こんにちは、台湾でウェブマーケティングのお手伝いをしている applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です!
今回は、台湾だろうと日本だろうと、東南アジアだろうとコンテンツこそが購入のきっかけになるよねというお話をします。しかも僕の最近の実体験を基に話します。ノンフィクションです。具体的には僕が最近買った『空気清浄機』の購入プロセスをお話しします。
もしもこれをご覧の方が、「コンテンツなんて誰も読まねーよタコ!」と脊髄反射的に思ったらここで読むのをお止めください?
消費者の人がわざわざ2-3時間かけてこんなにリアルに自分の購入プロセスを明かす事はないと思うので、メーカーさんはかなり参考になると思っています?
それでは早速お話ししましょう。
Contents
その1. きっかけはお客さんでした
今 applemint では結構有名な家電メーカーさんのお手伝いをしています。その家電メーカーさんが空気清浄機をウェブ広告したいという事になり、僕らはお手伝いを始めました。お手伝いをするので、当然その商品の事を色々調べます。
色々調べた結果、僕は少なくともこのお客さんの空気清浄機はどうやら良いらしい、という事はわかりました。ここでのポイントは僕は商品に対してある程度教育をされて、尚且つその商品を『良いもの』と認識したのに、購入には全く興味が湧かなかった事です。
なぜなら必要性を感じなかったからです。これ大事です。では次に行きましょう。
その2. 宣伝開始2ヶ月目、ついに…
僕らがその会社さんの空気清浄機を宣伝するお手伝いを始めて2ヶ月後、ついに!!!!興味を持ってません。はい、煽ってすみません? 僕はウェブ広告を微調整する度に空気清浄機の商品サイトへ行き、商品の良さをどんどん理解しているのに、別に購入する気には至っていません。
ここでも空気清浄機の必要性を感じなかったから購入していないんです。そんな僕がなぜ空気清浄機を買うことになったか、ますます気になりますよね。お待たせいたしました。ついにそのヒントをお話しします。
その3. ある雑誌の記事を読んだ
僕が空気清浄機を買おうと思ったきっかけはある雑誌の記事でした。具体的には Fast Company の『Your office air is making you stupider』という記事です。誰も英語なんて読みたくないと思うので、この記事を要約すると、どうやらオフィスの空気が悪いと従業員の生産性が下がるという研究結果が出たという記事です。
有料ですが、日本語でクーリエジャポンさんが同じ内容の記事を出しています:
ハーバード大の壮大な研究が明かす事実「オフィスの空気」が想像以上に従業員の“頭を悪く”していた!
これが僕にはめちゃくちゃ刺さりました。なぜなら僕は経営者で、いつだって従業員には高い生産性を持って仕事をして欲しいと思っているからです?この記事を読んだ後、僕の空気清浄機に対する購入意思は大体70%ありました。しかしまだ100%ではありませんでした。
ちなみにこの記事を読んだきっかけはSNSです。
「さっさと買えよ」と思ってる人もいるかと思いますが、結構な値段がするのでやっぱり少し戸惑いました。では何が最後に僕の背中を押したのでしょうか?
その4. セミナーで空気清浄機を使う企業を見て
その次の日ぐらいに僕は SNS を通して某企業がセミナーで空気清浄機を使って『安全』なセミナーをアピールしているのを見て、僕の購入意思が100%になりました。なぜなら僕は applemint lab というコミュニティでセミナーを開いているからです。
ここまでのプロセスをまとめると以下です:
- 空気清浄機の教育は受けたが購入には至らなかった
- その後 SNS でオフィスの空気がスタッフの生産性に影響することを知り、購入に前向きになる
- その後 SNS で某企業がセミナーで空気清浄機を入れて安全をアピールしている事を見て購入を決意
以上が僕の購入プロセスです。では、次に僕の今回のこの購入プロセスを振り返ってどんな仮説が立てられるかお話をしたいと思います。
ウェブサイトの限界とコンテンツの強み
もしかしたらここまで読んだ方の中には「よし!SNS をゴリゴリすれば売れる」と思った方もいるかもしれません。実際、僕はSNS がきっかけで記事や某企業のセミナー情報に触れました。しかし僕は SNS をすれば良いという単純なものではないと思っています。
今回購入までのプロセスを振り返って以下の仮説を立てることができました。
- 人によって商品を必要と思うポイントは違うから色々な角度の訴求を張り巡らせるのが良いのではないか?
- ウェブサイトで伝えられるベネフィットには限りがあるからコンテンツが有効ではないか?
- 「自分のため」より「人のため」になる訴求の方が強いのではないか?
- いざ購入する時の決め手はその会社への認知と愛着 (買う理由) が大事ではないか?
一つ一つ詳しく説明します。まず、今回僕が購入を決めた空気清浄機という商品は様々な訴求が出来ます。例えば「コロナ対策」、「子どものアレルギーのため」、「従業員の生産性のため」などです。この中で恐らく2021年現在一番消費者が惹かれる訴求は「コロナ対策」でしょう。
この訴求がもし広告だった場合、企業はここで一番効率のいい「コロナ対策」訴求の広告に絞るでしょう。「従業員の生産性のため」訴求なんて、僕のような一部の従業員の生産性を真剣に考えてる経営者にしか届きません?でもだからといってこの訴求の露出をやめるのは勿体無いと思いました。
また、今回改めてわかった事は『コンテンツ』が購入に与える影響とウェブサイトのコンテンツの限界です。
iPhone 13 のページを見てもらうとわかりますが、「映画みたいな動画が撮れます」、「ゲーム出来ます」、「良い写真撮れます」みたいに色んな訴求を散りばめてますが、一つ一つについては詳細には書かれていません。
ある一つの訴求に関して詳細に書けるのはコンテンツです。だからコンテンツって大事なんです!って話をもうすでに4年ぐらいしてるんですけどコスパが悪いので中々聞いてもらえません….(苦笑)
次に、僕が感じたのは自分のための訴求より人のためになる訴求の方が強いのではないかという仮説です。化粧品ってよく「自分」が美しくなるための訴求をするじゃないですか?それはそれで良いと思うのですが、「他の人」のためになる訴求は強いと感じました。
今回僕が購入した理由はまさしく、「従業員のため」、「セミナーに来てくれる人のため」でした。このような自分以外の誰かのための訴求ももっと増やした方がいいと思いました。
そして最後がブランドへの認知と愛着です。僕は今回「お客さん」の商品を買いました。顧客の商品を色々調べた結果、顧客の商品が良い商品という事は理解してました。次に顧客をもっと理解したいという「理由」があってお客さんの商品を選びました。
しかし大多数の一般消費者は僕みたいに広告代理店に勤めていないので、僕と同じ理由では買いません。では、どうすれば買う理由をつけられるか?機能が均一化する現代において大事なのはこの買う理由の創出で、僕はそれが愛着や信頼かなと思っています。
Next Action!
長くなりましたが、最後に今回の購入プロセスを振り返って企業がすべき事を書きたいと思います。
まず、自分達の商品が解決できる問題点や訴求ポイントを客観的な視点でブログコンテンツにしてみてはいかがでしょうか?アフィリエイト風とかじゃないですよ? 例えば空気清浄機のブログを書く場合は空気清浄機の宣伝コンテンツではなく、「オフィスの空気が生産性に与える影響」という問題点を提起したようなコンテンツです。
僕も早速着手しようと考えています。
次にそのコンテンツを一定の頻度で露出させる事です。僕は WIRED Japan をSNS でフォローしてますが、彼らは一定の頻度で同じコンテンツを再度アップしてます。SNS にフォロワーがいなければコンテンツを投稿して、その投稿を広告として露出するのもいいでしょう。
また、広告をする場合は数字にとらわれてある一つの訴求ばかりごり押しするより、費用対効果がそこまで悪くなければある程度訴求を分散して、網を張っておく事も大事だと思います。
最後に広告訴求について話します。この広告のコミュニケーションを広告を見ている人本人から広告を見ている人の友人や家族、知り合いにしてみてはどうでしょうか?
「オフィスの空気をきれいにして従業員の生産性を上げる」、「部屋をきれいにして子どもの健康を守る」みたいな他人のための視点やメッセージはもっと使ってもいいのではないかと思いました。
以上台湾から applemint 代表佐藤の購入物語でした!
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