こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!
今日は、日系企業が台湾でSNSを活用する方法についてお話ししたいと思います。
台湾にいる日系企業の皆さんからお話を伺うと、「よくわからないけど、みんなやっているからうちもSNSを始めた」、「SNSはしているけどイイねが全然来ない」、といった声が多く聞かれます。
そこで、このブログでは、2025年の台湾のSNS市場の現状について触れた後、台湾におけるSNSの活用法をお話し、最後に成功事例について紹介したいと思います。
Contents
2025年現在の台湾のSNS利用状況
まずは台湾で使用率が高い SNS を3つみなさんにご紹介したいと思います。
日本ではオワコンと呼ばれている Facebook も台湾では、未だに多くの方が利用しています。

Facebook はややベテランの域に達してきた感じはありますが、30代以上はアクティブに使っている方が多く、ネット上で買い物をするような方に直接リーチしたい場合、Facebook “広告” は外せません。
2025年の DATAREPORTAL のデータによれば、Facebook のユーザー率は84.6%です。これは前年度の85.1%と比べるとちょっとだけダウンですが、いまだに多くの台湾人がFacebook を使用していることがわかります。
ちなみに、DATA PORTAL 2025によると、2024年の9月から2024年の11月までに最もダウンロードされたアプリが、Threads です。
台湾では、 Threads は “脆” (cui) と呼ばれかなり浸透してきています。
台湾の人は今まで Facebook では投稿を行わず、主に閲覧メインで、日本人が X を使うような感覚でFacebook を使用していました。
それが Threads が出たことによって、Threads (スレッド) を使い始めたというのが2025年現在です。
今後Facebook の使用率に影響が一部出るかもしれません。
2025年4月現在のThreads について

まずは、以下の内容をご覧ください。
こちらは、2024年9月から11月にかけて台湾で最もダウンロードされたアプリの一覧です。
ご覧の通り、Threadsは台湾で急速にユーザー数を伸ばしています。

現在、台湾で勢いのあるThreadsですが、台湾の人々の使用方法を見ると、日本人同様に情報収集を目的に使用しているように感じます。
applemintのスタッフの中には、Threadsで見かけた心理学を応用したECの話を僕たちに共有してくれる人もいます。
また、Threadsは人材募集にも適しているようで、「〇〇を開催します!それに伴い〇〇人を募集します!」や「現在〇〇で人材を募集中です!興味がある方はご連絡ください!」といった投稿をしている人をよく見かけます。
実際、僕たちも元従業員のスタッフにThreadsで投稿をして、人材の募集をお願いしたことがあります。もちろん、紹介インセンティブをつけてお願いしたところ、実際に2~3名の応募がありました(残念ながら全員不採用となりました😅)。
今後、台湾の人々が日本人がX(旧Twitter)を使うように、Threadsを使い始めた場合、僕たちの会社もThreadsの運用を考える必要が出てくるでしょう。
実際に、Threadsの運営をサポートしている広告代理店も存在しており、Threads上でのステルスマーケティング(ステマ)はあまり問題視されていないため、非常に自然に見せたステマ投稿もよく見かけます。
僕たちも必要に応じて Threads の運営をサポートしますが、ステマをする予定はないです😅
2025年のDATAREPORTAL のデータによると、台湾における Instagram のユーザー率は68.3%で、これは前年度と比べると0.2%アップです。インスタグラムの使用率は天井に届いた印象です。
2025年現在、インスタグラマーと呼ばれる人たちに何か投稿をお願いしようと思った場合、リール動画 + ストーリー投稿が一般的です。ただ、個人的にその影響は限定的になっている気がします。
台湾のインスタグラマーの価格や投稿の注意点に関して知りたい方は是非 applemint までお問い合わせください。
費用は本当にピンキリですが、広告として二次利用を考慮すると、5万~8万台湾ドルは準備しておきたいところです。
2024年の動画ですが、以下は台湾で8年近くインフルエンサーやインスタグラムの動向を見てきた僕が作成した動画です。
みなさんの参考になれば幸いです。
LINE 及びその他
次に、LINEやその他のSNSについてご紹介します。
LINEは依然として利用率が非常に高いものの、もはやインフラに近い存在となっており、SNSとしての位置づけはやや微妙になってきている印象です。
ちなみにLINEに関連して言うと、LINE内の動画共有サービス「LINE VOOM」では、視聴回数がそこそこ伸びているという報告をちらほら耳にしています。
そのほかに気になるのが、TikTokの使用率です。
以下のデータは16歳以上でインターネットを利用している人が毎月どのSNSを使っているかを示したものですが、TikTok の利用率が 40.1% というのは予想以上に高い数字です。

また、台湾人は使わないと言われていたXも、実際には 28%の使用率があります。
参考までに、昨年のデータは以下の通りです(昨年は16~64歳のデータで、2025年は16歳以上という違いはありますが):

去年の時点でTikTokの使用率はすでに37.6%に達していましたが、2025年にはさらに伸びたということです。
台湾ではTikTokに対して否定的な意見もあり、台湾人と話すと「TikTokは見ない」という話をよく聞きますが、データを見る限り、そうでもないようです。
また、Xの使用率は2025年に実際に下がっています。これはThreadsの影響が考えられます。
去年はランクにも入っていなかったThreadsが、たった1年でここまで台湾でユーザーを増やしているのは非常に興味深いです。
さらに、一番多く時間を費やしているSNSを見てみると、YouTubeやTikTokが突出しています。

TikTok や Youtube の優れたアルゴリズムがユーザーの滞在時間を伸ばし、人々の可処分時間を奪っているとも言えるでしょう。
また、最近の若い台湾人は、中国大陸の文化やツールに影響を受けていると言われていて、小紅書と呼ばれる中国のインスタグラムを使う人も結構いると聞きます。
重要なのは動画とスピード
次に台湾における SNS の活用ポイントについてお話をしたいと思います。
台湾人向けにSNSを活用している日系企業を見ていると、一部の企業は本当にもったいないことをしていると感じることがあります。
具体的には、投稿内容と投稿スピードです。
まず、投稿内容についてですが、ショート動画や動画が主流になっている現代において、未だにショート動画に取り組まず、ただ写真投稿を繰り返している企業があります。
確かに写真には写真の良さがありますが、写真投稿のみでフォロワーを増やしたり、フォロワーのアテンション(注目)を集める時代ではありません。
繰り返しになりますが、台湾人が最も時間を費やしているSNS が YouTube とTikTok であることを考慮すれば、ショート動画及び動画を活用したSNSマーケティングは台湾では不可欠と言えます。



スピード!スピード!スピード!
また、台湾人向けにマーケティングをする日系企業様を見ていると、企画や動画の確認に手こずってスピードが失われるケースが多数見られます。
例えば、ある企業では30秒のショート動画の制作に1ヶ月もかかる事例がありました。
僕たちとしては、トレンドを捉えて早めに公開したいのですが、確認に時間がかかり、修正回数も多いため、結果的にトレンドから数週間~1ヶ月遅れで公開されることが多いです…
有名人が時事ネタを素早く動画にして投稿しているのは、それが視聴回数につながることを理解しているからです。
「VUCA」と呼ばれる不確実な現代においては、まずは試してみることが何より求められている気がします。
若い人が流行を作る事を念頭にする
『エモ消費 世代を超えたヒットの新ルール』という非常に興味深い本に SNS の活用方法が色々書かれているのですが、この中に「流行は若い人が作る」という記述があります。
これは本当にその通りだなと思います。
日本や台湾は20代が全人口に占める割合が高くないのですが、20代の方々積極的にシェアする事で、所謂バズが起きるケースは多々あります。そんな若い人たちが夢中なのがショート動画です。
以上をまとめると、2025年の台湾におけるSNSトレンドは次のように言えます:
- 若い世代が積極的に拡散し、それが上の世代にも広がっていくことを考えると、ショート動画は必須。特に重要なのは、「スピード感」
- Threads を情報収集目的で使うユーザーが急増している。
- ショート動画が主流のプラットフォームで、台湾人は長時間滞在している。
成功と失敗事例

最後に、成功事例と失敗事例をご紹介します。
まず成功事例です。
あるクライアント様は、素人風のショート動画を活用して、ECサイト上で非常に多くのコンバージョン(購入)を達成しました。
寝具メーカーさんの事例なのですが、動画投稿者が自宅でテンポよく寝具を紹介し、「なぜこの寝具が良いのか」を約40秒にすっきりとまとめた内容でした。
PR動画ではあるものの、過剰な宣伝感がなく、テンポも良いため思わず最後まで見てしまう仕上がりになっていました。
特に重要だったのは「素人感」だと思います。現代の視聴者は一瞬で「広告だ」と見抜く力があるため、リアルさを出す工夫がショート動画ではより効果的なようです。
次に失敗事例です。
あるコスメブランドのショート動画制作において、成分紹介や使い方など「伝えたいこと」が多すぎて、40秒にぎゅうぎゅうに詰め込んでしまった結果、分析すると開始7秒で半数以上が離脱、さらに最初の1秒で8割がスキップしているという厳しいデータが出ました。
ショート動画は一筋縄ではいかず、あれもこれも伝えたくなる気持ちをぐっと抑えることが成功のカギだと改めて痛感しました…😅
applemint の事例
SNS 運用を内製化するとどうしても SNS の優先順位が低くなり、自然と皆やらなくなるためです。
これは僕たちが自分自身の SNS の運用をしていてつくづく思うポイントです🙃
どうしても目の前のマネタイズ(ビジネス)を優先すると、SNSの活用が後回しになりがちですよね…(余計な仕事に感じてしまうこともありますし😅)
僕は今自分自身で YouTube のチャンネルを運営していますが、正直忙しいとどうしてもYoutube 動画の制作のプライオリティが下がります。
しかしそれでも続けるのは成功体験があるからです。
BtoCの企業の場合、YouTube の動画や SNS の動画を通じて、意外と影響があるのが採用です。applemint がデジタルマーケティングを使った台湾現地スタッフの採用をお手伝いをしている某企業は、SNS 動画を通じて応募率が上がりました。
面接に来る方に、「なぜ〇〇へ応募したのか?」と聞くと、「SNS の動画を見て会社の雰囲気が良さそう」と答えたそうです。
BtoB企業の場合、一番インパクトがあるのがお問合せ (リード) です。applemint は SEO を通じて毎月数万の流入があり、YouTube の視聴を通じてお問合せをする方も珍しくありません。
最近お手伝いを始めた某クライアントは何と僕の MV を見て僕らにお願いすることに決めたそうです😂
という事で、これを見た方はまずは動画を戦略的に投稿してみることから始めてみませんか?
難しければ、いつでも applemint までお問い合わせください!
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