こんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。今月もインプットブログの会がやってまいりました。
今回のインプットブログでは、まずヨーロッパと日系企業の “スポンサーシップ” に対する考えの違いをお話ししたいと思います。ここでいうスポンサーシップとは簡単に言うとスポーツチームの広告スポンサーやスポーツ大会の広告スポンサーです。
なぜこの話をしたいかというと、ヨーロッパの企業のスポンサーに対する考えと日系企業の考えは結構違っていて、ヨーロッパ式のやり方を台湾のインフルエンサーマーケティングに応用したら面白そうだと思ったのでご紹介します。
次に、先日台湾の連休中に寄ったレストランで気づいた台湾の飲食店のDXの課題や、北海道余市のとんでもない観光の潜在性について皆さんにシェアしたいと思います!
それでは僕の1ヶ月のインプットをサクッと5分で自分のものにしましょう!
Contents
【アクティベーション】広告の2次利用
突然ですが、皆さんサッカーは見ますか?サッカーにはワールドカップの他いくつか大事な大会があり、その中の一つにチャンピオンズリーグという大会があります。これはヨーロッパのNo.1 サッカークラブを決める大会です。
このオフィシャルスポンサーを長年務めているのがハイネケンです。日系企業だとSONY もチャンピオンズリーグのスポンサーをしています。
今回ご紹介したいのは、ハイネケンがどのようにチャンピオンズリーグのスポンサーを活用しているかという事例です。ハイネケンではハイネケン購入者をイビサ島に呼んでチャンピオンズリーグ決勝戦をみんなで見るというイベントを開いています。
この時チャンピオンズリーグのロゴや名前をもちろん使います。通常『チャンピオンズリーグ』という名前やロゴを使用する場合は大会のスポンサーシップとは別に2次利用費用がかかります。この事をスポーツの世界では「アクティベーション」と呼ぶそうです。
面白いのがヨーロッパの企業のアクティベーションに対する考えです。日系企業の多くはサッカーチームや大会のスポンサーになったらそれで満足する会社が多いらしいのですが、ヨーロッパの企業はこのアクティベーションをとても重視します。
その証拠にForbes Japan の記事によると日系企業がスポンサーシップにかける費用を 1 とすると、アクティベーションにかける費用は 0.4 だそうです。それに対してヨーロッパの企業はスポンサーにかける費用を 1 とすると、アクティベーションにかける費用は 2.2だそうです。
つまりヨーロッパの企業はスポンサーをする事が目的ではなく、あくまでスポンサーした後にそのスポンサーシップを活用する事が目的となっているという事です。
ヨーロッパの企業流にインフルエンサーを起用すると
なぜこのアクティベーションの話をしたいかと言うと、台湾で日系企業がインフルエンサーを活用する時日系企業の多くはインフルエンサーを起用して満足してしまっている気がするからです。僕はもっとインフルエンサーを2次利用できるのではないかと思います。
残念ながら日系企業は2次利用といってもせいぜい SNS の投稿文を広告として再利用するか、インフルエンサーの写真素材をバナーや LP で使用する程度です。ハイネケンのようにイベントを開くような会社はとても少ないです。
もちろん中にはインフルエンサーのアクティベーションに積極的に費用をかけた会社も知っていますが、イベント当日の販売があまり振るわなかったという理由でその後は止めています。
しかしヨーロッパの企業流に考えると、スポンサー(インフルエンサー)の起用の目的は2次利用なので、そもそも2次利用をしないという選択肢はありません。僕はこの考えを Forbes で読んだ時、今まで自分のインフルエンサーやスポンサーに対する考えはとても浅はかだったなと反省しました。
僕はインフルエンサーを2次利用してどうやってファンを造るか、どうやって更なる販売につなげられるか考えられてませんでした。
今後台湾でインフルエンサープロモーションをする予定の方は一回のSNS投稿で終わらすのではなく、インフルエンサーを使って次に何が出来るかに重点を置くとインフルエンサープロモーションも変わってくるのではないでしょうか?
僕も今から真剣に2次利用について考えます。
進まない飲食店のDXと課題
台湾では9/18-9/21 まで久々の連休だったため、ちょっと外食をしました。僕が行ったのは少し高めの知り合いのレストランなのですが、ここでいくつかすごい勿体無いなーと思う事がありました。具体的には DX (デジタルな部分) が課題だらけだと思いました。
僕は飲食の専門家ではないので今からお話しするのはあくまでデジタルマーケターとして飲食店がどう DX を導入すべきかという個人的な意見です:
- 飲食店のDX化提案
-
・予約は全てLINE or デジタル
・来店客のカルテ化
・レストラン利用後にありがとうのLINE メッセージ
・LINE を使った新作メニューやキャンペーンの通知
・メニューに対するデジタルコンテンツの提供
まず予約は全てデジタルにした方がいいと今回思いました。以前僕はある動画で台湾にある赤緑というレストランのオーナーさんと対談し、赤緑のオーナーさんは予約は電話のみと回答していました。実は僕はこの意見には同意してないです。
予約を全てデジタル化し予約時点で予約者新規かリピーターか把握できれば、入店時の接客を変えられます。リピーターなら「また来てくれてありがとうございます!」と出迎えることができます。新規なら、「今日は初めてお越し頂きありがとうございます!」とで迎える事ができます。
お客さんが新規か常連の判断はスタッフ及び店主の記憶力に依存していたのをデータ化によって誰でも共有出来ます。
また、予約をデジタル化すれば来店後メールを送れます。僕は今回知り合いのお店で食事をしたのですが、連絡先を交換していたので LINE をして予約しました。食事後その知り合いから来店後にお礼の LINE は来ませんでした。
個人的にちょっと詰めが甘いなと思いました。僕に限らず来店客全てにありがとうと一言送って嫌な顔をする人はそんなにいないと思います。
次に、来店客のオーダーを全てデータ化すれば次にそのお客さんが予約した時に予め過去に何を頼んだか把握できます。そのためには注文は全てiPad やタブレット端末で入力するべきだと思います。これにより少なくとも誰が何を頼んだか紐づけられます。
そうすると今後再度来店したお客さんに対して、よりパーソナライズ化した接客が可能になります。「前回唐揚げを最初に頼まれていますが、今日も唐揚げから始めましょうか?」って接客ができます。仕入れもロスが少なくなります。
また、LINE やアプリを活用して顧客をきちんとリスト化すれば新作メニューやキャンペーンがある時にメッセージを送れます。SNS でも可能なので、SNS を活用する場合は来店客に必ず SNS をフォローしてもらう事が大事だと思います。
最後にメニューに対するデジタルコンテンツの提供です。人は基本的に自分の知らない食べ物を食べようとはしません。例えばメニューに『金目鯛の刺身』と書いてあった時、金目鯛がどういう魚かわからない人は恐らく頼みません。
刺身を提供するなら、それがどんな魚で、どんな色で、どんなお酒と合うかなど写真付きで紹介するといいと思います。僕はスシローに行くと必ず食べた事ないお魚を一つ頼むのですが、それが出来るのはスシローでは少なくとも写真を見て白身か赤身か、貝か判断できるからです。
なので例えば各席にタブレット端末を置いて、タブレット内にコンテンツを準備するといいのではないでしょうか?お客さんがテーブルで料理を待っている間に自分のお店の素材に関するコンテンツを読めば、お客さんの客単価が上がる気がします。
飲食店はこうした DX の取り組みがすごい遅れている気がして、普段からデジタルマーケティングや DX に携わっている僕は連休中にものすごく歯痒い思いをしたので皆さんに共有する事にしました!(苦笑)
僕の知らない北海道余市の潜在性
北海道余市と聞くと、「ウイスキー」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?なんと余市は近年ワイナリーが注目されています。全然知りませんでした。(知っていたらこの章は飛ばしてください)
参考:北海道を、極める。
しかもどうやらそのワインのレベルがものすごく高いらしく、なんと余市のワイナリー『ドメーヌ タカヒコ』は世界No.1 レストランとも言われている noma のワインリストに追加されたそうです(2020年)。すごいなと思いました。
ドメーヌタカヒコのワインはピノ・ノワールという品種のぶどうを使っています。ピノ・ノワールは皆さんも一度は聞いた事があるロマネコンティというワインに使われているぶどうです。病弱で湿気に弱く管理が少し大変な事もあってピノ・ノワールのワインは一般に少し高めです。
ワインにぶどうの品種が書いているので pinot noir と書かれていたらそれはピノ・ノワールです。
面白いのが、余市は湿度が比較的に高くピノ・ノワールを栽培するのにあまり適していないにも関わらずドメーヌタカヒコはピノ・ノワールのワインを作っている点です。しかも noma のワインリストに追加されたのですから更に驚きです。
北海道のインバウンドとワイナリーツアー
この記事を見た時に僕が思ったのは「北海道は観光にめちゃくちゃ強いな」という事です。実は僕は元々フランスのワイナリーを巡る観光をいつかする予定でした。それが今回の発見で北海道でワイナリーを巡る観光が出来そうな事がわかりすごく興奮しました。
しかも余市は札幌から車で1時間ぐらいの距離です。個人的にインバウンドの需要はめちゃくちゃあるなと思っています。問題はワイナリー側に「観光地」としての意識があるかです。
北海道には僕らがお手伝いをさせてもらっている知床第一ホテルさんもあるので、コロナ後は必ず北海道に行きたいなと思います。また、余市のワイナリーに必ず足を運び実際に体験をして台湾人向けのインバウンドの可能性を探りたいなーなんて思いました。ついでにドメーヌタカヒコを飲みたいと思っています(一本1万以上しますが…苦笑)
知床や北海道のコンテンツに触れる度に日本に行きたくてたまらなくなってきます。
以上 applemint 代表佐藤より9月後編のインプットでした!インフルエンサーの起用や飲食店DXの課題など参考になれば幸いです!
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