こんにちは、台湾でウェブマーケティングのサービスを提供する applemint 代表の佐藤 (@slamdunk772) です。突然ですが、みなさん台湾のウェブ広告市場ってどれぐらいか知っていますか?
2019年のデータによると、台湾のウェブ広告市場は458.41億NTD (日本円約 1661億円) あります。
これだけ聞いてもピント来ませんよね。ではこの数字を日本のウェブ広告市場と比較します。2019年の日本のウェブ広告市場は 2兆1048億円ありました。
つまり台湾の12倍です。逆を言えば、台湾のウェブ広告市場は日本の12分の1程度ということになります。
残念ながら台湾のウェブ広告市場はあまり大きくありません。しかし、調べると台湾のウェブ広告は広告市場全体の60%ほどあることがわかりました。
そしてこの数字はおそらく今後数年でさらに増えます。以下、2011年から2019年までのウェブ広告とその他のメディアの配信比率をご覧ください。(ウェブ広告は下の赤線です)
ご覧のように、台湾のウェブ広告市場は日本と同様に成長を続けています。では台湾では具体的にどんなウェブ広告媒体が使用されているのでしょうか?また、台湾では主要なウェブ広告に対してどのような対策を行えばいいでしょうか?
このブログでは台湾で配信比率が大きいウェブ広告をご紹介し、台湾現地からリアルで具体的な成功事例をご紹介したいと思います。台湾でウェブ広告をすでに行なっている広告主の方や、これからウェブ広告を考えている方は必見です!
媒体別のウェブ広告配信比率
まずは『台灣數位媒體應用暨行銷協會』(台湾デジタルメディア協会)が発表した、ウェブ広告別の配信比率をご覧ください。
数字がいっぱいあって、わかりにくいので、5つに分類しました。まずは#1 -1をご覧ください。#1-1 はSNS 広告の配信費用やデスクトップとモバイルの配信比率を表します。SNS 広告とは主に Facebook、インスタグラム、LINE を指します。
#1-1のすぐ下の#1-2を見ると、SNS広告は多額がモバイルの静止画広告に配信されていることがわかります (94.32%)。そのすぐ下の数字を見ると、モバイルへの動画広告もそれなりにあることがわかります。
次に#2-1と2-2をご覧ください。#2-1と#2-2は SNS 広告以外のウェブ広告を指します。#2-1を見ると、モバイルへのデジタル広告は検索広告が多くて、それに次いでビデオを使った広告が多いことがわかります。このビデオ広告とは十中八九 YouTube広告と思われます。
次に#2-2のパソコンへ配信されているウェブ広告を見ると検索広告が圧倒的に多いことがわかります。つまり、台湾では SNS 広告以外は検索広告と動画広告(恐らく YouTube広告)が主流であることがわかります。
#3は検索広告や動画広告、SNS広告を合わせた配信金額になります。これら全てをまとめると台湾のウェブ広告は以下のトレンドがあることがわかります。
- 台湾ウェブ広告のトレンド
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・静止画を使ったモバイルへのSNS広告が非常に多い
・検索広告への配信はモバイルもデスクトップもそれなりに多い
・YouTube 広告と思われる動画広告の配信費用が多くなっている
これを見ると、どうやら台湾で重要なのは静止画を使った SNS 広告、検索広告、YouTube の動画広告ということになります。
そこで次に、台湾で静止画を使った Facebook 広告と検索広告をする上での注意点、そして YouTube 広告についてお話をしたいと思います。
台湾ウェブ広告成功事例 (Facebook)
結論から言うと台湾で Facebook 広告を行う際、気をつけないといけないのは以下です:
- 台湾 Facebook 広告注意点
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1. テキストはシンプルに
2. テキストとイメージは商品のベネフィットを想起出来る内容にする
3. 日本は Facebook広告後進国
台湾で Facebook 広告を行うと80%以上はモバイルに配信されます。ユーザーがモバイルで下にスクロールするスピードは皆さんが思っている以上に早いです。そのため、バナー内にテキストがごちゃごちゃ書いてあると容易にスルーされます。
弊社が過去に制作し、効率が良かったバナーを一部ご紹介します。
どれも非常にシンプルな作りになっています。
逆に効果がいまいちだったバナーの共通点は以下です:
- 台湾 Facebook 広告で効果が悪かったバナーの特徴
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1. ニッチすぎる
2. テキストと写真の関連性が薄い
3. テキストが多い
一例を挙げます。あるお客さんの商品は「高雄」のユーザーの CVR がよかったので、「高雄の人必見!」みたいなバナーを使って、高雄に集中的に広告を投下しました。ちょうど、以下のコカコーラ地域限定ボトルみたいなバナーデザインを想像してください。
結果は惨敗でした。Facebook はどこかの地域を集中的に狙うような広告配信は得意じゃないのではないかと思っています。つまり、訴求がニッチ過ぎたのです。
ちなみに上記「肉」と書かれたバナーは弊社インターン生が企画しました。applemint にはインターン生でも時間をかければバナーを企画できる applemint メソッドがあります。
もっと詳細を知りたいという方は以下のブログをご覧ください。
最後に、日本の Facebook 広告のノウハウは台湾では通用しない可能性があることをお伝えします。というのも、台湾と日本では Facebook のアクティブユーザーの比率が全然違うためです。
日本の Facebook アクティブユーザー数は人口の 20%程度で、それに対して台湾は80%以上あります。台湾人と日本人では明らかに Facebook に対する意識、及びインタラクションが異なります。
日本国内の広告代理店がリモートで日本から広告運用をしようとするケースをよく見ますが、私はあまりお勧めしません。なぜなら日本のノウハウを台湾ではあまり活かせない可能性があるためです。
台湾ウェブ広告成功事例 (Google)
次に、台湾でSNS広告に次いで配信比率が高い検索広告についてお話します。検索広告についてのアドバイスは、やるべきことをきちんとやるに限ります。
以前 YouTubeで9割の在台日系広告代理店が間違えてる Google 広告の設定について話しました。台湾で検索広告を行なっている方は是非ご覧ください。
残念ながら、多くの広告代理店はきめ細かい設定をしていません。また、入稿するキーワードも割と適当なケースを度々見ます。例えばビタミンBの健康食品をオンラインで売っている会社があったとしましょう。
多くの広告代理店は、「ビタミンB」「ビタミン錠剤」「お勧め」といったキーワードを設定します。ビタミン B が肌に効くなら、「美肌」といったキーワードも設定するでしょう。これらはプロでなくとも思いつくキーワードです。
商品名や商品のカテゴリーに属するようなキーワードを一般字キーワードと呼び、商品のメリットに繋がるキーワードを解決型のキーワードと呼びます。(解決型のキーワードは今私が勝手に名付けました)
この他に、商品を検索するに至った「問題」や「原因」のキーワードがあります。この「問題」や「原因」のキーワードを入稿している会社が非常に少ないです。
例えば上記のビタミンBの健康食品の会社を例にすると、「肌荒れ 原因」「肌乾燥 原因」といったキーワードを設定していない会社が多いという事です。
例えばあなたが今腹痛を起こしたら、どのように検索をしますか?「お腹 下の方が痛い 病気名」や「お腹 痛い 原因」と検索しませんか?お腹が痛いからといって、「正露丸」「胃薬」など「解決策」を検索する人はあまりいないのではないでしょうか?
残念ながら多くの広告代理店は解決策ばかりキーワード設定をし、原因や課題をテーマにしたキーワードを設定せず、一部の潜在顧客を逃しています。これをご覧の方はちょっと注意してみてください。
まとめ
いかがでしょうか?台湾のウェブ広告はモバイル向けの Facebook やその他 SNS の広告が主流ということをお伝えいたしました。続いて検索広告と YouTube 広告が続きます。
台湾における YouTube については以下のブログでものすごく詳細に話していますので、台湾で今から YouTube 広告を始めたい方は以下のブログをご参考ください。
今後台湾でウェブ広告をお考えの方は、SNS 広告用のモバイルフレンドリーな静止画、検索広告、 YouTube 広告に特にお気をつけください。なぜならこれらのウェブ広告が今後数年も主流なウェブ広告であり続ける可能性が高いためです。
applemint では創業3年ながら消化した予算がすでに5億円を超えました。大企業ではない applemint がクライアントからこの予算規模を達成できたのは、弊社のサービスの質と効果によるものだと思っています。
applemint を信じて広告予算を投下してくださいクライアントには本当に感謝です。
もしもこれをご覧の方で台湾でウェブ広告がうまくいっていなければ是非コチラからご連絡ください。
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