こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!
今日は少しデリケートなお話をしたいと思います。
テーマは、「台湾でビジネスをするなら知っておきたい、キックバック問題」について。
台湾に拠点を構えて8年以上、色々なビジネスの現場を見てきましたが、実際に耳にすることもあったので、今回は僕の体験も交えてお話ししていきます!
台湾ビジネスで注意したい「キックバック問題」とは?

きっかけは、つい最近ニュースで見かけた、台湾の労働局に勤める女性職員の初公判です。
この女性ですが、初めは部下へのいじめで起訴されたものの、その後いじめだけでなく、捜査の過程で賄賂やキックバックにも関与していたことが発覚しました。
この「キックバック」というのは、例えば──
会社が内装業者に店舗の工事を依頼する際、本来は100万元のところを105万元で見積もりを出してもらい、上乗せした5万元の一部を裏で内装業者と担当者が受け取る、みたいな仕組みです。
要するに「ちょっと多めに見積もって、その分の一部を担当者に返す」というものです。
日本でも聞かなくはない話ですが、台湾ではこれが意外と身近な問題だったりします。
僕の知り合いの内装業者さん──台湾で10年以上内装業を営んでいる日本人の方──にこの話をしたところ、
「いや〜、結構普通にありますよ」とあっさり言われました…😅
もちろん、台湾人がみんな不正をするわけじゃないです!僕も台湾の方々はとても真面目で誠実だと思っています。
ただ、なぜこうしたキックバックが発生するのかを考えた時、なんだか台湾の「構造的な問題」が背景にあるように思うんです。
台湾の給与構造とキックバック問題

台湾は今、物価がどんどん上がっています。
コンビニでサンドイッチとサラダを買うとすぐに100元(約450円)超えますし、マンションの賃料も東京並みに高い場所もあります。
オフィスの周りの物件は億ションだらけです。
でも、給与はそんなに上がっていないんですね。もちろん徐々に上がってはいるものの、新卒の給与は30,000 – 36,000NTD (13万~15万円ほど) ぐらいのレンジです。
TSMC など一部例外的に給与が高い企業や業種はあるものの、台湾は構造的にそんなに給与が上がるわけではないと思っています。台湾企業で台湾国内で商売を続ける限り、台湾の人口(約2300万人)というマーケット規模では、売上の天井は見えてますし、利益の天井も見えています。
しかも台湾の出生率は低いので今後市場規模は縮小する見込みなわけです。TSMC のように海外とバチバチにビジネスをしているならともかく、そうでない大半の企業では昨今の物価高に合わせてそんなに簡単に給与が上がるわけではありません。
そんな中、たまたま内装工事などで「臨時収入」のチャンスがあれば──
悪いことだと分かっていても、心が揺れてしまう人がいるのも、なんとなく理解できてしまうところです。
これから台湾でビジネスをするなら…

もし今後、台湾で店舗ビジネスをやる予定があるなら、内装業者の選定や費用管理は本当に注意が必要です!
例えば──
・見積もりは複数社から取る
・費用内訳をできるだけ細かく出してもらう
・第三者(外部監査など)にチェックしてもらう
など、慎重すぎるくらい慎重に進めた方がいいです。
特に、営業担当やローカルマネージャーに任せっぱなしにすると、リスクは高まります。
決して彼らを信用してないわけではないですが、「仕組み」で防ぐことが一番大事です。
「性善説」で進めるより、「性悪説ベースで設計」しておくと、長期的にうまくいきます!
台湾のビジネスにはチャンスもたくさん
誤解してほしくないのは、こうした話をしても、
「台湾=リスクが高い」とか「台湾人は信用できない」と言いたいわけじゃない、ということです。
むしろ、台湾の人たちは本当に優しく、仕事にも一生懸命です。
マーケットもまだまだ成長余地がありますし、文化的にも日本と親和性が高いので、ビジネスのしやすさはピカイチです!
ただ、リスクを知った上で、きちんと対策してビジネスをすることが大切だと思っています。
まとめ:台湾で不正被害に遭わないためには
・台湾ではキックバックが発生するケースがあることを知っておく
・給与水準や市場構造を理解する
・「人」を信用するより「仕組み」で守る
*別に人を信頼しないという意味ではないですよ😅
これが僕なりに台湾でビジネスをしてきた8年間で学んだことです。
これから台湾でビジネスを考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!
以上、台湾から、applemint代表佐藤でした!
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