当時は非常にショックだったと話していました。
競争より共創をロジカルに話す
人は皆弱い生き物です。自分がうまくいっていない時にインスタグラムで楽しそうにしている人の顔を見たらムカつきます?
僕も起業当社は攻撃というか競合の粗探しをしていました。でも止めました。起業時こそ仕事がなくて暇でしたが、そもそも今は忙しくなってあんまり他者を攻撃するような時間がありません(苦笑)
また、競争をするよりも共創が利益になる場合が多いことを知ったので今は他者/他社を攻撃したりするようなことをしていません。(「あの会社ふざけてる!」とか文句は言いますが…苦笑)なぜ競走より共創がいいかロジカルにお話をしたいと思います。
例えば、あなたがラーメン屋さんを経営していたとします。隣にはとても繁盛しているラーメン屋さんがあります。この時にあなたが隣のラーメン屋さんを攻撃して隣のラーメン屋さんが消えたとしても、消費者はあなたのラーメン屋さんを選ぶ理由はありません。
逆に隣の繁盛しているラーメン屋さんがいつも混んでいたら、並ぶのが嫌いな一定数の人は代わりにあなたのラーメン屋さんに行く可能性が増えます。重要なのは自分がいい品質のサービスを提供できるか否かです。
そうこうしているうちに、隣あわせのラーメン屋さんが2軒とも儲かっていると、ラーメン屋さんを開きたい人の中には「あの場所でラーメン屋を開くと儲かる」と考える人が出てきます。
そうすると当然ライバルは増えますが、あなたの周りはラーメン屋がいっぱい出来て、人々はあなたのお店がある場所に行けばラーメンが食べれると考え、お店周辺に行く人の母数が増えます。東京でいうと高田馬場みたいな感じですかね。
広告代理店も同じで、他社が成功しているからといって僕らがその他社を攻撃しても他社のお客さんがこちらにくる理由は特にありません。むしろ、他社がだらしなかったらこっちが助けて台湾成功事例が増えれば台湾に進出する日系会社が増えたりもします。
この前、わざわざ数時間をかけて広告主に対して行うレポーティングを効率化するテクニックを広告代理店向けに YouTube に上げました。(リード獲得という目的もありますが)
広告代理店をボランティアで助けたいと思っているわけではありませんが、仮に広告代理店から SOS が来たら僕は助けられる部分は助けます。
ただ、今でも一部の広告代理店は台湾で平気でぼったくってますし、質の低いサービスに対して改善する意思がないので、そういう会社に対しては僕はよく悪口というか批判します?
最後に
台湾という地で日本人やマイノリティがうまくいくと、「人様の地で調子に乗るなよ」と思う現地の人は必ず一定数います。というか、うまくいっている会社があれば、日本人だろうと台湾人だろうと妬んで攻撃をする人が必ずいます。
僕がどんなに「競争よりも共創」と言っても、攻撃はなくならないでしょう。ネットの誹謗中傷がなくならないのと同じです。
今回は台湾の企業が日系企業を攻撃するパターンをご紹介しましたが、残念ながら台湾では同胞の日本人からの攻撃もあります。僕はむしろ日本人からの攻撃を一番警戒しています。
例えば日本人の方とお酒を飲むとどうしても警戒がゆるむ時が来ます。そういう事もあって、僕はあまり台北で日本人の方と積極的にお酒を飲みません。あと、お酒を飲むと血の巡りが良くなって肩が痛いので最近本当に飲まなくなりました?
あと、僕と飲んだことがある人はわかるかもしれませんが、僕はお酒の場であんまり自分を出しません。それにはあまり自分を出して色々喋ると怖いなという理由があります。(つまらない人間ですみません 苦笑) そんな事もあるので、僕をお酒に誘う人はあまりいません。
また、労働法の遵守も徹底しています。顧問弁護士も起業して3年目にはつけました。台湾は日本食のレベルが高くとても住み心地がいいですが、日本人は台湾ではあくまでマイノリティであることを意識するべきだと思っています。このブログを通して改めて台湾で警戒心を緩めないこと、そして競走より共創が時にいい実例をお話いたしました。
このブログが何らかの役に立てば幸いです。
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