こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint の代表を務める佐藤 (@slamdunk772) です!
2022年4月現在、長引くコロナにより台湾人が日本ロスになってる様子を見てか、ECサイトで台湾進出を考えているというお問合せが結構きます。
日本だと ECサイトを始めようと思ったら、Amazonや楽天に出店するか、 Base や Shopify で自社ECサイトを立ち上げます。では台湾ではどうでしょう?台湾で EC サイトを開きたくてもどうやって始めるかわからない人が多いのではないでしょうか?
そこでこのブログでは台湾で始められる EC サイトの出店費用や、各ECサイトのメリット/デメリットをご紹介します!
他社のECサイトを紹介したブログはECサイトの概要しかありませんが、このブログでは各ECサイトの事を詳細に書きました。本気で台湾のECサイトを考えている方には最高のブログです!
Contents
台湾ECサイトランキング
まず、台湾にはどんな EC サイト (ECモール) があるかというお話から進めたいと思います。以下をご覧ください:
後ほど詳しくご説明しますが、台湾でトラフィックが一番多い ECサイトは Shopee です。Shopee はシンガポールに本社を構える EC サイトです。次にmomo、3番目がPChome と続きます。日本の楽天は5位以下と少々苦戦しています。
それぞれ出店費用を見ていきたいと思います!
Shopee 蝦皮出店
まずはShopeeの出店費用です。 Shopeeは元々メルカリのような CtoCのモデルからスタートし、現在はCtoC、BtoC 両方可能な EC サイトになりました。
プラットフォーム名 | 出店費用 | 年会費 | 販売手数料 | その他補足 |
---|---|---|---|---|
蝦皮拍賣 | 2% – 3% | 銀行間の手数料等は別 | ||
蝦皮商城 | 3% – 6% | 銀行間の手数料等は別 |
参考:http://loveprint.com.tw/paper1.php
「蝦皮拍賣」とはオークションの意味で、「蝦皮商城」はショッピングモールを指します。それぞれ手数料が少し異なるのでご注意ください。拍賣が個人用、商城が企業用みたいな位置づけです。
また、Shopee にはビジネスアカウントというものがあって、企業用に複数の商品を複数の人で管理するためのアカウントです。これは半年で899NTD (日本円:3600円ほど) です。 なので、1年間使うと1,798元 (7,000円ほど) です。決して高い費用ではありません。
手数料が安くて出店しやすい一方でデメリットもあります。
- デメリット
-
・顧客データは Shopee のもの
・偽物が結構出品されている
メルカリのように個人で商品を売るにはとてもいい ECサイトですが、僕は企業向けにはあまり向いてないと思います。なぜなら顧客データが Shopee に属する上、偽物が結構出品されているので、出店がマイナスイメージに働く場合があるからです。
少なくとも大企業や認知度があるブランドにはあまり適していないと思います…
ただ、他と比べてコストはかからないので、例えば起業したばかりの会社などは初め Shopee からスタートするのも悪くないかもしれません。
momo出店
次に、台湾版の楽天とも言える momo に出店する場合の費用を紹介します。momoは最近化粧品の売上を伸ばしており、2021年はPChomeを抑えて2位に浮上しました。
プラットフォーム名 | 出店費用 | 年会費 | 販売手数料 | その他補足 |
---|---|---|---|---|
momo購物網(入倉) | 個別相談 | 個別相談 | 個別相談 | |
momo摩天商城 | 20,000NTD | 20,000NTD | 4% – 6% | 有料の広告有り。ショッピングカート手数料有り。 |
ちなみにmomo は台湾人の利用者も非常に多く、特に買い物好きの女性に人気です。さらに物によっては最速5時間で届きます。
またmomoは「momo品牌旗艦館」という正式なブランドだけが出店できる特設ページがあります。先ほどのShopeeと違い信頼感があるので、こちらは有名な大企業も多く出店しています!
ただmomoにも出店するデメリットは有ります。
- デメリット
-
・商品数が多く、他に埋もれる。探してもらうのは一苦労
・基本的にコスト対決になる
・LP との共存が難しい
後ほど説明しますが、ECモールはLP との共存が難しいので、出店は注意する必要があります。
PCHOME出店
次に台湾版の Amazon とも言える PC HOME の主な出店費用です。
プラットフォーム名 | 出店費用 | 年会費 | 販売手数料 | その他補足 |
---|---|---|---|---|
PChome 24h 購物中心(入倉) | 要相談 | 要相談 | 要相談 | 要相談 |
PChome購物中心 | 要相談 | 要相談 | 要相談 | 要相談 |
PChome商店街 | 18,000-25,000NT | 0% – 5% |
PChome といっても出店形態がいくつかあります。まず一番上の『PChome 24h 購物中心(入倉)』、これはPChome の倉庫に商品を入れて、PChome にフルフィルメントを頼む形です。
次に『PChome購物中心』もPChome 倉庫からの配送になります。PChome 24h 購物中心(入倉)との違いは24時間以内の出荷サービスをつけるか否かだと思われます(詳細は問い合わせが必要)
PChome にフルフィルメントを頼むプランや出店費用は商品カテゴリーや商品数によって異なるため、PChome に聞く必要があります。PChome 商店街は自社倉庫からの出荷です。
主なメリット・デメリットはmomoとほぼ同じです。ほとんどの台湾人はPC home と momo のアカウントを持つので、いずれかに出店すれば台湾の ECモール利用者の大部分にアプローチできます。
正直、今の所 PCHOME に出店をする企業とはあまりお話をしたことがないです。
Yahoo 出店
次はYahoo モールへの出店についてお話しします。まずは以下が主な費用です。
プラットフォーム名 | 出店費用 | 年会費 | 販売手数料 | その他補足 |
---|---|---|---|---|
Yahoo奇摩購物中心 | 15,000NTD | 12,000NTD | 3.2%、5.7% | クレジットカード手数料、カート手数料、コンビニ受け取り手数料など別途 |
Yahoo超級商城 | 15,000 – 16,000NTD | 12,000 – 39,000NTD | 3.2%、5.7%、 8% | クレジットカード手数料、カート手数料、コンビニ受け取り手数料など別途 |
Yahoo奇摩拍賣 | 1.49% | 有料広告ある |
『Yahoo奇摩購物中心』はBtoCで、『Yahoo超級商城』はBtoBやBtoCを扱い、『Yahoo奇摩拍賣』はオークションサイトです。
僕は Yahoo に出店したことはありませんが、この費用だけ見ると全然出店する気になりません(苦笑)Yahoo の強みってニュースサイトがあってトラフィックが安定していることですが、最近の若者はヤフーをあまり見ません…
なので、上記の出店手数料はちょっと高すぎるかなと個人的に思っています。
参考:http://loveprint.com.tw/paper1.php
Pinkoi出店
最後に EC モールの中では少し例外的な位置付けである、Pinkoi について紹介します。
Pinkoi はおしゃれなものしか売らない ECモールです。彼らの「おしゃれ」の基準はわかりません(笑)恐らく社内にマニュアルがあるのだと思います。
すぐに出店できるわけではなく、Pinkoi の審査があります。この審査が結構厳しいらしく、合格率は10%以下とも言われています。
そんな Pinkoi の費用は以下です:
プラットフォーム名 | 保証金 (デポジット) | 年会費 | 手数料 | その他補足 |
---|---|---|---|---|
Pinkoi | 3,000NTD | 15% | 商品の画像や在庫管理等は出店者が行う |
年会費がかからず、デポジットが安い分、手数料が結構高い印象です。なのでデメリットは手数料でしょう。高額商品を売るような場合は特に注意が必要です。
ではメリットは何か?それはブランディングだと思っています。Pinkoi に出店出来ればそれは Pinkoi におしゃれと認められた事を指します。また、Pinkoi のユーザーはおしゃれに敏感な若者なので、おしゃれな若者にアプローチできます。
91 APP/Cyberbizなど (自分でECサイトを構築)
次にお話しするのは、自社サイトにショッピングカートの機能をつける場合や自社ECサイト構築です。台湾だと 91App、Cyberbiz、Xapp、Shopline、Meepshop 等があります。
91app は年会費用を公開していませんが、販売手数料は5.5%と、割と高めです。参考までにお話しすると、最近僕の知り合いが91app から shopee に切り替えていたので、91app の手数料は決して安くはなさそうです。
Cyberbiz は手数料が27,000NTD – 64,800NTDと比較的に安く、最近 Cyberbiz を使用する会社をよく見ます。
僕の周りだと日系の越境ECを行う会社は Launchcart を使用している会社が多く、現地のショッピングカートを使う会社は Cyberbiz かなーという印象です。ただ、最近は Shopify も増えてきました。
参考:http://loveprint.com.tw/paper1.php
Shopify (自分で ECサイトを構築)
最後に Shopify について話します。実を言うと、僕らは2019年に Shopify さんとお仕事をしていて、当時はShopify のお問合せ数をどうやって増やすか?が課題でした。
その後コロナウイルスが世界を襲い、自社ECサイト制作の需要が急激に高まったことからお問合せ獲得の心配なんて全くする必要がなくなりました。あの頃の悩みはなんだったんでしょう…(笑)
台湾では日本の某大手化粧品メーカーが自社の EC サイトに Shopify を使っていますし、手数料も全然大したことありません。
また、日本で海外越境支援をしている世界へボカンの徳田代表も Shopify は海外越境 EC として優れたサービスとおっしゃっていました。
ちなみにShopifyの決済システムには綠界科技ECPayを使うケースが多いようです。applemint labでも会費の決済システムはECPayを使っています。
EC モール?それとも自社ECサイト?
最後に EC モールと自社ECサイト、どちらを選べばいいかお話をしたいと思います。
もしも自分達で顧客のデータを活用しマーケティングに生かしたいなら自社ECサイトをオススメします!顧客のデータ活用方法を知らない場合は、ECモールでいいと思います。
一番やってはいけないのはECモールと自社ECサイトの両方に出品し、さらに広告費をかけてユーザーを自社ECサイトに誘導させる事です。こうすると自社ECサイトでは購入がふえません。
なぜ注文が増えないか? 例えば私が『SATO』という化粧品を売っていたとします。私はECモールに出店していて、かつ自社LPも持っています。広告費をかけたら、当然自社LP に誘導させます。販売手数料が少ない上、ユーザーデータが取れるためです。
しかし広告を見てLP に流入したユーザーは聞いた事もない『 SATO』 に警戒感を示します。そこでユーザーは『SATO』と検索します。もしも EC モールに出店をしていたら、この時、検索結果で ECモールが1P目に出る可能性が高いんです。
するとこのユーザーは LP ではなく、ECモールで SATO化粧品を購入します。理由はECモールでの購入の方が便利で安全だからです!
その結果、自社LP 制作にお金をかけて、かつ毎月自社ECサイト用のカートシステムにお金を払ってるのに、購入が増えないという事態が起こります。
そんな事態を防ぐためにどうしたらいいか?それはECサイトへの出店やLPの製作を、デジタルマーケティングの専門家に任せることです。ですが時折お客様の中にはこのアドバイス料をケチって結果的に数十万円〜数百万も損するケースが見られます。
applemintでは実際に売れるEC戦略や売れるLPを製作するノウハウがあります。今後、台湾にECサイトを出したい方やウェブマーケティングに興味がある方はいつでもご連絡ください!
以上台湾から、台湾の EC サイトについてご紹介しました!!
applemintへのご相談やご連絡はこちらから!