【いつも一番学ぶのは悪い例から】台北のとても残念なお店であった本当の話

【いつも一番学ぶのは悪い例から】台北のとても残念なお店であった本当の話

こんにちは applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です!

今までの人生で最悪なお店や、最悪な店員、最悪な上司って一番心に残ってますよね?僕は例えば最悪なお店に入った時にその店に対価を払ったことや時間を費やしたことが悔しいので、その時の最悪な経験をなるべく詳細にメモして何か学ぼうとします。

台北って海外とはいえなんだかんだ言って平均的にサービスがいいですし、日本食は美味しいですし駐在員なんかからすれば天国だと思います。アメリカなんてコンビニの店員はサービスのかけらもありませんし、免許証更新場の担当者なんて最悪です。そんなところを経験した僕から言わせれば台北なんてもはや海外じゃありません。(笑)

そんなことで最近台北での生活に慣れ、いいサービスが当たり前になり、アンテナを張っていないせいで台北の日常が当たり前になっていました。しかしつい最近ここ数年でぶっちぎりに残念な体験をした台北の某飲食店を訪れました。しかもなんと日系のレストランです。僕のちょっとしたストレス発散とそこで学んだことを整理する意味で今回はその時の体験を語り、applemint のサービスに対するコア・バリューをお話ししたいと思います。

飲食の競合は飲食だけという驕り

飲食店競合

台北では一人当たりの夕ご飯代が1000NT (日本円で約3500円) を超えると比較的にハイエンドな夕ご飯になります。台湾人の平均給与が日本人の1/2なので日本円で100円のものは台湾人からすると200円ぐらいの感覚といえばこの価格が高いことがわかるでしょうか。

つまり台湾の人にとって1000NTの食事とは日本人でいう7000円ぐらいの価値があるということです。台北の日系のお店、特に中山駅付近の林森北路にあるお店はドリンクを1-2杯頼めばお食事を入れて 1000NTはすぐに超えます。

僕が最近行った某日系のお店はそれはそれは高いお店でした。一人1500NT~はしました。台湾の現地にどっぷり浸かっている僕みたいな身分からすると当然一人当たり 10,000円ぐらいの感覚です。まー滅多にそういうところで食事をしないので別にたまに高いぐらいはいいのです。問題はそのお店での体験がクソだったことです。

一般人にとって少々ハイエンドな一人1500NTするようなお店で食事をする場合、大抵少なくとも 1時間はその店にいることが多いと思います。(勿論、一品だけ頼んではしごするのも問題ないでしょう。)僕は1500NTという食事代は食事+時間代だと考えます。

台湾の人はよく、1500NT だったらA店の方がコスパがいい、B店はもっと安い、C店だったらもっと食べれた、D店だったら半分の値段で同じ品質のもの食べれるとか所謂コスパの話を好きですが、僕にとってはあまり重要ではありません。

僕がどちらかというと気にするのはこの店の価格が『体験 +時間』に見合っているかどうかです。そして今回僕がこの店を出た後腹立たしく感じたのは 1500NTを払って1-2時間クソみたいな体験を提供されたことです。要するにお食事+1-2時間に対して1500NTの価値がなかったから僕はムカついたのです。

そもそも飲食で所謂コスパばかり気にするような人は高いお店に行かなければいいと思います。そういう人は大抵コスパの比較対象が飲食店と飲食店で、僕ははっきり言って視野が狭いと思います。

僕はそれよりも気にするべきなのは『時間+体験』のパフォーマンスがどうだったかだと思います。例えば今回だと1-2時間っていう時間で1500NT払ってできる全ての体験が比較対象となります。

1500NTを払って1-2時間でできる『体験』ってめちゃくちゃあります。スマホゲームで1500NT課金して1-2時間プレイしたり、タクシー1台拾って1-2時間かけて台北の観光名所全て巡ったり、団体でエビ釣りを満喫したり出来ます。

そのため、僕は特にハイエンドな飲食店にはただの美味しいご飯だけなく、対価と時間に見合う『体験』を提供するべきだと思っています。味が美味しいから競合と差別化ができているなんて思ったら大間違いです。

僕が行ったお店はどうやら味にはこだわっているようでしたが『体験』がくそででした。いい味出していればいいと思っているようで、この人何も見えてないし、何も危機感がないんだなーって思ってしまいました。

でも体験が悪かったので最終的に味も最悪に感じました。(苦笑)残念ながらこういうお店には顧客から時間を取っているという概念は恐らくなく、僕は食事後 1日の貴重な 1-2時間をクソな体験に費やしたことに腹を立ててしまいました。

おもてなしの幻想

おもてなし

さっきからクソな体験と連発していましたが具体的に何がクソだったか書きたいと思います。

1. しょっぱい:この店は席数が限られていて店には当時6人ほどしかおらず、15分ごとに一品ものが直接店長から提供されていました。回らない寿司屋さんのようなお店を想像してください。食事後に店長と少し話すと、初めてのお客さんにはおもてなしで塩を少なく意識しているんだそうです。

いやいや、めちゃくちゃしょっぱかったし….てめー早く言えや!って思いました。訳わからない長年の経験や主観で塩加減を決めるんじゃなくて一品目出した後に聞けよ!って思いました。

いくら修行したって初めての客の塩加減がわかるはずがありません。きちんと味加減を聞いてくるアメリカのウエイターの方がよっぽどおもてなしがあると思いました。

2. J-POPがうるさい:静かな店内にJ-popが響き渡って会話している最中に日本語の歌詞が耳に入ってくるので会話に全く集中出来ませんでした。しかもシェフはカウンターで次はどの曲にするかパソコンばかり見て、しまいには曲に乗って踊り始めます。

仕事で文章書いている時に日本語の曲や会話を聞くと集中して書けない経験はありませんか?一緒です。食事の邪魔になる音楽は流すんじゃねーよと思いました。

3. ドリンクも食事もメニュー一切なし:勿論金額の表示もありません。そういう店ならそういう店でいいのですがせめて何を出すかぐらいお品書きを書くか口頭で伝えろって思いました。

あと、入った時にそういうお店ってことを言えよと思いました。おかげで僕と一緒に食事をした女性はいつまで料理がくるかわからず、ストップするタイミングもわからず、僕と同じ量食べる羽目になりました。

最後の方は無理して食べていてかわいそうでした。しまいには比較的高額な請求ですよ。僕らの予算を超える超高級品が出なかったのは不幸中の幸いですが出ていたらガチで法的な手段を考えました。

4. 会計時の透明性ゼロ:メニューがない全品お任せの店だからか知りませんが会計時にただ○○○○NTって書いてあるのにはびっくりしました。会計時に一品一品の価格明細がないことは予想していましたがせめてお食事がいくらで、ドリンクがいくらかぐらい書けって思いました。一歩間違えれば詐欺罪です。まじで。

5. アルバイトの教育:アルバイトのサービスがクソでした。席に着くなりおしぼりを手渡ししようとするのはいいのですが上着を脱いでいる最中も突っ立っておしぼりを差し出しているので急かしているとしか思えません。しかも狭い店に2人もアルバイトがいてずっと目の前に立っているのでちょくちょく目があって最悪でした。目が合うたびに何か注文ですか?みたいな表情してくるのですが何もいらねーよっていう….

6. 修理工の突然の来店:当日室内はエアコンが壊れてたか何かで室内が少々暑かったのですが勿論そんなことは知らされませんでした。壊れてたら一言店内エアコン壊れててすみませんぐらい言えよと思いました。その後修理工が来たのはいいのですが食事の最中に堂々と修理を始めます。店長は客に対してなんの一言もありません。しまいには変な水がリークする音が聞こえ始めます。

7. 実は大事な日だった:僕実は行ったのは誕生日前日で少しばかりいいもの食べようと思っていました。結果的にこんな体験をして本当に残念です。

まー何がムカついたかって店長が自分は如何にもいいサービスをしていますみたいなドヤ顔でおもてなしを語っていたことです。ナルシストもいいところです。こんな謙虚さのない日本人は久しぶりに見ました。英語でおもてなしは hospitality って訳になると思いますがアメリカ人の友人と一緒に行ったら hospitality のかけらもないと言われるでしょう。

信用が全て、信用なくして存続はありえない

shakehands in 【いつも一番学ぶのは悪い例から】台北のとても残念なお店であった本当の話

信用ってなんでしょうか?

僕は一言で信用が何か言えません。ただし、applemint として信用が長期的なビジネスに繋がることだけは信じています。そして、僕なりに applemint として信用を得るために意識してみんなに伝えていることが3つあります。

1. 誠実さ:嘘云々というより applemint ならちゃんとその客と真面目に向き合っているか、ちゃんと相手の立場になって考えられるかです。

2. 透明性:サービスの透明性、価格の透明性を主に指します。

3. 結果:誠実で透明性があっても結果を出さないと残念ながら信用を得るのは難しいと思っています。なので結果にはこだわります。

あと、僕の場合新規顧客に提案に行く時はまずは信用をしてもらうために費用の話をあまりしないのと、『なぜ』そのクライアントと仕事をしたいかからプレゼンを始めます。お金を稼ぐのが悪いと言っているのではなく、お金の話ばかりするとお金をしたくて仕事をしているみたいで信用が薄くなる木がするからです。

なので「おたく費用はいくらなの?」とよく聞いてくるような会社はそもそもエージェンシーなんてみんな一緒に思っていて、コストの低い/高いで決めているのでなんとなく僕らと合わないんじゃないかなと思ってお断りする場合もあります。

こんなわがままなことを言っているので最初は苦しく、今もそれなりに苦しいですがクライアントのほとんどからリスペクトを感じますし、applemint はきちんと相手の立場になってお仕事ができていると思っています。

話を上記のお店に戻すと、僕的に誠実さと透明性が全くなかったので信用のかけらもありませんでした。もう二度と行くことはないでしょう。金額の非表示は高額な自分たちのメニューを正当化できない自信の欠如とも取れます。

また、あと何品あるかわからないでビクビクしながら食べていたせいで終始落ち着きませんでした。僕みたいな庶民はそういう店に行くなって言われるかもしれませんが、せめて初めての顧客に対してメニューがないことや何品出るかとかもう少し説明をしろって言いたいだけです。

最後に今回のお店に行って僕が少し嬉しかったのが僕ら applemint が大事にしている3つのバリューがあながち間違ってないんじゃないかと思ったことです。

そして僕はこの3つのバリューはサービス業であればどこでも応用できると思っています。飲食の世界に踏み出すつもりはないですが僕だったら敢えて原価を公表した上でマージンや利益も公開して価格を全て透明化するかもしれません。そんな店があったら面白いかもしれませんね。(苦笑)

半分愚痴みたいなブログになりましたが上記のようなお店が台北にあることを頭の隅に入れておいて、僕がこの経験から何を学んだか少しでも共有できて入れば幸いです。

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