みなさんこんにちは、台湾で applemint というデジタルマーケティングの会社の代表を務める佐藤 (@slamdunk772) です🙃
今日は、台湾で起業して7年になる僕が、台湾で学んだマネジメント術についてお話ししたいと思います。駐在員の方々と違い、僕は完全に自分のお金で、自分自身で経営しています。
もちろん、駐在員の方々も大変だとは思いますが、彼らの場合、社員が抜けようが台湾支店がどうなろうが、本社という「帰る場所」さえあれば何とかなるのが現実です。
しかし!僕の場合、社員が抜けたり、台湾での事業がダメになったりしたら、それで終わりです。逃げ場なんてありません。だからこそ、他の日本人の方々の5倍くらい必死にやっているわけです😅
今日はそんな僕が、この7年間の台湾起業の中で、必死に学んできたマネジメント術についてお話ししたいと思います。
Contents
過去の失敗:コロナ後全員離職
僕は30歳で台湾で起業し、同じく30歳で社長になりました。幸いなことに、若い頃に必死で中国語を勉強したおかげで、台湾という異国での起業でもコミュニケーション面で大きな困難はほとんどありませんでした。
しかし、中国語でコミュニケーションが取れるからといって、それがそのままマネジメントのスキルに繋がるわけではありません。
起業して3年目には、社員が僕と共同創業者を含めて5名になり、夏場にはインターン生もいました。しかし、4年目には僕と共同創業者以外の全員が辞めてしまいました😢
コロナ禍での離職ということもあり、みなリモートワークをしており、ある社員には退職時に挨拶すら拒否され、家にあった会社のパソコンをそのままオフィスに郵送されました😭
さらに、オフィスにあった私物については「全部捨てていいです」と一言。「自分はどれだけ嫌われていたんだよ」、と思いました
ただ、そうなる兆候はありました。スタッフが全員辞める半年前、2年間在籍していた社員が一人退職しました。また、彼女が辞める半年ぐらい前から、彼女を含むメンバーは僕と共同創業者と別々にランチを食べ始めていました。どうやら、僕は相当嫌われていたようです🤨
その後、幸いなことに日本人の方が一人入社してくれ、さらに台湾人のスタッフももう一人加わり、なんとか仕事を回せるようになりました。また、104(台湾の求人サイト)からのDMをきっかけに、新たな社員が1名入社してくれたこともあり、その後は少しずつ軌道に乗り始めました。
しかし、残念ながらその後入社したスタッフも全員辞めてしまいました😢
一人は急な日本帰国、もう一人はワーキングホリデー、そして最後の一人は転職という理由でした。ただ、彼女たちは今も外注パートナーとして僕の会社と関わってくれており、それぞれの立場で頑張ってくれています。
こうした数々の失敗を経て、ようやく良好で対等な仕事関係を築けるようになりました。これも、これまでの苦い経験のおかげだと思っています。
コミュニケーションの希薄化
では、僕は台湾でどのようにしてマネージメントを学んできたのか?
まず、1回目の離職ブームで起きたのは、コミュニケーションの希薄化が原因だったと考えています。うちの会社を2年で辞め、現在は台湾でインフルエンサーとして大活躍中の元スタッフがその当時の事を赤裸々に語ってくれました。
彼女は僕が起業して2年目に入社した最初のスタッフなのですが、彼女いわく、僕は最初フレンドリーでいい感じの距離感だったのが、スタッフが増えたタイミングで距離感を感じ、冷たくなったと感じたようです。
確かに心当たりはあって、ちょうど起業3年目ぐらいの時は、スタッフと近すぎない方がいいのではないかと思い、わざと距離を置いてました。ただ、それが後々のコミュニケーションの希薄化につながりました。
この頃からランチは別々に食べるようになり、スタッフには避けられるようになり、スタッフと同行した商談も何も会話がないまますぐに解散になることもしばしばでした(以前は談笑しながら帰っていたのに)。
小さな会社におけるコミュニケーション不足は本当に致命的になることを痛感しました。
目的が不明瞭になったスタッフの離職
また、あるスタッフはとても高い情熱を持って入社したのに、その後彼女は情熱を失います。
このスタッフは冒頭で話した、後にパソコンを郵送して僕との面会を拒否したスタッフです。
彼女はイギリスの大学と大学院を卒業し、イギリスではアントレプレナー(起業)を学んでいました。とてもやる気があって、責任感があり、物覚えがいい優秀なスタッフでした。
大企業に入るチャンスもあったと思いますが、起業を学ぶためにうちに入社し、次第に僕とのコミュニケーションはなくなり、彼女が一番親しくしていた一人目の社員が抜けた数ヶ月後に離職しました。
まだまだ”起業”という意味では色々学べたと思うのですが、目的より個人的にうちで働く楽しさを感じられなくなったのでしょう。
現在意識している事
今回ご紹介したのはほんの一例です。他にも色んな失敗をしています。僕はこうした経験を経て現在二つの事を意識しています。
一つは、公平さともう一つはコミュニケーションです。デジタルマーケティングでも農業でも、スポーツでも結局は、”誰と働くか” がかなり大事だと今は感じています。
「この人となら一緒に働きたい」とどれだけ思わせるかが大事なのではないかと思っています。また、誰かを過度に贔屓せずに、公平でありたいと思っています。
例えば、日本人は通常台湾で働く場合、労働許可証の発行のために約 48,000NTDの給与を得ます。これは現地の水準からすると、決して安くない給与です。
そんな日本人をもしも、日本人という理由だけで48,000NTD 支給していたら現地のスタッフが納得するはずがありません。だからこそスタッフには給与に見合うだけの価値を求め、価値を提供しているスタッフにはその価値にあった競争力のある給与を提供しようと心がけています。
雑談(当然中国語で)
現在僕はどんなに忙しくても 2週間に一回、スタッフと面談をしています。
過去数年間の失敗で、雑談やコミュニケーションの場がないと、小さなチームでは命取りになることを学びました。人によっては適度な距離感が大事という人もいると思いますが、僕は個人的に小さなチームであれば、むしろ積極的にコミュニケーションを取って雑談をした方がいいと思っています。
以前は面談なんて、やったとしても1-2ヶ月に一回でしたが、現在は出張がなければ必ず2週間に一回行っています。
また、面談だと真面目な話ばかりになるケースが多いですし、今はランチタイムの雑談も大事にしています。
また、雑談は相手が社員が日本語を話せるならいいかもしれませんが、極力相手に合わせて中国語でする事が僕は大事だと思っています。
ポジティブなフィードバック
褒めることの重要性もこの7年で学びました。当たり前すぎますが、褒めるって意識してないと中々出来ませんなぜなら人は他人の嫌な部分ばかりが見えるからです。
けれど、マネージメントで大事なのはモチベーションのアップです。そしてモチベーションアップは、ポジティブなフィードバックによってもたらされる事が多々あります。
そのため僕は面談の前にできるだけ、面談相手の良いところを見つけてから面談に臨んでいます。
まとめ:日々のコミュニケーション、褒める
まとめると、当たり前かもしれませんが、日々のコミュニケーションとポジティブなフィードバック(褒める)ことが大事だと思っています。
そして日々のコミュニケーションとポジティブフィードバックをするためには、中国語は欠かせないと思います。社員が全員日本語を話せる小さな会社なら良いでしょうが、20-30人いれば、必ず1-2人は喋れないスタッフも出てきます。
そうすると結局日本語が話せるスタッフとしかコミュニケーションを取らなくなり、喋れないスタッフは疎外感を感じるでしょう。
また、日本語が話せるスタッフも第二言語でコミュニケーションを取っている事を理解しなければいけません。つまり、コミュニケーションは取れているようであまり取れてないって事です。
よく知り合いに、「佐藤さんの所はよく社員で食事とか行くの?」って聞かれますが、答えはNoです。多分3-4ヶ月に一回ぐらいしかスタッフと一緒に食事に行きません。
食事を通じたコミュニケーションも大事だと思いますが、僕はそれよりも日々のコミュニケーションが大事なんじゃないかって思っています。しかも僕たちの会社は現在週に2日もリモートワークをしています。
そんな会社が出社日にコミュニケーションをしなかったら、会社は崩壊します。今後スタッフが極端に増えたら、リモートワークの頻度は減らすでしょう。
なんの変化球もマジックもない話でしたが、以上 applemint 代表佐藤が台湾で起業して7年で学んだ台湾マネージメント術です。
結局物事はシンプルなことに落ち着くってことです。
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