こんにちは、台湾で applemint というデジタルマーケティングの会社の代表を務める佐藤 (@slamdunk772) です。
2022年10月に日本旅行が解禁されて以降、日本を訪問する台湾人の数は年々増加しており、2024年には1-2月の訪日台湾人は100万人(前年同期比のほぼ2倍)にもなりました。
それだけ多くの台湾人が日本ロスだったことを感じますね!
一方、確かに日本に旅行に行けるようになったとはいえ、日本から台湾に持ち帰れない物や(食品など)、入手が難しい地方のグルメなど、どうしても通販で取り寄せたい物もたくさんあります。
そこでチャンスがあるのが、「台湾向けの越境EC」です。コロナ禍でここ3年の台湾のEC市場は年に2割も成長しています。実際にもうECなしでは生活できない人も多いでしょう。
ただ、台湾向けの越境ECは、日本製だから売れるかというと、答えは「NO」です。
しかし多くの台湾進出サポート企業は、台湾は親日国だからという理由で台湾進出を進めます。
これでは事業が失敗するリスクが高まっても仕方ありません…。
そこで今回は、台湾向け越境ECの現状から、進出支援業者では教えてくれないリスクや、普段公開できない部分まで、大公開します。台湾向け越境ECで進出したい人は、必見です!
Contents
日系企業が台湾越境ECを始めるメリット
2019~2022年にかけての台湾EC市場の成長率がすごい!
まずは、日系企業が越境ECを始めるメリットからご紹介します。台湾ではコロナ禍の3年間で、ECの市場規模はなんと2倍以上になりました。
面白いのは、これまで路面店がメインだった家具やアパレル業界で、特に大きくオンライン販売が伸びたことです。実体験を重視していた家具や衣服も、今やライブコマース等で代替できる時代が来ています。
つまり今の台湾では、どんな商品でも、やり方次第でECで売れるチャンスが増えているといえます!
台湾越境EC開始のリスク
EZ WAY易利委の導入
台湾越境ECには、苦戦リスクもあります。主にEZ WAY導入による関税、信頼性の欠如、ローカル決済未対応、物流対応、などです。
なんといっても、2020年5月から導入された関税の申告制度(EZ WAY易利委)が与えるリスクは強烈です。
内容は以下のapplemintブログでも詳しく説明していますが、一言でまとめると、台湾人が海外からモノを購入するときの関税が厳しくなり、越境ECでの購入意欲が下がる、というリスクです。
私も何度か台湾の越境ECモールで輸入品を買おうとしてEZ WAYの壁にぶつかり、結局購入を断念しました…。
ほかにも、台湾のローカル決済未対応による失敗、スモールスタートによる失敗など、台湾向けの越境ECが苦戦する理由があります。以下の動画であわせて確認しておきましょう!
台湾越境ECに対する信頼感の欠如
そしてもう一つが、売主に対する信頼性の欠如です。
簡単に言うと『全然違う商品が届くのではないか』、『詐欺サイトではないか』と疑われて買ってもらえないリスクです。
以下は台湾人がECサイトでモノを購入する時の心配事TOP3です。第1位~3位まですべて信頼性に関わる問題であるのが見て取れますよね。
- 台湾人がECサイトでモノを購入する時の心配事TOP3
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第1位:商品が写真と違う
第2位: 詐欺が心配
第3位: 個人情報の漏洩
台湾の友人曰く、過去にECモールで海外商品を購入したところ、写真と全く違う商品が届いたことが何度かあるそうです。それ以降ECモールで海外商品を買いたくないと言っていました…。
また越境ECでは個人情報の管理も気にされます。私はどうやら台湾国内で越境ECを使用した際にカードの情報が盗まれ、危うく全財産を取られるところでした…(実話です!)
台湾向け越境ECを攻略する方法
信頼性欠如の解決策3点とは
EZ WAY対策は少し手間がかかるので最後に説明しますが、信頼性に対しては今すぐ対策が可能です!もし今後越境ECで進出を考える場合は、以下の3点をおすすめします。
- 繁体字中国語ウェブサイトの設立
- SNS(特にショート動画やライブコマースで顔出しをする)
- KOL(資金に余裕がある場合)
信頼性獲得のため、繁体字を使った中国語ウェブサイトの設立は欠かせませんが、2024年じ、特に注目したいのはなんといってもSNSです。特に、ショート動画(顔出し)がおすすめです!
台湾の越境ECでSNSショート動画をお勧めする理由
台湾ではSNSの使用時間が日本の2倍、Facebookの利用率が8割を超えており、SNSなしにはビジネスが始まらないといっても過言ではありません。
消費者に対して、どんな人が、どんな思いで商品を作ったのか知ってもらうことで、ファンや商品を購入する人が増えます。顔出し動画であれば、企業への信頼感は獲得しやすくなるでしょう。
「福岡県津山さんが作った人参」と「ただの人参」はどちらの方が安心して買いやすいかというお話です。
その中でもショート動画をおすすめするのは以下の理由からです。
- 2022年から、Facebookがリールを世界展開したことで、ショート動画の利用者が増え続けている
- ショート動画は作る手間が少ない(Capcutなどを利用すれば自動でも作れる)
弊社でも毎日ショート動画を投稿して成果を試していますが、Facebookでは安定して1000~4000回の露出があります!
広告を出しているクライアントも、今はショート動画の方が成果が出ています。
予算があり短期間で一気に認知度を上げたいならKOLの起用
短期集中型で認知度を上げたい、しかも予算が潤沢にある!という場合は、KOLという選択肢があります。しかし正直なところ台湾のKOLの値上がりは半端ないです。
成果を出すには、10万人以上のフォロワーがいるKOLが望ましいですが、その場合は100万円あってもなかなか見つからないという現状です…。
具体的に金額を知りたい方は、KOL Radarなどのサイトで探せます。弊社もある程度はKOLのストックがあるので、もし気になる方はお問合せください。
EZ WAYでも道はある!関税・決済手段の解決策とは?
最後に、関税や決済に対する解決策をお話しします。
台湾向け越境ECは、最終的には台湾での現地製造が最善の道だと思います。特に健康食品やサプリメントの会社は、長期的には現地生産しか道はないと思っています。
つまり、台湾向け越境ECはあくまで台湾を攻略する第1段階で、第2段階は現地法人の設立、そして第3段階は台湾現地での製造という流れです。
もちろん、これを遂行するためには、そもそも台湾向け越境ECを軌道に乗せなければいけないため、ちょっと的外れな解決策ではあります(苦笑)
ただ、台湾向け越境ECで成功した企業の多くは成功した後の計画が無いという問題があります。
同じウェブ広告、同じ施策、あるいはさらに過激な広告表現で売り上げを保とうとするのですが、皆コンバージョンは下がっています。
特に健康食品の会社さんでこの傾向があります…
越境ECで成功したら、それを合図に現地法人を設立し、台湾で倉庫の手配や OEMでの現地生産に切り替える形がいいと思います。実際、私は台湾現地生産に切り替えて成功した会社を知っています。
また越境ECで上手くいったら、その資金を使って消費者をナーチャリング (商品への教育) するための動画やブログコンテンツを準備することが必要だと applemint では考えています。
通販会社の生き残り対策とコンテンツの重要性については以下の記事を参考になさってください!
いかがでしたでしょうか?越境ECは厳しいものの、やり方次第で成功への道は開けます。
特に、弊社ではコンテンツを生かした信頼性獲得ノウハウには自信があります。実際弊社は広告なしに、毎週3件以上のお問い合わせをコンスタントに獲得しています。
これはまさに動画やブログを通じたコンテンツを地味に投稿し続けた結果です。
もし今後、本気で台湾向けに越境ECを始めたい、という日系企業様がおられましたら、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
弊社が一から構築したノウハウを、包み隠さず全てお伝えします!
applemintへのご相談やご連絡はこちらから!