こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!
今日は台湾でインフルエンサーを起用する場合に絶対に気をつけたい規則についてお話をします。
結論から言うと、2023年6月現在の台湾のインフルエンサーに対する規制は緩く、ほとんどのインフルエンサーは規制をガン無視してますが、罰則されると結構痛い目に遭うので今から気をつけた方がいいと思います?
しかも違反が見つかった場合の罰金はなんとインフルエンサー、広告主、広告代理店など全ての関係者に及んだりします?
ただ、冒頭でもお伝えした通り、現在インフルエンサーの宣伝に対する規制はあるものの、罰則や指摘はほとんどないため、インフルエンサーや広告主はきちんと注意を払ってません。
今の状況をサッカーで例えると、オフサイドというルールはあるものの、みんなオフサイドのルールを理解していないから、平気でオフサイドをしてる感じです⚽️?
しかし、オフサイドは存在するし、今後厳格にオフサイドをチェックし始めたら、バンバン罰せられる可能性があります。
なぜなら台湾でも日本でも企業は競合やライバルを潰そうと、ガンガン他社の違法な所を見つけてそれを密告するからです?
台湾で飲食店を営んでいる方なら嫌がらせの1つや2つは絶対に受けた事があると思います。
特にインスタやFacebook の投稿文は Story のように消えないので、今の内に対処しないとスクショを取られる可能性があります。
という事で、このブログでは台湾のインフルエンサーを起用した宣伝に関する規制をサクッと書きます。
Contents
罰金20万元の理科太太
まずは台湾で起きたある罰則事例についてお話をします。
時は2019年まで遡ります。その当時、『理科太太』という、台湾では割とメジャーな100万人以上の登録者を持つ YouTuber が台湾のインフルエンサーとして初めて罰金の処分を受けました。
理由は許可なしの医療用品の宣伝です。彼女は動画の中でガンを検査できるキットを紹介していたのですが、概要欄に検査キットのHP を貼り付け、これが如何にも検査キットを宣伝するような感じが見られたので罰せられました。
罰金は20万元で、その当時のレートで大体75万円です。彼女が罰金になった詳細は以下です:
- 医薬品や医療品の広告は事前の申請が必要
- 医薬品や医療品のイメージモデル自体が医薬品法に違反する
つまり、医療品や医療機材、医療クリニックなどの広告宣伝はインフルエンサーの投稿に限らずテレビでも何でもかなり慎重にする必要があります?
と言いつつ、みなさん全然気をつけてませんが…
その後この理科太太はまた世間を騒がす宣伝をして物議をかもします。
理科太太の物議を呼んだ宣伝
理科太太が2019年に罰せられてから3年の月日が経った2022年に、彼女はある投稿をして世間を騒がせました。彼女は『諮商筆記』という自身のオンラインクラス(カウンセリングコース)を立ち上げ、それを YouTube 上で宣伝しました。
もともと彼女は医療を学んでいたらしく、今まで何人もの人のカウンセリングをしてきた経験を活かしてこのコースを立ち上げました。
そんな彼女のオンラインカウンセリングコースがニュースになったのは、”カウンセリング”という行為が医療行為にあたるのではないかという指摘があったためです。
お医者さんではない彼女が誰かをカウンセリングする事や、カウンセリングコースがある事を動画で宣伝する事が問題となりました。
こうした事例からわかるのは、台湾では医療行為や何らかの治療に関する宣伝に関しては、衛生局や保健局がインフルエンサーの投稿に目を光らせているという事です。
では、他はどうかと言うと、正直他の宣伝に関しては、2023年現在かなり緩いと思っています。ただ、これが今後どうなるかと言うと、多分厳しくなると僕は思っています。なぜなら世界がどんどん厳格化する流れだからです。
日本ではステマに対する規制が2023年の10月から厳格化されますし、フランスでもインフルエンサーに対する規制が強化されました。
参考:世界的な規制のきっかけとなるか フランスで成立した「インフルエンサー法」の中身
また、台湾でも2023年の2月にインフルエンサーに対する規制が更改され、今後厳しくなるよ!というニュースが4月に出ました。気になる方は以下をご覧ください:
参考:網紅代言不實將開罰!法制局:網紅定義應有具體標準
では、何がどう厳しくなるのか?最後に今後インフルエンサーを起用する予定がある企業様向けに、台湾でインフルエンサーを起用する時に気をつけたい点を述べて終わりたいと思います。
現在の台湾のインフルエンサー広告に関する規則と今後絶対に気をつけたいこと
では具体的にどう厳しくなるのか?インフルエンサーの広告に関する規則は2023年に2月に更新されました。ここでは主な論点だけ抜粋しますね:
- インフルエンサーは実際に使用した体験を述べる必要がある(嘘をついちゃダメだよって事です)
- お金をもらって宣伝したらそれを明示しましょうね(概要欄に書くだけでも OK)
- 実際に体験/使用してくださいね
色々調べた結果、僕の個人的な印象は、現時点で台湾で一番重視されているのは、インフルエンサーが嘘の宣伝をしたか否かだと思います。
例えば使ってもいない商品の宣伝とかはバレたら危ないですが、現在のインフルエンサーは皆宣伝をする前に商品を使用して宣伝するか否か決めているので、正直インフルエンサーに対する規制が厳しくなった気はしません?
台湾のインフルエンサー対策は、所謂日本のステマ対策とはちょっと違うかなーと思っています。ただ、今回リストアップした3つのポイントはいずれも遵守する必要はあるので今後気をつけたいです。
今後インフルエンサーを起用する際に絶対に気をつけたい事
台湾も日本もライバルを蹴落とすために、相手の欠点を見つけて衛生局やその他機関にチクる事はよくあります。
悲しいのは台湾という異国で日本人が日本人を陥れようとする事態が度々起きる事です…
これをご覧の方々に僕からお伝えしたい事は一つです。今後台湾のインフルエンサーに宣伝をお願いする場合は、小さくてもいいので必ず概要欄や投稿文に『これはPRです』の表記をつけてください。
また、YouTuberに宣伝をお願いする場合は「プロモーションを含む」を必ず入れておいた方がいいと思います。それで効果が下がるなら入れなくてもいいでしょうが、ライバル企業はこういうミスをガンガン突っついてきます。
インスタグラムのリール動画や投稿も同じです。インスタはアップする際、投稿が PR か否かを表示させる機能があります。今後は絶対に表示させた方がいいです。というか、過去の投稿もさせた方がいいです。
ライバルは規則が厳しくなった瞬間、ガンガンこういうミスを狙って蹴落とそうとします。
以上 applemint 代表佐藤からでした!
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