こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
以前こちらのブログでは、2022年7月時点で日本へ旅行する台湾人に対して、台湾の旅行代理店はどういう事を考えているのか、というお話をしました。
僕は幸いにも日本国内のホテルや、一部のインバウンド従事者とお付き合いしている事もあり、そのクライアントの依頼で台湾の旅行代理店の方から色々とお話を聞く事ができます。
僕が聞くお話の中には、日本人の方々が中々聞けないような裏話もあります。
“裏話” なので元々は内容を applemint lab で有償にしていたのですが、今回特別に無償で公開することにしました!
今回のブログでは現在のざっくりとした日本と台湾の観光状況をお伝えし、最後に都道府県の自治体の方や、インバウンド従事者が旅行代理店に対してコミュニケーションする時の適切な方法についてお話をしたいと思います!
ざっくりとした日本と台湾の観光状況
以前他のブログで、2022年7月時点で台湾に入国した人の数は、1週間で大体49,000人という話をしました。
あれから1年が経った2023年3月現在はどうでしょうか?
台湾交通部観光局の最新の統計によると、2023年1月の台湾入国者数は25万人いて、去年の夏からは大幅に回復しました。
一方の日本はどうでしょうか?日本は2023年1月の入国者数は150万人いました。この入国者数は台湾の大体6倍です。
観光という観点において、日本は現在台湾を1歩も2歩もリードしている形になります。
次に台湾人はどんな所へ旅行をしているのかご紹介します。下のグラフを見ると、2023年1月の台湾人の行き先1位はぶっちぎりで日本で、その数はなんと約26万人です。
日本の2023年1月の海外からの入国者数が150万人だったことを考えると、外国人旅行者の6人に1人が台湾人という風にも言えます。
前々から言われていますが、台湾人向けのインバウンド対策が大事と言われる所以がここにあります。
ではそんな台湾人向けに日本のインバウンド従事者はどんな事を意識すればいいのか?ここからは、僕が台湾現地にいる旅行代理店関係者に聞いた裏話をご紹介していきましょう。
見積もりを出さない/勝手に値上げするホテルは嫌われる
台湾の旅行代理店が最近困っているのが、日本の多くのホテルが台湾の旅行代理店に対して料金を提示しないケースが増えている事です。
現在はロシア情勢もあり、物価の高騰が続いています。恐らくその影響を考慮してか、多くのホテルは下手に値段を提示できないのでしょう。
しかし値段を提示されないと旅行代理店はプランを組むことができません。また、コロナ前後で価格を比較すると、数倍値上げしているホテルもいて、台湾の旅行代理店は困っているそうです。
物価高騰が続いているのでやむを得ない気はしますが、コロナ前の料金を知っている旅行代理店からすると、「えっ、このホテルがこの値段?」と感じてしまうことも少なくないそうです。
恐らく多くのホテルは、「どうせコロナ前の値段なんて覚えてないでしょ」と思って新たな金額を提示しているのでしょうが、台湾の旅行代理店さんはちゃんと気付いてます。
ではどうすればいいか?価格アップを旅行代理店に好意的に受け止められたホテルの事例をご紹介します。
某日系ホテルさんは、価格を上げたものの、コロナ禍に施設の一部をリニューアルしました。彼らもホテルの価格をアップしたのですが、理由はリニューアルに伴う価格アップと説明した事で、台湾の旅行代理店は納得しました。
物価高による多少の価格アップはしょうがないものの、極端な値上げをすると旅行代理店からは敬遠されるので注意が必要です。
ビュッフェは飽きる
日本の多くのホテルは海外の旅行客に対して、ビュッフェ形式の朝ごはんや夜ご飯を提供します。また、台湾の旅行代理店もビュッフェ形式のホテルをよく選びます。理由は旅行代理店側が楽だからです。
ただし、いくらビュッフェは色んな種類のものが食べれるからと言っても、同じ場所で3日も4日も食べると旅行客は飽きてくるらしいんですね。
一般に人は朝ごはんは変化を好まず、晩御飯は変化を好むと言われています。
みなさんもこれを読みながら考えてみるとわかりますが、朝ごはんは毎日ほぼ同じものを食べ、晩御飯は違うものを食べてますよね?
こうした理由から朝ごはんはリピーターを獲得しやすいので、多くの飲食店は朝ご飯に割と注力します。
つまり、朝ごはんはビュッフェ形式で3日で4日でもいいものの、夕ご飯もビュッフェだと飽きてくるわけです。
そのためホテル内のレストランを宿泊の間に挟むのはとても有効です。レストラン側と連携をとり、台湾人の旅行客を満足させる取り組みが大事でしょう。
旅行代理店が儲かるポイントを把握する
最後に、僕がどのように台湾の旅行代理店とコミュニケーションを取っているかお話をします。
残念ながら日本から台湾へ出張で来る多くのインバウンド関係者は、旅行代理店からこうした話を引き出せません。
理由は多くの人が自己アピールに終始するためです。
コロナ前、日本からは多くの市町村のお偉いさんが連日のように台湾に来ては旅行代理店に対して「うちに台湾人を呼んでくれ」と話していました。
正直これは最悪の営業だと思っています。旅行代理店からしてみれば、あまり有名ではない市町村に台湾人を連れて行くメリットは一ミリもありません。
また、自己アピールするばかりの人に対して、人は心を開きません。みなさんだって自分の自慢話ばかりする人に対して、心を開きたいと思いませんよね?
僕が台湾の旅行代理店さんとお話をしていた際に絶えず意識していたのは、「向こうのベネフィットは何か?向こうがお金を儲けられるポイントはどこか?」という事です。
ヒアリングを重ねて分かったのは、旅行代理店は旅行客が旅行代理店に対して要求するプランが多ければ多いほど、旅行代理店は手数料が増えて儲けられるということです。
例えば旅行客が、旅行代理店に対してホテルと飛行機の手配をお願いした場合、プランは2つなので旅行代理店が儲けるポイントは少ないです。
これにツアーガイド、バス、レストランなどプランを足していくと、手数料が増えて旅行代理店の儲けが増えます。
つまり、台湾の旅行代理店に営業をする方は、如何に旅行客を満足させて、尚且つ旅行代理店を儲けさせるかきちんと考えてから訪問をする必要があります。
「うちの都道府県に来てよ!うちにはxxxという魅力的なスポットがあるよ」というコミュニケーションは旅行代理店の儲けを考えていないので不十分なのです。
僕は自分の営業が超一流とは思っていませんが、少なくとも台湾で起業して 0から顧客を開拓して、5年生き延びた実績はあります。
applemint ではインバウンド関係者の要望に合わせて現地の声を届けたり、台湾人に選んでもらえるようなデジタルマーケティングの施策をしています。
興味がある方は是非お問い合わせください。
また、今日のような有料級のお話は applemint lab で毎週お届けしています。
その他にポッドキャストでは、毎週月曜から金曜まで台湾の情報を発信しているので、ご興味がある方はそちらもチェックしてみてください!
以上 applemint 代表佐藤からでした!
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