こんにちは!applemintで日本企業の台湾向けウェブマーケを担当している津山です!
2021年もあっという間に4月になりましたね!4月は卒業や異動、転職などで新しい生活を始める人も多いのではないですか?新生活を始めるときに活躍するのがECモールですね!
私が先月台湾国内で引っ越しした時も、家具や生活用品はほとんど台湾現地ECモールで購入し、コンビニで受け取りました。本当に便利です!
2021年はコロナ収束を見据えて台湾向けECビジネスを考える企業も多いと思います。そこで皆さんが台湾に進出するとき、まず最初に考えるのがECモールへの出店ではないですか?
ECモールは知名度や利用率が高い上に、低費用で始められそうなイメージがありますよね!
ですが低予算=ECモールという考えはちょっと危険です!実は台湾ECモールには意外な落とし穴があるからです。
そこで今回は、台湾でECモール進出を考える企業に向け、台湾で数多くの越境ECを支援してきたapplemintのノウハウを元に、2021年最新の台湾ECビジネスの現状と、知っておくべきECビジネスリスク、そして他では教えてくれないECモール利用時の注意点を、5分でお伝えします!
2021年、一足先に台湾進出を考える企業は、必見の内容です!
1. 最新版 台湾ECの現状データ
2020年はコロナの影響もあり台湾のEC市場は大きく成長しました!まずは最新データに基づいた台湾ECの現状を紹介します。
- 台湾越境EC最新データ (2020)
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- 2020年台湾の非店舗型小売ビジネス市場 前年度比成長率 12.3%!!!!
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商品ジャンル別売れ行きNo. 1 「家電・デジタル関連商品」
- 非店舗型ビジネスにはECのほか、自動販売機なども含む。うちECは3/4程度。
- 2020年台湾の非店舗型小売ビジネス市場 前年度比成長率 12.3%!!!!
参考:經濟部統計處 產業經濟統計簡訊
政府統計によると、2020年の非店舗型ビジネス市場は3,200億台湾ドル(日本円では1兆円超!)を突破し、過去最高の成長率となりました。これはコロナの他に、モバイルやSNSを活用したマーケティングが大きく影響しています。
また2020年は台湾の一人当たりEC購入額も大きく成長し、1ヶ月あたり平均EC購入額は約556台湾ドル(2,000円以上)増加しました!
特に56歳以上では1,000台湾ドル近くも増加し、台湾では年齢を問わずオンラインショッピングが身近な存在になっていることがわかります。
つまり今の台湾はECビジネスにかつてない追い風が吹いていると言えます!さらにこの1年のコロナによる日本ロスの影響から、ECサイトやECモールを利用した日本製品の販売には大きなチャンスが到来しています。
2. 台湾向けECビジネスのリスク(関税と決済手段)
しかし過去のブログでも書いた通り、日本企業が台湾でECビジネスを行う場合のリスクもあります。それは関税制度の変更(EZ WAY (易利委)導入)と台湾に合わせた決済手段です。
台湾では2020年5月からEZ WAY (易利委)が導入され、個人でも越境ECを利用した商品を購入する際はEZ WAYでの申告が必要になりました。
主な影響は2点です。
- EZ WAY導入の影響
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- 台湾の購入者が海外の商品を受け取るためにはEZ WAY上で申告、確認作業が必要
- 免税で購入できるのは2000元以下、年に6回まで。
つまり海外の商品を購入する際は、手続きが煩雑になり、購入枠も制限されることになりました。このリスクに対応するには商品の魅力で他の商品を圧倒するか、台湾現地への進出などが考えられますが、どちらも簡単ではないでしょう。
参考までにEZ WAYの利用画面を掲載します。結構面倒な感じがしますよね。私も先週EZ WAYに登録しようとしたのですが、台湾国籍以外の人はさらに手続きが複雑なので、結局購入自体を断念しました…。
またその他にも、台湾ECビジネスでは、ローカルの決済手段に対応できないリスクがあります。台湾非店舗型ビジネスの販売額のうち、30%はクレジットカード以外により支払われており、台湾現地法人を持たない日本企業にとっては対応が難しい部分になります。
ただし決済手段については、段々とクレジットカードやLINE Payなどが浸透してきており、今後は越境ECと国内ECの利便性の格差は解消されていくでしょう!
3. 台湾現地ECモール出店時の注意点
台湾向けECビジネスを始めよう!と思った時、大企業以外は一番低予算で始められそうなECモールへの出店を考えるのではないでしょうか?
ECモールは自社サイトを準備する必要がなく、一般的には低予算で始められるイメージがあります。しかし台湾向け越境ECの場合、低予算という理由だけでECモールを考えるのは危険です。理由は3点あります。
- ECモール出店のデメリット3つ
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- 台湾の人気現地ECモールに出店する場合、中国語が使える専門管理者の準備が必要
- 現地ECモールに登録するために、結局現地法人の設立が必要になるケースがある
- 自社の強みを生かしたマーケティングができない
詳しく説明します。まず台湾には残念ながら日本お馴染み越境モール「Amazon」は進出してません。
そのため、台湾のECモール利用者の多くは「PChome」などの現地ECモールを使用します。中には「Yahoo」という一見、日本人が見慣れた名前のモールもありますが、こちらも完全に現地ECモールになります。
① 台湾人利用率No.1!PChome系列 PChome24購物
② 幅広い世代から支持!日本でもお馴染みYahoo系列 Yahoo購物中心
台湾現地ECモールは台湾人の利用率が圧倒的に高いですが、店舗の登録は全て中国語での対応が必要になります。また将来サイト管理や顧客対応も行うことを考えると、場合により中国語が使える専門管理者を準備する必要が出てくるかもしれません。
そしてさらに煩雑なのは、大手の現地ECモールに企業として出店するために、現地法人の設立が必要になるケースがあることです!
参考までにPChomeとYahoo奇摩に出店する場合の登録画面をお見せします。これは企業として登録するフォームですが、どちらのサイトも「統一編號」を記載する必要があります。
この「統一編號」を取得するためには、台湾現地法人を設立するしかありません。しかし現地法人を設立するには台湾政府への書類申請(もちろん中国語)や運転資金・人員の準備など、ハードルが高いと言えるでしょう。
統一番号(統一編號)とは、台湾で会社が設立登記をした際に与えられる ID 番号です!登記せず販売代理店に頼むこともできますが、手数料がさらにかかりますね…。
参考:日本台湾交流協会 統一発票および統一番号について
またECモールを利用する場合、競合が多い上に自社サイトではないので、サイトのカスタマイズや顧客の傾向分析によるマーケティングができません。つまり商品がどれだけ魅力的でも、強みを生かしたマーケティングができず、売り上げに繋がらないリスクがあります。
またECモールに出店しても何もしなければ、検索されるまで見つけられることはありません。また、ECモールのページはブランドイメージを構築するような場所ではないので、価格競争に巻き込まれやすいです。
4. まとめ
最後に、ECモールのメリットとデメリットをまとめます。
もしECモール出店のため台湾ECに詳しい専門家にお手伝いを頼んだ場合、例えばapplemintが協力させてもらった場合でも最低15万円以上の費用がかかるでしょう。
これらのデメリットを考慮した上で、それでも台湾のECモールへの出店をご希望の方は applemint までご連絡ください!これまでの台湾向け越境ECビジネスの経験を生かして、お手伝いさせていただきます!
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