台湾に進出した企業がコンテンツマーケティングをしないと生き残れない理由

台湾に進出した企業がコンテンツマーケティングをしないと生き残れない理由

こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。

今日はタイトルにもある通り、台湾に進出して間もない企業がコンテンツマーケティングをしなければ生き残れない理由を説明したいと思います。

ちなみにコンテンツマーケティングって何だよ、と思う方もいると思うので、簡単にご説明します。

コンテンツマーケティングとは?

ブログ記事
動画コンテンツ(YouTubeなど)
音声コンテンツ(ポッドキャストなど)

つまり、YouTubeの動画やブログを活用して、消費者にブランドを認知してもらい、商品やサービスの理解を深めてもらうことで購買につなげるのが、コンテンツマーケティングの基本的な考え方です。

では、なぜコンテンツが重要なのか?

先に結論をお伝えすると、台湾に進出したばかりの企業が、コンテンツなしにウェブ広告を出しても、誰も興味を示してくれないからです。

この記事では、

  • コンテンツなしで広告ばかりに頼った日系企業がどうなったか?
  • 逆に、コンテンツを作った企業がどんな効果を得られたか?

といったリアルな事例を紹介します。

台湾進出に関するブログで、ここまで赤裸々に語るものは少ないと思うので、台湾市場に興味がある方はぜひ読んでみてください!

台湾進出を「就活」に例えると分かりやすい

ウェブサイトは履歴書

台湾進出を「就活」に例えるとわかりやすいので、少し想像してみてください。

  • あなた(企業)= 就活生
  • 台湾の消費者= 面接官(企業)
  • 内定をもらう= 商品を買ってもらう

まず、就活生は応募する企業を選びますよね?
これをビジネスの世界に置き換えると、ターゲティングになります。

次に、履歴書を企業に送ります。
これがウェブサイトや広告です。

多くの台湾進出企業は、ウェブサイト(履歴書)を作ったらすぐに広告を出し、消費者(面接官)に見てもらおうとします。
しかし、ここで大きな問題が発生します。

面接官(消費者)は、履歴書(広告)を見ただけでは、あなた(商品)の良し悪しがわからないのです。

そのため、就活では面接が行われますが、ビジネスの世界では、企業が消費者一人ひとりと面接をすることはできません。

面接がない世界で、どうやって企業をアピールするのか?

ビジネスの世界では、企業は消費者に対して「リマーケティング」という手法を使います。

リマーケティングとは?

👉 一度ウェブサイトを訪れた人に、再度広告を見せること

これは就活で言うと、一度興味を持ってくれた企業(消費者)に、再び履歴書を送るようなものです。

でも、これってかなり非効率ですよね?

就活では、履歴書だけでなく、面接の機会があるからこそ、応募者の人柄や能力が伝わります。
同じように、ビジネスでも、ただ広告を繰り返し出すだけではなく、面接に代わる「コンテンツ」を用意することが重要になります。

「えっ、でも広告費をかけないとみんなに認知されないじゃん!まずは認知されるために広告でしょ!」と思う人もいると思います。

この考えは半分正解で、半分不正解だと思っています。なぜなら履歴書(ウェブサイト/広告)を送ることは必ずしも認知に繋がるとは言えないからです。みなさんはウェブ上や SNS 上で見た広告バナーを覚えていますか?

ただし例外は一つだけあって、一定の期間にユビキタス(あらゆる場所)に広告費をかければ、効果はあると思っています。

台湾では以前 ONE BOY という会社がバス広告、MRT 広告、ウェブ広告に多額の広告費をかけ、消費者はあらゆる場所で広告を見ました。

one boy 広告

結果、ブランドの認知が高まり、今売上はどうやらいいらしいという事を聞きました。
しかしそんな事ができる会社なんてほとんどいないのが現状です….

one boy
ONE BOY のサイト (2021年2月9日アクセス)

広告だけに頼ると、台湾市場では厳しい

ここまでの話をまとめると、台湾進出したばかりの企業がいきなり広告を出すのは、就活で言うと以下のような状態です。

1️⃣ 履歴書を何度も送り続けている(広告を繰り返し出稿している)
2️⃣ 面接なしで内定をもらおうとしている(消費者と直接の接点を持たず、広告だけで売ろうとしている)

これで内定をもらうのは難しいですよね?

「でも広告を出さないと誰にも知られないじゃん!」と思うかもしれません。
もちろん、広告は認知を広げるために重要です。

しかし、広告を出すだけでは、必ずしも認知にはつながらないのです。

実際、皆さんはSNSやウェブ上で見かけた広告をどれだけ覚えていますか?
ほとんどの広告は、見てもすぐに忘れられてしまいますよね。

成功するためには「面接」や「交流」が必要

ユーザーと交流

就活で内定を得る確率を上げるには、面接を突破することが大事です。

ビジネスの世界では、面接に代わるものがコンテンツです。
そして、コンテンツは以下のような形で提供できます。

オフラインでの消費者との交流(イベント、試食会、展示会など)
SNSでの情報発信と対話(Instagram、YouTube、ブログなど)

特にSNSは、広告とは異なり、消費者と直接コミュニケーションを取る場として活用できます。

しかし、多くの企業はSNSを「商品を売る場」としか考えていません。
実際には、SNSは消費者との関係を築くためのものなのに、売ることばかり考えてしまっているのです。せず、履歴書を送りまくっている状態です。

インフルエンサーの起用はどうか?

KOL やインフルエンサーにお金をかければ、インフルエンサーの動画/静止画は履歴書を補足してくれるコンテンツになります。動画と静止画どっちの方が内定を取りやすいかはなんとなくわかると思います。

※ちなみに本当にグローバルに有名な企業さんは広告費をかけて履歴書を送るだけでも割と内定がもらえます。なぜなら有名だからです。

コンテンツを準備せず広告費をかけ続けた会社の末路

台湾広告費

台湾に進出し、コンテンツを準備せずに広告費をかけ続けた企業は、完全に広告に依存している状態です。しかし、広告の効果は年々薄れ、数値はどんどん悪化しています。

それでも、広告を止めれば売上が激減してしまうため、広告をやめることができません。
一方で、広告費をかけ続けることでコンテンツを制作する予算も確保できないという、まさに悪循環に陥っています。

こうなる前に、ぜひ今のうちにコンテンツを準備してください
コンテンツを活用し、そこから収益を得られるようになれば、広告を止めても一定の売上を維持することが可能になります。

実際に、コンテンツを準備せずに広告費をかけ続けている某メーカーのデータを少しご紹介します。

201820192020
CVR (購入率)2.21%0.957%0.54%

数値が壊滅的に悪化しているのが一目瞭然かと思います。
時間が経つにつれて、広告の効果が薄れ、商品の魅力も伝わりにくくなっていると考えられます。

広告やウェブサイトだけでは、ユーザーに商品やブランドの価値を十分に理解してもらえず、結果として数値がさらに悪化するという典型的な例です。

もちろん、広告の効率が落ちた原因がコンテンツ不足だけとは限りません
しかし、ユーザーの商品への興味が薄れてしまった要因のひとつであることは間違いないと考えています。

コンテンツを準備した会社の結果

コンテンツ台湾

一方で、コンテンツを活用した企業はどうなったのか?
具体的な事例を2つ紹介します。

1. applemint(僕たちの事例)

広告費をほぼゼロに抑えながら、流入数を3倍以上に増やし、問い合わせ率も改善

2017年の創業時からブログを更新し、会社の考えやサービス内容を発信

2019年12月からYouTubeを開始し、潜在顧客にアプローチ

その結果、「YouTubeを見て連絡しました」という問い合わせが急増

201820192020
CVR0.13%0.13%0.14%

「たった0.01%の改善」と思われるかもしれませんが、ここで重要なのは、流入数が3年前から3倍以上に増えているという点です。

つまり、流入数が3倍以上になり、お問い合わせ率も改善した結果、お問い合わせの総数は大幅に増加したことになります。
さらに、この改善がYouTubeでのコンテンツ発信を始めたタイミングと一致しているのは、決して偶然ではありません。

加えてお伝えすると、applemintは広告費をほとんどかけずに、この成果を実現しました
実際に、これまでの広告費は、インターンや新入社員のトレーニング用に使用したGoogle広告のみで、3年間の総額はわずか8万円ほどです。

2. カラダファクトリー(クライアント事例)

  • 2年前からブログコンテンツを開始
  • その後、YouTubeとInstagramも導入
  • 台湾市場での認知度が急上昇し、過去最高益を記録

彼らの成功要因は、広告に頼るのではなく、コンテンツに投資し、消費者に価値を提供し続けたことです。

applemint からの切実なアドバイス

台湾市場への進出を考えている企業の皆さん、本気で今すぐコンテンツ作りに取り組むことを強くおすすめします。

台湾の消費者は、時に日本の消費者以上にコストパフォーマンスを重視し、保守的と思うことがあります。
これはつまり、商品の中身がしっかり伝わらないと、なかなか購入には至らないとも言えます。

また、台湾人は「熱しやすく冷めやすい」ともよく言われますが、これは実際にその傾向があると感じています。
最初は話題になっても、あっという間に関心が薄れることがよくあります。

日本でブームになった商品やサービスが、SNSを通じて台湾に伝わり、進出直後に長蛇の列を作る光景を見たことがある方も多いかもしれません。
しかし、これは長期的なビジネスの成功を保証するものではありません。

長く生き残るためには「サステイナブルな商売」を

ビジネスを成功させるには、一時的なブームに頼るのではなく、毎年少しずつでも成長を続け、長期的に存続することが重要です。

そのためには、コンテンツを活用して、自社の価値やサービスの魅力を地道に伝え続けることが不可欠と考えます。

なぜなら、履歴書(広告)を送り続けるだけでは、消費者の心を動かせないからです。

今回のブログをまとめると以下です:

  • 広告だけに依存した企業は、やがて苦しくなる
  • コンテンツを活用した企業は、長期的に成功する
  • 台湾市場では、消費者との信頼関係がより重要

台湾進出を考えている企業は、ぜひ今からコンテンツマーケティングに取り組んでください

もしもこの話に共感し、是非 applemint にコンテンツの企画と施策をお願いしたいという方はコチラからご連絡ください。

お力になります!

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

Leo Sato 佐藤峻

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