こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
台湾では2023年4月から、オンラインで商品を販売する企業や一部の個人を対象に、国税局にオンラインの販売サイトの申請/登録が必要になりました。
台湾のECサイトやShopify などを利用してネットで商品を販売している方の中には、上記 URL から登録する必要があります。
締め切りは4/30までで、期限を過ぎると…罰金の可能性があります?
ただご安心ください。罰金は今の所1,500NTD – 15,000NTD(6,585円-65,850円)です。そんなにクレイジーな金額ではありません?
参考:修正「稅籍登記規則」等法規,規範網路銷售營業人應公示稅籍暨保存交易紀錄及登記新制輔導事宜
このブログでは台湾がなぜこのような施策を行う事になったのかという背景と、「越境ECはどうか?」、「個人が 蝦皮 (Shopee) やその他 Shopify 等で商品を売る場合はどうか?」などお話をししたいと思います。
今回のブログ執筆にあたって、うちの顧問弁護士にも協力をいただきました。一般の人が弁護士さんに何か相談をすると、それだけ軽く1-2万円するので、かなり有料級なブログだと思っています?
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施策に至った背景
結論から言うと、台湾側が税金をきちんと徴収したいという事だと思います?
特にオンライン上で「代購」や、個人で商品を売っていて、それなりに売上があるのに、發票を発行していないような方々から、きちんと税金を取りたいと考えたのではないかと考えています。
後ほどお話をする越境ECサイトに対しても、台湾側は今回の措置を通じて海外の運営会社に台湾現地に法人を設立して、きちんと税金を払うよう訴えようとしているのが見えます。
越境ECはどうなる?
では、日本にいながら台湾向けに商品を販売している越境 EC サイトは登録が必要でしょうか?結論から言うと、必要ありません。
今回の措置は基本的に台湾に支店や法人を構えている企業や、台湾在住の個人の方が対象です。
その代わり今後越境ECを運営する企業は、ある一定の数量を頻繁に日本から台湾に送ると、税関で止められるリスクが高くなりそうです。
一応台湾の『公司法第371條第1項』によると、外国の企業は中華民国に会社を登録をしないと中華民国で商売をしてはいけない事になっています?
ただし現在越境EC というか、海外のサイトでよく台湾人に利用されているサービスの一つに iHerb があって、iHerb は台湾現地に法人がないにも関わらず、台湾の消費者から頻繁に利用されてます。
税金を払わずに台湾の消費者に対して商品を販売する事に対して台湾の政府がよく思っているはずがありません。
そのため、今後 iHerb のサービスは使いづらくなる可能性があるかもしれません。
iHerb は ezway が出てきたタイミングで台湾向けに一度サービスの停止をしましたしね。
なので繰り返しになりますが、弁護士の方からは、台湾向け越境ECは登録の必要はないものの、毎月一定の取引量がある場合は、税関に目をつけられ税関で止められるリスクが高くなるだろうとフィードバックをもらいました。
一度目をつけられたら、発注先の住所や会社はブラックリストに載るでしょうし、そしたら越境事業の継続は難しくなる可能性があります。
つまり、越境ECは売れれば売れるほど目をつけられるやすくなる訳ですが、売れる事がわかったら現地法人を立てればいいのかな?って思います?
いずれにせよ、越境ECは今回の登録をする必要はありません。
蝦皮やECサイトを経由して売っている人は?
台湾国内に住んでいて、個人で蝦皮やECサイトを通じて何かを販売している人は、一部登録をする必要があります。
以下は蝦皮が公式サイトで公開している、今回の登録措置に関するガイダンスです:
上の記事によると、現行の規定では月商が 8万元以上ある人は、課税 (営業税) の対象になるので登録が必要と書いてあり、逆に8万元以下の人は一時的に免除と書いてあります。
その他、記事には、月商が8万元〜20万元の人は、四半期ごとに売上に対して1%の税金を課税しますよと書かれています。
従って、個人で台湾の EC サイトを通じて商品を販売されている方で、月商が8万元以下の人は絶対に登録が必要というわけではなさそうです。
これは Shopify や 91Apps といった、個人で構築するECサイトも含まれると思います(蝦皮が公式で言っているので?)
しかし、ちょっと考えてみてください。
使用者の中には月商が8万元以上あるのに、税金から逃れるため、国税局に登録をしない人がきっと出てきます。
では、そのような売上をごまかそうとする人に対して、台湾はどんな対策をとっているのでしょうか?
以下の資料によると、今後売り手は取引の日付や取引金額など、取引に関する全ての情報を記録する必要があると書かれています。
参考:網路賣家需揭露統編及公司名稱之規定(112年1月1日起)
売上を記録せずにある日国税局に何か指摘されたら、管理が不十分という理由で何らかの罰を受ける可能性はあります。
競合他社からの密告も十分あり得ます….
ちなみに、ECからの売上が毎月8万元なくても、台湾現地に法人を設立している日系企業さんは登録をする必要があります。統一發票を持つ企業は売上の金額に関わらず基本的に全て登録が必要です。
僕らも毎月の売上が8万元を超えない、会員型のサービス applemint lab を登録しました。
以上 applemint 代表佐藤から、台湾ECサイトの登録についてでした!
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