【2024年】台湾市場進出におけるデジタルマーケティング失敗と成功の実例大公開!

【2024年】台湾市場進出におけるデジタルマーケティング失敗と成功の実例大公開!

こんにちは!applemintの木村です。
2025年に向けて、台湾市場でデジタルマーケティングを新たに始めたい、または既存の施策を改善したいと考えている日系企業の総経理やマーケティングリーダーの皆さま!!

本ブログでは、2024年に当社がサポートしたデジタルマーケティング施策の失敗と成功事例をもとに、学びを共有します。

applemint ではこれまで日系 + 台湾企業100社以上に対してデジタルマーケティングのサービスを提供してきました!
これらの企業全てと今でもビジネスが続いていたら、当社はすごい会社なのですが、現実はそう甘くなく、色んな失敗も経験してきました!

そこで本ブログでは、台湾におけるデジタルマーケティングの基礎知識から、私たちが今まで何十社、或いはもしかしたら何百と手がけた失敗と成功における共通点、そして成功に導くポイントを詳しく解説します。

台湾でのデジタルマーケティング基礎知識

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台湾でデジタルマーケティングを実施するには、主に2つのメニュー選択でよいでしょう。

Meta広告(Facebook & Instagram)

台湾人のFacebook使用率は相当高く、2024年のデータでもアクティブユーザー率は80%を超えています。MRTで携帯をいじっている台湾人を覗き見ると、意外と使っています。最近ではThreadsも使われており、2025年にはThreadsの広告も始まる見通しです。このため、台湾市場での広告戦略としてMeta広告を始めるのは良い選択肢です。

メリット

  • 気軽に始められる:クレジットカード情報を入力すればすぐに始められる
  • データ分析が可能:アクセス数や購入数を基に戦略を改善できる
  • ターゲット設定が精密:性別、年齢、地域に応じたアプローチが可能

デメリット

  • 知識不足で大金を失う可能性:適当に実施するとただお金を溶かすことに
  • アカウント凍結のリスク:突然凍結される場合がある
  • ショート動画の制作ノウハウ不足:近年はショート動画広告が主流

Google広告

Googleの検索シェアは台湾で90%以上を占めています。また、マップ広告やYoutTubeなど、Googleネットワークを使った広告が可能であるため、露出範囲を広く広告することが可能です。

メリット

  • 広範囲なリーチが可能:検索シェア90%以上の利用者にアプローチできる
  • 多様なフォーマットに対応:検索、ディスプレイ、YouTube広告など目的に応じて選べる
  • 詳細なターゲティング:キーワードや行動履歴に基づく精密な広告配信
  • 効果測定が容易:コンバージョン率や効果をデータで分析可能

デメリット

  • 高いクリック単価:競争激化によりCPCが上昇する場合がある
  • 運用スキルが必要:設定や分析の知識が求められる
  • 初期学習が必要:仕組みの理解に時間と労力がかかる
  • 審査制限がある:特定業種や内容では広告が却下されることがある

失敗例

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Facebook広告の失敗例: 台湾で目先の利益に偏った販売戦略

内容

A社は他社メーカーの返品商品を買い取り、特別価格で販売する事業を展開しています。台湾倉庫の在庫処分と認知拡大を目的に、台湾で1週間の催事販売を実施しました。催事の開催場所は予算の制約から、平日の集客が厳しいと予想される場所を選定しました。

当社は集客広告を提案しましたが採用されませんでしたが、催事終了後にFacebook広告を使い、自社サイトで約2ヶ月間ディスカウント販売を実施しました。

EC販売での売上数が伸びた一方、台湾での認知度が低い企業サイトでの値引き販売広告に対して、「信用できるのか?」「詐欺ではないか?」といったコメントが寄せられ、広告バナーが停止される事態も発生しました。

もし催事開催時に集客広告を行っていれば、催事価格での販売数を増やし、自社のコンセプトを会場で直接伝えることで、ブランド認知を拡大し長期的なファン獲得につながった可能性があります。ディスカウント広告は売上を上げることはできますが、利益確保が難しく、短期的な戦略に過ぎません。

課題

  • 催事開催時の集客不足
  • 短期的な利益重視で、長期的なブランド戦略を軽視

🎯教訓
集客を重視し、イベント時に適切な広告施策を展開することが重要。
マーケティングは「短期的戦略」と「長期的戦略」を分けて設計すべき。

Google広告の失敗例:特別な目玉商品のない集客広告

内容

基礎化粧品を販売するB社は、自社商品が販売されている小売店舗への集客を目的とした広告を希望しました。特別な目玉商品やプロモーションページを設定せず、デマンドジェネレーション(認知目的)のキャンペーンを実施しました。

Google広告の「クリック率」は平均よりも高い結果でしたが、実際の店舗集客増加にはつながらなかった結果となりました。クリック率が広告の指標として設定されていましたが、Google広告の一部では、広告を開くだけ(メール等から)でも「1クリック」としてカウントされるため、実際の行動につながりにくい問題がありました。

翌月にはP-max広告を利用し、自社サイトでのEC販売を目的に変更しましたが、「10%OFF」のみのキャンペーンで、目玉商品が広告設定に含まれていませんでした。ブランド認知度が低い場合は、自社商品の全体をPRするよりも、目玉商品でユーザーを引き付け、それに基づいたランディングページ(LP)の設定を行う方が効果的です。

課題

  • 目玉商品の欠如と不十分なランディングページ設計
  • デマンドジェネレーション広告の目的と成果が一致していない

🎯教訓
ブランド認知度が低い場合は、目玉商品を中心に訴求し、明確なLP設計が不可欠。
デジタル広告は「目的」と「施策」を一致させ、データ分析を基に調整を続けるべき。

成功例

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Facebook広告の成功例: 自社制作バナーと迅速なサイト改善

内容

日本で生産する特徴的な商品を代理販売しているC社は、EC売上が微々たるものだったため、数ある商品から「シューズブランド」にフォーカスしてデジタル広告を開始しました。

自社社員が広告バナーを制作できることから、毎月の会議でターゲットや訴求内容を討論し、翌月に検証を繰り返しました。また、社員がSNS投稿に使用する素材(静止画やショート動画)のクオリティが高く、そのまま広告素材として利用しました。

さらに、自社サイトへの改善もスピーディーに行い、表記方法や配送手段、支払い方法を改善した結果、自社サイトおよびECモールでの販売数が増加。広告効果が実感され、社員のモチベーションも向上しました。

💡成功ポイント
改善サイクルのスピードと仮説検証の繰り返しが成功を導きました。

Google広告の成功例: ブランド価値を維持した広い露出戦略

内容

D社は日本の飲料メーカーで、台湾では一定の認知度があるものの、さらなる売上拡大を目指して広告活動を展開しました。また、昨年春からグローバルモデルを起用したデマンドジェネレーション広告が相乗効果をもたらしています。

広告には値引き情報を一切含めず、商品の魅力を最大限に伝えるクリエイティブを使用しました。また、ターゲット層を明確化し、年齢や興味関心に基づく詳細なセグメントで配信を行いました。ターゲットの検証は毎月実施し、広告のパフォーマンスデータを分析して調整を繰り返すことで、最適化を進めました。

この戦略により、ECサイトと店舗販売の両方で売上が着実に増加しました。特にECサイトでは、アクセス数が大幅に伸び、商品の購入に至るコンバージョン率も改善されました。店舗では広告により誘導された顧客が、ブランドに対する信頼感を持つことで購買に結びついたと考えられます。

💡成功ポイント
値引きではなく、商品の魅力や利用者シーンを検証することで、ブランド価値を維持しながら広い露出(売上増)を実現しました!

デジタルマーケティングを成功に導くポイント

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デジタルマーケティグ(広告運用)を成功させるには、次の4点を意識しましょう💡

  1. 広告のリンク先となるランディングページの改善
    リンク先ページにおいて、ユーザー体験を重視したデザインとコンテンツを提供することが必要です。

  2. クリエイティブの最適化
    クリエイティブは平均3ヶ月ほどで「広告疲れ」の影響が現れ、同じ素材を使い続けていると、効果が低迷する傾向があります。視覚的・感情的に響く内容を定期的に更新する必要があります。

  3. オーディエンスの精査
    適切なターゲット設定で無駄な広告費を削減できます。しかし、ターゲットを絞り込みすぎると効果が上がらないこともあります。自社の広告目的に適した広範囲なターゲットを設定する必要があります。

  4. 検証と改善のサイクル
    マーケティングに正しい正解はありません。しかし、確率を高めるためには「PDCA」を明確にして、検証を行っていくことが必要です。

また、現在の流行であるショート動画を成果に結びつける施策は下記のブログで紹介しています。

昨今、AIツールを活用して広告やコンテンツの企画テーマを考えることは可能です。ただし、最終的な判断や消費者の共感を得る要素は人間ならではの視点が必要です。

リソースが限られている中で、自社で行うべきこととアウトソーシングする部分を明確に分け、効率的に運用しましょう。applemintでは、クライアントの目標達成に向けた仮説検証と改善を一緒に進めています。

デジタルマーケティングの運用にお困りの際は、ぜひ私たちにご相談ください!

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

木村 久絵

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