こんにちは、applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。
以前、台湾のものすごくメジャーな台湾のラッパーを紹介したところ結構なアクセスがあって日本人が結構台湾のhiphop アーティストに興味を持っていることを知りました。おかげで『台湾』『ラップ』とかってGoogle で検索すると1ページ目に表示されるようになりました。その時書いた記事は以下です。
でもメジャーなヒップホップアーティストばかりじゃなくて、やっぱり現地の人しか知らないようなラッパーを知りたいですよね?
applemint では2019年5月から9月まで Daniel という台湾人のインターン生が入ったのですが、その彼が台湾のラップが好きだということで、今回は彼に台湾のラッパーを紹介してもらうことにしました!
彼のコメントを日本語にしたものと僕のコメントを載せたいと思います。
ダニエル君よろしく
よろしくお願いします。
Contents
老莫
2002年に參劈Tripoetsというグループにいた割と古株のラッパーです。高校時代にニューヨークにいた影響から曲は90年代の東海岸のラップを思わせるものが多いです。実は英語の博士号を取得し、現在は淡江大學で英語の助教授をしている秀才ラッパーです。トラップ風なメロディが流行る中、あえて昔の東海岸風の曲を出すところに彼のヒップホップへのこだわりを感じます。
彼に紹介されてこの曲を聞いたときはかなり昔の曲なのかと思っていたら2019年にリリースされたということでかなりびっくりしました。所謂クラシックなラップへのこだわりを感じました。あと、英語がかなりうまい印象を受けました。リリックをもう少し聞き取れるようになりたい(泣)
黃金年代The Golden Age (AP滿人、荊軻 JNCO、蛋堡)
The Golden Ageはグループではなく、滿人、荊軻、蛋堡という3人が2008年に集まって作ったアルバムです。中国語のラップがまだ流行っていなかった当時に色んな苦労を経て、現代の礎を築いたと言っても過言ではないかと思います。滿人と荊軻はほとんど曲を出していないけれど今年の1月にはFish Ball という曲を久々に出して個人的に彼らが揃ってラップしているのを聞けてすごく嬉しいです。(※2019年7/31 デッドリンクにより remix に変更)
原曲は Dabo とシャカゾンビのIt’s Okay に似てました。Remix はそんなに好きじゃないかな〜(苦笑)
T卍老濕
『T卍老濕』と聞くとみんなが思い浮かべるのは「陷阱妹Trap Bae」のふざけた様子や「嘻哈洨教室」という彼のYoutubeチャネルで適当にラップの解説をする姿かと思います。でも彼が真面目にラップをするとこんな感じ!というのがこの曲です。この曲は歌詞がシックで、英語と中国語の織り交ぜかたもすごいうまいと思いました。
僕はこの曲より「陷阱妹Trap Bae」の方が頭に残って面白いと思いました。
この曲に関しては個人的に歌詞の中の英語の入れ方があまり好きじゃなくて、歌い方もあまり好きではなかった。ダニエル君とはちょっと別意見でした。(苦笑)
Pony5ibe
新世代のラッパーです。ちょっと神秘的な存在で少しEMO な感じのラップをするってみんなには認識されています。僕は個人的に彼の世の中の物事に対する見方や多様なラップスタイルを持っていることがもはや新人のレベルを凌駕していると思っています。「GENTLESCUM紳士敗類」という曲では彼が自身の心の闇とその中に灯る光の矛盾/コントラストをラップしていて好きです。もしもよる少し孤独を感じたら彼の「Street」という曲がおすすめです。
女性のボーカルが入る曲って落ち着きますよね。僕も好きです。聞いていて彼のフローがものすごく柔らかくてSLACKじゃないですけど型にはめず、自分の好きなようにラップしてる感じがものすごく好きでした。
陳嫻靜
政治大学のHiphop サークル出身の新世代女性ラッパーです。歌詞が良くてしかも歌えて自分のスタイルをすでに確立しています。「輕輕」では彼女の得意な少し気を抜いたラップを一羽の鳥の観点から歌っています。
なんと、僕の卒業した政治大学からこんなラッパーがいたのはびっくりです。僕の勝手な政治大学の学生の印象ですが9割はガリ勉生です。政治大学の学生ってテスト勉強は得意だけど創造性や柔軟性に欠けている人が多い感じだったので驚きです。また、台湾で女性のラッパーが受け入れられていることを嬉しく思いました。
Juice boy
現役の高校生で大安高工という高校の一年生です。(2019年6月現在)「Paradise」という曲はYoutube で公開して1ヶ月で視聴回数が40万回を突破しました。2019年注目の新人です。少しPOP風なラップをしていることも大衆受けしている理由の一つかと思います。
とにかく英語がうまい!高校一年生と言われなかったら「あーなんか若いラッパーだな」と思ったでしょう。本当に誰もがアーティストやメディアになれる時代になったんだなと思いました。ラップは正直少し荒削りな感じがしましたがそれがまたいいですね。高校生の初々しい声はこの時しか出ないのでかなりいいと思います!
小魚
輔仁大學にいた時から早口ラップと独特なフローが有名でした。彼は作品の中でよく電子音を多用するのですがもしかしたら彼がそういうスタイルを確立した初めてのラッパーかもしれません。輪廻転生という曲でも電子音が多用されています。
MVにナルトがちょくちょく出て来ますがきちんと許可取ってるのかな?それはともかく僕はあまり趣味ではありませんでした(苦笑)でも、早口ラップで有名というだけあってどうやったらそんなに早くラップできるんだってぐらい早いです。中国語全く聞き取れません。
湯捷
リラックスしたい時にオススメの曲です。真新しい面白い歌詞が特徴です。韻のスキルに優れているのと今社会で起きている色々な出来事を皮肉るようなラップがいいと思います。
非常に聴きやすいラップです。俺が欲しいのは金と女とマリファナとswag だとサビの部分で歌っていますが素直に自分が欲しいものをラップするあたりは現代のラッパーっぽいなと思いました。
C. Holly
歌詞からレコーディングリミックスまで手がける驚異の新人です。今風のヒップホップに乗せて少女の観点から歌っているこの曲は彼女を特別なものにしています。また、フリースタイルバトルが得意です。
なかなかマルチタレントなラッパーだと思いました。フリースタイルも見ましたが周りが男だらけの中でバトルしているところをみると思わず応援したくなります。きもが座っている女性ラッパーなので今後の活躍に期待です。
水神
高雄から来たラッパー『水神』です。この曲はちょっと素朴なポップ寄りなメロディで、サビの部分がすごい綺麗です。ボーカル部分だけでなくラップの歌詞もストレートでソフトな歌い方がすごいお客さんの共感を得ています。
このビデオを見ていきなり全然ラッパーっぽくないボーカルが出て来てびっくりしましたが彼はラッパーじゃないみたいですね。ラップをしているのが水神です。この曲はかなり聞きやすくてこの年代の歌手にしては非常に完成度が高かったです。歌がすーと入って来て今回ご紹介した中でもしかしたら一番好きかもしれません。
いかがでしたか?前回よりは確実に非メジャーな現地よりのラッパーを紹介できたかと思います。
今後も台湾のラップや Hip Hop の情報を定期的にお届けできればなーと思っています。
ちなみに日台HIPHOP のミックステープを作りました!
第二弾も考えています。
第二弾は台湾の方と日本人の方、両方からのアイデアを取り入れたいのでオススメの曲があったらコメント欄までお願いします!
また、2019年8月31日に新たに5曲中国語のラップを紹介しました!こちらの記事も併せてご覧頂けると幸いです!
乞うご期待ください!
また、Buddha Brand が8/30に台湾(台北)にアパレルブランドのイベントにゲストとして出演予定です。イベントではBuddha Brand のほか、多くの台湾ラッパーのパフォーマンスを見ることができるので気になった方は以下ご覧ください。
一瞬だけ関わっているので当日は僕も舞台裏かステージかどっかにいると思います。(2019年8月30日にイベントは終わりました)
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