こんにちは、台湾で applemint というデジタルマーケティングの会社の代表を務める佐藤 (@slamdunk772) です。
今日は日本の伝統工芸品を台湾で販売するためのポイントを3つご紹介したいと思います。
僕の実家である岩手県には、南部鉄器という伝統工芸品があります。最近その南部鉄器が台湾のデザイン賞を受賞したというニュースがありました。
ニュースによると、今後は南部鉄器を海外に積極的に販売したいらしく、台湾在住の僕としては是非とも台湾で頑張ってほしいと思っています?
なのでこのブログは日本で伝統工芸品を作っていて、台湾に進出(販売)したいと考えている人のために、書きました。
僕は台湾で起業してから2023年現在に至るまでに、50社以上の台湾プロモーションをお手伝いしてきましたし、その中には伝統工芸品の会社もいます。
なのでこれからするお話はそれなりに説得力はあると思います?
結論から言うと、日本の伝統工芸品は台湾でも通用すると思いますが、冒頭でもお話ししたように絶対に注意しないといけないポイントが3つあります。
そのポイントを理解しているか否かで、台湾での成功確率は全く変わるので、台湾進出を考えている日本の伝統工芸品メーカーさんは、是非このブログをご覧ください。
ちなみに以下は、台湾に進出した能作の台湾代表者と対談した際の動画です。台湾へ伝統工芸品を輸出する際の注意などについて語っています。
ポイント1. PR で認知度が広がるほど台湾は甘くない
まずお伝えしたいのが、台湾で日本の伝統工芸品を短期的に販売したい場合は、広告費をかける必要がある事です。
これはポジショントークではなく、僕は本当に広告費をかける必要があると思って話しています。
「いやいや、うちは広告費をかけなくてもポツポツ台湾人からの注文が来るよ」と回答する方に僕はよくお会いします。
もしかして”ギクッ” と思った方もいるのではないでしょうか?ただ、残念な事にそのように受け身だと注文はポツポツくるかもしれませんが、一定の”量” を売る事ができません。
一定の量が売れなければ小売店も販売代理店も誰も取り扱ってくれません。
台湾である一定の数量を短期的に売りたければ、残念ながら台湾では広告をする必要があります。
その一番の理由は、台湾は PR で認知度が中々上がらない構造になっているためです。詳しくは以下のブログをご覧いただきたいのですが、台湾では通常テレビ局やメディアが企業を取材しても、企業名や商品名は伏せられます。
台湾ではメディアに企業名や商品名が出るのは、メディアに対してお金を払った場合です。
例えば富山の伝統工芸品メーカー能作さんは、日本で『ガイアの夜明け』や『がっちりマンデー』など有名な番組に実名で取り上げられ、それが認知度に貢献してきました。
残念ながら台湾ではそれが難しいということです。
台湾進出はそれなりに費用(リスク)をかける必要があるという事です。
ポイント2. 台湾人の生活を意識する
次に大事なポイントは、台湾人の生活や文化を意識する事です。
文化や習慣が根付いていない商品を台湾で売ろうとすると、苦戦します。
例えば、扇子は台湾人に大人気のお土産ですが、いざ台湾で販売したら台湾人に扇子を使う習慣はないので、苦戦する可能性はあるでしょう。
この観点から話をすると、南部鉄器もコミュニケーションやターゲットを工夫しないと恐らく苦戦します。
理由は二つあります:
- 台湾にはキッチンがない家も多く、一般家庭における南部鉄器の使用用途は限定的
- 一般家庭では茶葉よりティーバッグが好まれる
これらを踏まえると、僕だったら南部鉄器は対消費者のプロモーションだけでなく、対企業のプロモーションも行うと思います。
対消費者向けのプロモーションでは、IHタイプのコンロにも対応できるというコミュニケーションを取ると思います。
台湾は古い家はガスコンロで、比較的新しい家は IHタイプのコンロが多いです。
続いて対企業 (お店や小売店) 向けには、南部鉄器を用いて何かを作る事で、エンドユーザーがどんなベネフィットを感じられるかコミュニケーションをします。
僕らコミュニケーションのプロなので、ターゲティングやコミュニケーションをロジカルに丁寧に行うのですが、中にはコミュニケーションの費用をケチって綺麗な写真を使えばいいと思って自分達でやる企業がいます。
また、物流関係者や小売店など、コミュニケーションのプロでない方に、ついでにコミュニケーションをお願いするメーカーさんも結構います。
それで結果が出てていればいいですが、よく話を聞くと結果は出ていません。というか、伝統工芸品メーカーさん側が数字を理解していない場合があり、そうするとカモられます?
コミュニケーションはプロに頼む事を強くオススメします。
applemint は台湾を拠点にしている、台湾コミュニケーションのプロです。
ポイント3. デザインや商品の現地化
最後に、現地化した商品の開発まで考えられるとベストです。
最初は日本の物をそのまま台湾で売るとして、遅かれ早かれ台湾向けにデザインや商品をアレンジするといいでしょう。
能作さんは台湾の現地アーティストと組んで、台湾向けの商品を販売しています。その背景にあったのは日本と台湾の生活習慣の違いです。
日本の商品は日本人の生活習慣に合わせて作られているので、台湾で売るとどうしてもずれが生じます。
そこで能作さんは、台湾人の生活習慣に合った商品を作ったわけです。
進出したばかりのメーカーさんは、最初そんなにリソースがないので、既存の商品を売る事になるでしょう。
ただ、ポイント2. でもお話ししたように、台湾人の習慣に合わない工芸品はそもそも売れません。
お土産は別ですよ!
なので、僕のアドバイスはまず台湾向けに広告を行い、日本に来た台湾人観光客ではなく、台湾現地に住む人に宣伝をする事です。
宣伝をすれば台湾現地の人に反応がいい商品が見えてきます。
その商品をベースに広告を強化し、可能であれば、台湾の人のニーズに合わせて反応がいい商品を改良するといいと思います。
或いは実際に顧客の反応を目で見たいという事であれば、展示会からスタートするのもいいかもしれません。展示会の唯一のデメリットは初期コストが結構かかってしまう点です。
やり方は色々ありますが、以上が伝統工芸品を台湾で売る場合の注意点です。
その他にもapplemint では、「広告をする場合は、予算はどれくらいがいいのか?」、「日本から台湾人向けの広告はできるのか?」、「決済は?」、「小売店へのアプローチは?」、「台湾向けの輸出は?」などの疑問にお答えし、台湾現地に住む台湾人への適切なコミュニケーションを行っています。
また、台湾への輸入に詳しいスタッフも入社予定なので、台湾で伝統工芸品を売りたいと思っている方のお手伝いもできます。
僕も個人的に世界に目を向け、世界で勝負をしたいと考えいる日本の伝統工芸品メーカーを応援したいと思っています!
一緒にお手伝いができれば幸いです。
以上applemint 代表佐藤からでした!
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