こんにちは、台湾でデジタルマーケティングの会社をしている applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です!
デザイナーの方って中国語 (繁体字) を使う時どのフォントを選んでいますか?中国語だとどれを使ったらいいかわからない方が多いのではないでしょうか?
そこで日本語で中国語フォントの記事があまり見つからなかったので台湾にいるというアドバンテージを生かして僕のおすすめ中国語フォント及び会社をご紹介したいと思います!
※2019年2月26日更新
※2020年6月18日更新
※2022年3月30日更新
※2023年4月27日更新
Contents
まずは無料のものから!
Noto sans CJK TC
無料の代表格は Google font ですよね。繁体字は Noto Sans CJK TC です。
このフォントはごり押しするわけではありませんが無償で且つフォントウェイトが Thin、Light、Demilight、Regular、Medium、Bold、Black と豊富なため、使い勝手がいいかと思います。
使ってみるとわかりますが、語彙が多いせいかウェブフォントはローディング速度が遅いです。僕らのあるお客さんは Noto sans JP と Noto Sans CJK TC を間違えて同時にロードするような設定をしていて、そのせいでローディング速度がめちゃくちゃ遅いです。
改善しましょう!と何度も言っているのに改善しない…
https://www.google.com/get/noto/#sans-hant
タイプで選べる無料繁体字フォント
次に、タイプで選べる無料繁体字フォントサイトをご紹介します。一応 “商用可能”と書いてます。
正直そんなにクオリティは高いとは思いませんが、タダですし、サクッとなんかバラエティに富んだ繁体字をDL したい場合は便利かと思います。
漢字が読めないという方は Google Chrome の翻訳を使って見てみるといいでしょう。参考までにこのサイト内にある、”手書きフォント” がどんなものか下に貼り付けます。
お気に入りのフォントが見つかったら、下までスクロールして青いボタンを押せば、ttf ファイルがダウンロードできます。
危ない匂いがする王漢
続いては“王漢” という無料フォントをご紹介します。このサイトのブロガーがサイト内にフォントをアップしています。自己責任になりますが DL 可能です。
僕は怖くてちょっとダウンロードできていないです…
少し前の記事になりますが、中国語のフォントの著作権については以下のブログに詳しく書いています。
台湾では、『華康』という大手フォント制作会社が、コンピューターにバンドルされているフォントをユーチューブで利用した場合課金する旨を2019年頃に発表して問題になりました。
お金はあるから良いフォントを選んで見たい方!有料フォントの紹介
色々な種類の繁体字フォントが選べる”華康”
参考:HP (2023年4月27日アクセス)
華康は動画内のフォント使用を理由に、ユーチューバーから課金を試みて話題になった会社です。
実際に課金出来たのかは正直わかりません。この会社は日本でいうモリサワフォントのような会社で、割と昔からある歴史的なフォント会社だそうです。
と言うかこの会社はその後確かモリサワと資本関係を結んだと思います。
歴史ある会社で尚且つきちんとお金を取るだけあって、フォントのクオリティは高いなと思いました。
個人的に明朝体がいいと思う”文鼎”
“文鼎“は友人から紹介されたフォント会社です。この会社はコミカルなフォントやユニークなフォントより、明朝体が非常にいいと思いました。
特に上記ページの AR Kaiti は、個人的に明朝体でありながら、ウェイトがあるので小さくしても視認性があり、レストランのメニューとかいいかなーと思いました。
ただしこの手のフォントは日本語でも多数あるので、豆腐文字にならなければ日本語フォントを使えば問題ないかと…
しかし漢字のハイトとアルファベットのハイトの差が大きいのが少し気になります….
クラウドファンディングで驚異の5000万円集めた justfont 社
最後に台湾で一番勢いがある justfont という会社をご紹介します。
この会社は、金萱というフォントを開発するため、 150 万NT (日本円で約 500 万円)を目標額にしてクラウドファンディングした結果、あっという間に目標額を達成し、結果的に約5,000万円 を集めてしまった驚異の会社です。
また、Justfont 社はブログを頻繁に更新しておりフォント関連の色んなネタが見つかります。
以前この会社を調べたところ、ブログコンテンツのおかげでフォント関連のキーワードからのトラフィックが結構ある事がわかっています。
また、SNS を積極的に活用してイベントを告知や、フォントの面白さを伝えるのが上手く、デジタル・マーケティングにセンスを感じます。
台湾での Facebook 運用は彼らの Facebook ページ『字戀』を見ると、かなり参考になる点が多いです。
僕は Justfont 社の『金萱』というフォントに関して専門的な意見は言えませんが、パッと見、例えば「推薦」の「薦」の草冠の下の点やその他所々が斜めになっており、画数が多い繁体字の漢字でも、一つ一つ視認させようとするこだわりが見えて好きです。(下記参照)
Justfont 社新発売フォント『凝書體』
Justfont 社はその後2020年にも『凝書體』というフォントを発売しました。
applemint ではこのフォントを購入したので、購入して思った事を簡単にまとめます。
- 凝書體のメリット・デメリット
-
メリット:フォントに困った時に使えばとりあえずサマになる。
デメリット:ウェイトが1つで、結局思ったより使う回数が少ない
綺麗な書体でパッケージやカバーにいいと思うんですが、買ってみて分かったのは、意外に使わないという事でした…(苦笑)
ウェイトが1種類なので不便なんですよね…なので使う時は 1pt ストロークを足して少し濃くしたりしていた結果、面倒になって使わなくなりました…
このフォントに関しても結局モリサワやAdobe フォントで似たようなフォントがあるので、豆腐文字さえ出なければそっちを使うのがいいと思います。
豆腐文字も結局イラレでどうにでも出来ますしね…(ちょっと面倒ですが)
よく使う日本語フォント
AXIS
僕は台湾で日本語フォントを使う時は、よく AXIS を使います。
日本語と英語を混ぜた時のハイトのバランスすごくいいため、日本語・英語・中国語を資料でよく使うためお世話になっています。
僕がいるデジタルマーケティングの業界って横文字が多いので日本語と英語のフォントのハイトのバランスがいいと助かります。
また、日本語と英語のバランスという点では僕らのブログでも使わせてもらっているたづがね角ゴシックもお勧めです。
ただし前文で少し触れましたが、繁体字でよく使う漢字は、日本語に変換するとたびたび豆腐文字になるので気をつけてください。下に日本の漢字と微妙に異なる変換不可の繁体字一例をのせます。
まとめ/結論
台湾の繁体字は正直バリエーションが多くないです。種類はかなりありますが、結構似通っている印象です。
聞いた話によると、華康の何百種類にものぼる繁体字のフォントも実はかなり似通っているらしいです。
繁体字を使っているのは主に台湾と香港という小さな市場に限られていて、開発の手間や投資回収性を考えると、繁体字のフォントを開発するのは割りに合わないのでしょうね。
ということで私の結論は以下です。
- とにかく利便性を考えるなら google フォント:google フォントは無償で商用利用可能という驚異的なフォントです。
ウェイトも複数あるため一般的な人であればまず困ることはないと思います。 - デザインよりも繁体字表示に重点を置く場合: 華康、文鼎、justfont をオススメします。
- とにかくデザイン性を重視する場合:モリサワフォント。日本語(漢字)のバリエーションが半端ないためパスポートがあればかなり便利です (モリサワでなくてもフォントワークスのフォントでもなんでもいいですが…)
繰り返しになりますが、2018年秋から台湾のフォント会社によるフォントライセンスの強化が行われていて、一部ユーチューバーが影響を受けています。
繁体字のフォントを使うと、とばっちりを受ける可能性も出て来たので是非以下の記事も併せてご覧ください。
最後に少しだけ簡体字について
最後に少しだけ簡体字(中国大陸で使われる漢字)についてお話をしたいと思います。
中国でモノを売る時、パッケージやウェブサイトのフォントは中国政府が公認したフォントを使う必要があります。
意外に知らない方が多いのではないでしょうか?モリサワ社が中国語フォントについて書いているのでコチラを参考ください。
ちなみに中国語のフォントに興味があって台湾(台北)に来る予定の方は世界で唯一の繁体字の活版印刷屋の日星鑄字行が超おすすめです!日星鑄字行のレポートは以下のブログをご覧ください!
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