【台湾・新任駐在員必見】台湾で自身と家族、社員を守る防災対策

【台湾・新任駐在員必見】台湾で自身と家族、社員を守る防災対策

こんにちは、applemintの木村です。

2024年4月3日台湾時間朝8時頃、台湾は20年ぶりに大規模な地震に見舞われました。

ちょうど朝の通勤時間であったことから、新任駐在員の方々は何が起こっているのか(携帯への緊急速報が台北では届かなったところもあった為)、家族や社員の安否確認はどうすれば良いのか、会社の防災対策はどうなっているのか?など、不安や今後の課題について感じる事があったかと思います。

そこで本ブログでは、台湾での生活を始めたばかりの日本人駐在員の方々へ、台湾で自身だけでなく、家族や社員の安全を確保するための防災対策についてお伝えします!

台湾の防災対策の現状

台湾は、地理的・気候的特性から、日本と同様に「自然災害大国」とも言える状況にあります。過去の自然災害の経験から日本を手本として、台湾政府は防災に対する法制度を整備し、国民の防災意識向上に力を入れています。

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出典:消防統計年報、20171025 台湾地区天然災害損失統計表より筆者作成

921大地震(1999年)とモラコット台風による八八水害(2009年)以降、地域防災の重要性が認識され、「防災コミュニティ」構築事業が推進されてきました。
台湾では災害の種類によって管轄省庁が異なり、「防災コミュニティ」構築事業は各省庁がそれぞれに進めています。

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図:防災管轄省庁

過去数十年にわたる法制度の変遷を見て分かるように、台湾は災害発生後の迅速な対応とともに、予防策の充実に努めてきました。特に、教育プログラムの導入や公共施設の耐震化が進められ、一般市民の防災に対する意識も高まっています。

台湾防災デジタルツールの活用

台湾政府はデジタルツールを利用して情報を提供し、国民が災害時に迅速かつ効果的に対応できるよう支援しています。特に以下の公式LINE登録やアプリケーションは非常に有用です。

國家災害防救科技中心や各地域自治体発信の公式LINE

・國家災害防救科技中心:中央気象署発表内容の配信

・各地域自治体発信の公式LINE:居住地域の情報が入手できる

各地域自治体のLINEでは、台風や地震による交通機関への影響や「停辦停課」などの情報を入手できます。

「停辦停課」とは、「台風や災害の影響により、各自治体が翌日の公務員や学生の出勤・通学の判断を発令します。(台風の場合は、前日の20時までに発令されます)

4月3日に発生した花連地震の1回目の大きな揺れの際、私は地元のMRT駅に到着した直後でした。携帯のSNSによる緊急速報が届かず、駅ではMRTの運行が一時停止されるとの告知がありましたが、他地域の状況が分からず不安でした。

しかし、約30分後には前述の2つの公式LINEから台湾全土の状況と私の居住地域や会社所在地の詳しい情報を得ることができました。特に地域自治体発信のLINEでは、交通状況(鉄道各路線の状況や、道路規制など)の詳細が配信されていたので、その後の移動判断に役に立ちました。

緊急避難所マップ(內政部消防署)

避難所の場所を検索でき、最寄りの安全な場所をすぐに見つけることができます。(こちらから検索

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引用元:緊急避難所マップ 
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引用元:緊急避難所マップ(地域別マップ)

日本の災害マップのように、自宅や自社における避難所・避難公園などの情報を入手できます。

自社のBCP対策としても、近隣の防災避難所・防空避難所の把握は必須です!

消防防災e點通

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引用元:消防防災e點通 パソコン版

災害発生時の必要な情報を提供し、防災のためのガイドラインや連絡先が掲載されています。(アプリのリンク)。

多言語に対応しているため、日本語で確認することもできます。

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引用元:消防防災e點通 携帯版(参考:防災カード登録ページ) 

「防災カード」を登録することで家族や社員の安否確認にも活用できます。

今からできること

駐在員としては、まず自分と社員の安全管理計画を策定することが重要です。緊急連絡網の作成や定期的な防災訓練の実施、避難経路の確認といった基本的な準備が求められます。

また、防災グッズの準備も欠かせません。水、食料、救急用品などの備蓄が揃っているのか確認が必要です。

水や救急用品は割と容易に手に入りますが、食料(備蓄食品)はどのように揃えれば良いのか?

台湾でも備蓄食品の販売はありますが、有効保存期間が長いとコストが高くついてしまいます。

社内の備蓄としては、有効賞味期限が半年程度の食品や水をストックしておくことをお勧めします。

福利厚生の一貫として、備蓄食料品の賞味期限が近づいたら社員への「おやつ」として提供し、新しい備蓄食料品を購入している企業もあります!

私は日本(横浜)で東日本大震災、台湾でのCOVID -19によるロックダウンを経験しました。非常事態の時、コンビニやスーパーで備蓄食料となり得る商品が全て売れてしまい、棚には何も陳列されていない光景を目の当たりにしました。会社の備蓄だけでなく、私生活においても備えは重要です。

私は自宅での備蓄食料として「水1.5L×6本」「レトルト食品×6食」「温めるご飯×6パック」「クッキーやビスケットなど×3箱」を常時在庫として持っている状態にしています。

備蓄食料が私の通常食でもあったりしますが・・・😅

まとめ

台湾で安全な生活を送るためには、日頃からの防災対策と情報収集が不可欠です。

中国語が完全に理解できなくても、自然災害は待ってくれません。緊急速報が日本語で放送されることはありません。

事前に状況判断ができるように、情報の入手先を知っておけば、いざという時に的確な判断が取れるようになります。

自身と家族、そして社員を守る防災対策は駐在員の使命でもあります。本ブログの内容が、皆様の安全を守るお役に立てれば幸いです。

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木村 久絵

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