こんにちは、applemintの津山です。2022年10月、ついに台湾でもコロナ禍による長い鎖国状態が終わり、日本から台湾、台湾から日本への自由旅行ができるようになりました!
今回は、日本で果物・フルーツ産業に携わる皆様に向けて、自由旅行の解禁により、今後増えるであろう台湾人旅行客を、フルーツの魅力で集客する方法をご紹介したいと思います。
なぜ、果物かというと、弊社がここ2年の間に、台湾人を日本の果樹園に集客したいというご相談を受けたり、台湾で日本産フルーツを販売する際のデジタルマーケのご依頼を受けたりしたためです。日本産フルーツの魅力を活用して、台湾人を集客したいとお考えの自治体や農家様は、実は結構いらっしゃるのではないかと思っています。
しかし、台湾という国は、実は果物に関してはかなりの強敵です。多種多様な美味しいフルーツに囲まれて育った台湾人を、日本産のフルーツが食べられる、という理由だけで集客できるかというと、そう甘くはないと考えています。
そこでこの記事では、台湾人を日本の果樹園などに集客したい方に向けて、台湾の果物市場の概要と、台湾人が考える日本産フルーツの魅力、そして台湾人向けのおすすめマーケティング手法を、台湾現地のデジタルマーケ企業である弊社からご紹介します!
Contents
甘く見てはダメ!台湾の果物市場の驚くべき規模
最初に台湾の果物市場規模についてご紹介します。台湾の国土面積は日本の10分の1に過ぎませんが、実はフルーツの生産量に関しては、日本を上回るレベルの驚きの市場規模なのです。
政府統計によると、台湾の2020年の果物生産面積は18万ヘクタール、総生産量は270万トンである一方、日本の2020年の果物生産面積は17万ヘクタール、総生産量は233万トンとなっており、台湾の方が日本より生産量が多いという結果が出ています。(※計上基準が多少異なる可能性がある旨はご留意ください。)
ちなみに台湾において生産量が多い主な果物は、パイン、マンゴー、バナナ、グァバなど、トロピカルフルーツが中心となっています。
台湾では路上でバナナやマンゴーを販売しているおじさんを毎日見かけます。
現在、台湾はフルーツ大国として輸出にも力を入れており、2011年からの10年で、輸出が約3倍近くに伸びました。2013年までは日本が最大の輸出先でしたが、現在では中国大陸がNo.1の輸出先となっています。
台湾人が好きな日本産フルーツと用途
しかしそんなフルーツ大国の台湾でも、日本産のフルーツは人気があります。その理由は、贈答品として喜ばれるからです。
台湾では、旧正月(春節)など季節の催事に、フルーツをビジネスの取引先や親戚に贈ることが多く、日本産の高級で珍しいフルーツは、特別な贈り物として人気があります。
日本産の果物の中でも、特に台湾人に人気があるのは、台湾では生産量の少ない桃や、大玉りんご、高級感のあるシャインマスカット等です。贈答用の果物セットは一般スーパーで見かけることはほとんどなく、主にデパートや高級スーパー、オンラインショップ等で販売されています。
先日は、ドンキホーテで大量のシャインマスカットを見かけました…
現在、台湾の贈り物市場は、年間約2兆円(5千億台湾ドル)を超える規模と言われています。もし今後、日本を訪れる台湾人を果樹園に集客し、日本産フルーツの魅力を伝えることができたら、将来的に日本産フルーツの輸出量を大きく増やせる可能性があります!
そこで最後に、日本の果物で台湾人インバウンドを集客したいとお考えの方のために、弊社がおすすめするマーケティング施策を、3つご紹介します。
台湾人を日本の果物で集客するためのマーケティング施策3選
弊社で以前、台湾人を日本の果樹園(果物狩り)に誘致したいというご相談を受けたのですが、台湾にも果樹園がありすぎて、差別化が難しいと思いました。
そこで、台湾に精通した弊社がお勧めしたいマーケティング施策は、SNSとブログを運用し、さらに、周辺のアクティビティとセットで売り込む方法です。
台湾人の利用率が高いインスタで認知度を上げる
SNSの運用ですが、台湾人の認知度アップが目的であれば、繁体字のインスタ運用がおすすめです。
Digital Taiwanという調査によると、台湾では最も利用するSNSでインスタを挙げた人が70%と、利用率がかなり高いことがわかっています。しかし現在、繁体字で定期的にインスタを投稿している日本の果樹園や自治体は、残念ながらほとんどありません。
弊社のお勧めは、DeepLなどの翻訳ソフトを使い、日本語の簡単な文章を繁体字にして定期的に投稿する方法です。インスタは、台湾人の特に自由旅行が好きな若い世代に効率よくアプローチができる上、長い文章を書かなくていいので、繁体字での運用にも向いています。
あまり長い&複雑な日本語は、誤訳のリスクが高くなるのでお勧めしません…?
もしインスタで、広告なしにフォロワーを3万人獲得した弊社の元スタッフの運用の秘訣を知りたい方は、以下の記事をご覧ください!
ブログコンテンツでGoogle検索からの流入数を増やす
日本政府観光局の資料によると、台湾人が旅行前に参考にする媒体として最も多いのが個人ブログです。つまり台湾人インバウンドを集客するには、ブログを書き、Google検索の流入数を増やすことが重要です。
例えば「日本 水果(果物)」というキーワードは、台湾で月に600回以上も検索されています。もしこのキーワードで上位表示ができれば、かなり効率よく認知度を上げることができます。(以下は弊社が使用している有料SEOツールの結果です)
実は最近、弊社が台湾人むけ中国語ブログの執筆をお手伝いしている日本の知床第一ホテルさんが、日本の自由旅行が解禁された途端、一気に中国語ブログサイトの流入量が伸びる、という嬉しい事態が発生しました。
字数が多いブログ記事に関しては、DeepL翻訳だけでは誤訳が生じる恐れがある上、上位表示を狙うためのキーワード調査も必要になるため、弊社のように台湾人の専門ライターが執筆してくれる企業に頼むことをお勧めします。
日本の魅力的なアクティビティとセットで販売
最後は、現地における施策ですが、日本の温泉街や観光地と協力し、魅力的な体験をセットにして、果樹園に誘致するプロモーションが効果的であると考えています。
その理由は、台湾人にとって、果樹園は特に珍しくない体験であり、しかも日本の果樹園は郊外にあるので、わざわざ日本で果樹園だけのために郊外に足を運ぶ人はそこまで多くないと考えられるからです。
しかし日本の温泉観光地と果樹園が協力して、例えば温泉とシャインマスカットや桃狩りが同時に楽しめるツアーにすれば、温泉に行きたい台湾人を誘致できる可能性があります。
例えば、山梨県の石和温泉では、シャインマスカット果樹園と温泉宿のセットプランの販売を既に実施しています。石和温泉は東京からもバスで1時間で行けてしまう便利な立地なので、このプランを台湾人向けに売り込んだら、それなりに果樹園にも人が来るのではないかと考えています。
いかがでしたか?今後数年で、日本に旅行する台湾人はかなり戻ってくることが予想されます。日本を訪れた台湾人に日本の果物の魅力をPRするために、果樹園や自治体の方はぜひ今回のマーケティング対策を参考にしてもらえれば幸いです!
最後に、少しだけ弊社applemintの紹介をします。弊社は、台湾国内での日本輸入果物販売のお手伝いもさせていただくなど、果物のマーケティングに関するノウハウを持っています。
もし今後、台湾人インバウンドの獲得や、台湾むけの果物輸出などをお考えの場合は、ぜひ以下からご連絡ください!
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