こんにちは、applemintの木村です。
台湾では先日、旧正月の連休が明けました。旧正月が過ぎて、ようやく2025年が本格始動するような感覚を持つ企業も多いのではないでしょうか😅
新年度のスタートにあたり、多くの企業が新たな経営戦略を策定します。その際、現在の日系企業が直面している大きな課題の一つが「円安」です。
コロナ後、円安の影響で多くの台湾人が日本へ旅行し、日本商品を手頃な価格で購入する機会が増えました。消費者にとってはメリットですが、台湾で日本の商品やサービスを提供する企業にとっては厳しい状況が続いています。
本ブログでは、2025年の台湾市場における販売戦略に悩む日系企業の総経理やマーケティングリーダーに向けて、2024年の施策事例を交えながら、applemintが提案する2025年のデジタルマーケティング戦略をご紹介します。
ぜひ、本ブログが参考になれば幸いです。
Contents
販売戦略の考え方
デジタルマーケティングが現代の販売戦略に欠かせない最大の理由は、「人々の生活の中心がインターネット上(デジタル環境)にある」ためです。
会社の経営戦略同様、デジタルマーケティングも「短期戦略」と「長期戦略」を組み合わせることで、売上拡大とブランドの認知・信頼構築の両面を強化することができます。
戦略を立てる前にまず、台湾と日本のインターネット利用時間の比較データを見てみましょう。
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台湾は日本と比べて「インターネット使用時間」が 1.8倍 も長いことが分かります😳
さらに、台湾人がインターネットを利用する目的は以下のような傾向があります。
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1位:検索(情報収集) 61.1%
2位:動画視聴(動画・TV番組・映画など) 60.1%
このデータから、台湾市場でのマーケティングでは「検索される仕組みづくり」と「動画コンテンツ活用」が鍵🔑になることが明らかです。こうした背景を踏まえ、applemintでは2025年に向けて「長期戦略」と「短期戦略」の両輪でデジタルマーケティング施策を進めることを提案しています。
2025年に向けたデジタルマーケティング戦略
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長期戦略:ブランド資産の構築
長期戦略の目的は、「企業のブランド価値を高め、持続的な成長を促すこと」 です。短期間での成果は見えにくいものの、強固なファンベースの構築や、検索エンジンからの評価向上を実現できます。
ここでは、長期的に効果が期待できる施策について説明します。
1.自社HPの制作・最適化
企業のオンライン上の「顔」となる自社HPを最適化することは、台湾市場での信頼構築に不可欠です。検索エンジンでの上位表示を狙いながら、EC販売戦略を明確化し、スマートフォンユーザーにも快適な閲覧環境を提供する必要があります。
- SEO対策の強化(検索上位表示を目指し、オーガニック流入を増やす)
- EC販売の有無を明確にする(自社サイト or 外部プラットフォーム利用を検討)
- モバイル対応の強化(スマートフォンでの利便性を高める)
- 分かりやすいカテゴリー設計(商品やサービスを整理し、離脱を防ぐ)
- ヒートマップ分析(Microsoft Clarity など)(ユーザー行動を可視化し、改善を進める)
2.コンテンツ制作(ブログ・動画)
自社HPを最適化するだけでは不十分で、定期的な情報発信によってユーザーとの接点を増やすことが重要です。そこで、検索エンジン対策(SEO)としても有効な ブログや動画の制作 を活用し、集客の幅を広げます。
- 自社HPへ誘導するコンテンツを制作(台湾市場向けの役立つ情報を発信)
- 広告と組み合わせて効果的に拡散(作成したコンテンツをGoogle広告・Meta広告で配信)
- 継続的なコンテンツ更新による認知度向上(SEO効果を高め、自然流入を促進)
3.Metaファンページの運用
コンテンツの発信に加え、SNSを活用したユーザーとの関係構築も重要です。特に台湾では Meta(Facebook・Instagram)を活用したマーケティングが有効 であり、ファンページの運用を通じてブランドの信頼度向上を図ります。
- 登録者数の増加=ブランドの信頼性向上
- 広告を活用しながら認知拡大
- 定期的な投稿とユーザーエンゲージメントの強化
長期戦略では、自社HPやSNSを活用し、「自然にユーザーが自社に興味を持ち、検索してくれる」 仕組みを作ることが目的です。しかし、長期的な施策だけでは、すぐに売上や集客の増加を見込むのは難しいため、短期戦略と組み合わせることが必要です。
短期戦略:売上アップ・集客数増
短期戦略では、「即効性のある施策で売上や集客を伸ばすこと」 を目標とします。デジタル広告の活用やキャンペーン施策を駆使し、短期間で成果を出す仕組みを構築します。
1.デジタル広告の活用
短期間でターゲットにリーチし、売上を伸ばすためには、Google広告・Meta広告の活用が不可欠 です。特に台湾では動画広告の視聴率が高いため、YouTube広告やリール広告を効果的に活用できます。
- Google広告(YouTube広告含む)、Meta広告
- AI活用による最適化と継続的な改善
- データ分析を基にした広告戦略の見直し
2.専用ランディングページの制作
広告からの流入をコンバージョンにつなげるために、専用ランディングページ(LP)を最適化すること が重要です。適切なオファーと明確な導線を設計し、ユーザーのアクションを促します。
- 割引キャンペーンや目玉商品の紹介
- 広告との連携で効果的な集客
- ユーザーの行動を促進するCTAの最適化
3.ショート動画制作
台湾では 短尺動画(ショート動画)がトレンド であり、広告運用と組み合わせることで ブランド認知とエンゲージメントを一気に高めること が可能です。従来のPR型動画ではなく、視聴者が「共感」できる内容を意識することが鍵となります。
- PR目的ではなく、「共感」や「連想」を生む内容が重要
- 2秒以内に視聴者の興味を引く構成が必須
- ブランドイメージを強化するストーリー設計
このように、短期施策では 「即効性のあるマーケティング手法」 を用い、短期間での売上増加や新規顧客の獲得を目指します。しかし、広告予算に依存しすぎるとコストがかさむため、長期戦略と組み合わせながら、継続的な集客体制を構築 することが大切です。
2024年デジタルマーケティング戦略実施事例
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A社の事例:台湾市場での新規顧客獲得
2024年春頃より、日本の化粧品通販会社A社から、台湾での新規顧客獲得を目的にapplemintへ相談をいただきました。
弊社はA社の現在の状況を詳しくヒアリングした上で、「長期戦略」と「短期戦略」を組み合わせた施策を提案しました。
相談時の状況
2021年まで、A社は莫大な広告費を投じて台湾市場向けのデジタルマーケティングを展開していましたが、2021年に一旦台湾でのデジタル広告配信を停止しました。
その結果、ご相談時には既存顧客へのアプローチのみとなり、新規顧客獲得がほとんど行われていない状況でした。
2024年下期より、台湾での新規顧客獲得を強化したいというご要望をいただきました。
提案内容
<長期戦略>
- 自社HPの最適化
- SEO強化
- コンテンツマーケティングの導入(ブログページの制作)
<短期戦略>
- Google広告・Meta広告の実施
- LINE・CRMの活用
- ショート動画制作(広告と連動)
- 専用ランディングページの作成(広告と連動)
これらの施策を2024年10月から開始しました。
現時点での結果と課題
2024年12月時点で、一旦予算の見直しが検討されることになりました。
主な課題
- 提案した戦略の中で、A社内でコンセンサスが取れなかった施策がありました。 (A社のLINEアカウントの管理者権限が前広告代理店の担当者にあり、弊社との連携が取れませんでした。)
- 動画コンテンツの視聴回数や購入数が予想値に達しませんでした。
動画広告の課題:
動画の視聴回数は、企画内容に大きく左右されます。A社の要望によりPR色を強めた結果、開始2秒以内の離脱が多く、視聴回数が伸びませんでした。
購入施策の課題:
A社は日本市場でも販売している「3点セット施策」を台湾でも導入しましたが、台湾ではセット購入よりも単品購入の傾向が強く、売上向上にはつながりませんでした。
今後の方向性
A社の商品は比較的高価格帯で、百貨店に出店している化粧品ブランドと類似した価格帯です。広告を3年間停止したことで、2024年時点では台湾市場での認知度が低い状態であり、短期間での成果は難しい状況です。
デジタルマーケティングは数値結果が可視化されるため、早期の改善施策が求められますが、過度に短期での成果を求めると、施策の効果検証が難しくなります。
A社とは予算を確認しながら、再度戦略を立て直し、改善対策を行っている状況です。
applemintでは、クライアントのご要望をお伺いしながら、最適なデジタルマーケティング施策を共に構築していきます。事象に対する改善策をスピーディーに提案できる体制を整え、成果へと結びつくようサポートを行っております。
2025年の戦略作成にお困りの方は、ぜひapplemintまでご相談ください!
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