こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤 (@slamdunk772) です。
2020年以降、コロナ禍で台湾進出を目指す日系企業のお問合せは一気に減りました。ですがコロナが落ち着きを見せ始める2022年、確実に台湾進出に関するお問合せが増えています。
そんな日系企業が、台湾進出の際に9割くらいは行うデジタルのプロモーションの代表格、それが Facebook 広告です。
Facebook広告は実は、今広告代理店に頼むよりもコストを抑える方法があります。それが『自社運用』という選択肢です。しかし日系の広告代理店は自分たちの売り上げが減るのでこの事実を教えてくれません(苦笑)。
そこで今回は、これから台湾進出をお考えの日系企業の皆様に、自社運用をするためにかかるコストや、運用のヒントお伝えしたいと思います!
Contents
自社運用の弊害:Facebook の源泉税 (台湾に法人を構えない Facebook)
Facebook 広告の自社運用はものすごくハードルが高い訳ではありません。勉強すれば割と短期間で習得できます。それにも関わらず、台湾では今まで多くの企業がインハウス (自社運用) で Facebook 運用をしてきませんでした。理由は、運用スキルの欠如、リソース、高い離職率とそのほかに、源泉税という問題がありました。
Facebook は台湾に法人がありません。でも Facebook は台湾の企業からお金を稼ぎまくってます。なぜなら台湾にある多くの企業が Facebook の広告を出しているからです。
台湾で大金は儲けておいて、その国の政府に税金を払わないというのは政府としてどう思うでしょうか?当然ムカつきます。
そこで政府はFacebook ではなく、台湾に法人があって、Facebook 広告を配信している広告主に対して2019年ぐらいまでは 20% の源泉税を徴収していました…。
今でこそ6%になりましたが、例えば台湾に法人がないTwitter も台湾から広告をしようとすれば源泉税20%がかかります。
普通に考えれば絶対おかしいですよね!マクドナルドでハンバーガーを購入した消費者が、マクドナルドの売り上げの税金を払うようなものです…僕ならもう食べません。
当然、企業も税金を負担したくないので Facebook への広告出稿を減らします。 ですがこれはFacebook にとって収入が減ることを意味し、Facebook には好ましい状況ではありません。
そこで Facebook は消化予算額が大きい企業に対しては源泉税 20% 分を負担していました。厳密に言うと負担するというより、キックバックをするという表現が正しいです。
では具体的にいくらぐらい広告予算をかければキックバックがもらえるか?2019年ぐらいまでは毎月コンスタントに 1万ドル以上 (100万円以上) の予算を半年かけてその資格がもらえると言われていました。しかし毎月100万円の広告予算をかけられる会社は多くありません。
ですが広告代理店なら可能です。広告代理店は複数の企業の予算を同時に預かるので、結果的に毎月消化する広告予算が大きくなります。
そんなこともあり Facebook の広告を出したい企業は、広告代理店に Facebook 広告の投稿をお願いする流れになりました。広告代理店に任せれば、源泉税を負担しなくてすみますし、難しい操作も不要です。企業にとっては非常に合理的な判断だと思います。
しかし、この判断に疑問を持つ人が現れ始めました….。
広告代理店に広告運用代行をお願いすれば源泉税免除!でも…
広告予算の規模が大きい広告代理店は、Facebook 広告の運用業務をするにあたり、企業に対して通常 Facebook 広告予算の15-20%の手数料を請求します。
広告主が自社で運用した場合、どっちにしろ源泉税20%を払わないといけなかったので、その20%を代わりに広告運用費用に充てられるのであればラッキーです。
しかし、今ではその様子が変わりました。なぜなら前章でもお話ししたように、Facebook広告で発生する源泉税が、2018年に20%→6%に下がったからです。
そうなると一部の広告代理店の広告運用に不満を持つ企業が出てきます。広告代理店の中には非常に手抜き運用をしている会社もあり、不誠実な広告代理店に対して、20%の手数料を払うのは合理的ではないと考え始めたのです。企業にしたら当然です。
その結果、台湾にある日系企業は他の方法がないか考えるようになりました。対応策は主に2つあります。
- 他の広告代理店をあたる
- 自分たちで運用を行う
今回は#2 について深く話していきたいと思います。
現在、Facebook広告の源泉税は20%→6%に!
以前は自分たちで Facebook の広告運用を行うと、リソースを取られるだけでなく、源泉税が20%かかるため多くの企業は広告代理店に運用をお願いしていました。
しかし2018年に源泉税が20%から6%に変更し、状況は変わりました。中国語ですがコチラに記事のリンクを載せておきます。
源泉税が下がったことで、広告運用を適当にする広告代理店に頼むより、自社運用した方がいいのでは?と考える企業が出てきました。なぜならその方が安く済むからです。
例えば100万NT (約370万円) を Facebook 広告に費やしている会社は、今まで20万NT (約74万円) を手数料として広告代理店に支払っていました。ですが自社運用であれば Facebook 広告を運用できる人材を 4-5万NT (約22万円) で雇って、6万NT (約24万円)の源泉税を払うだけでいいのです。
しかし残念ながら台湾で Facebook の自社運用の可能性について教えてくれる広告代理店はほとんどいません。
理由は自分たちで広告を運用する広告主が増えれば、広告代理店の収入が減るためです。
自社運用への第一歩
applemint では Facebook 広告の自社運用は出来る事なら自分でやるのがいいと思っています。運用自体は勉強すればそこまで難しくありません。その代わり、クリエイティブやコミュニケーションは広告代理店に任せるのがいいでしょう。
糸井重里氏のコピーライティングに何万もお金をかけるのは、糸井重里氏のコミュニケーションに価値があるためです。
いいコミュニケーション能力は、残念ながら企業がすぐに会得できるものではありません。Wieden & Kennedy というアメリカの広告代理店が、Nike の「Just do it」というキャッチコピーを考え付いたのは偶然ではありません。
applemint ではFacebook広告で利用するバナーのコミュニケーションに関して、特に力を入れています。弊社のコミュニケーション方法を知りたい方は以下の記事をご覧ください。一枚のバナーにどれだけの時間とノウハウが入っているかわかります。
またapplemint では効率的な自社運用を行いたい企業のニーズに応えるため、 デジタル広告のトレーニングやコンサルタントのサービスも提供しています。詳しい内容は是非コチラをご覧ください!
最後に一つだけ注意点
最後に一つだけ注意点があります。広告運用をインハウスした時のリスクを一応お伝えします。それは離職です。台湾は従業員の離職率が高く、誰かにインハウスで運用を任せても1-2年で辞められてしまう可能性が高いです。
僕らに広告の運用をお願いしている会社も結局離職というリスクヘッジのためにお願いをしています。もしもインハウスで運用をする場合、いざという時のために、自分やマネージャーなど辞めない管理職の人でも運用できる体制にしておくといいです。
以上applemint 代表佐藤からでした!
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