台湾市場進出で気を付けるべき法規制と台湾企業とのビジネスマナー

台湾市場進出で気を付けるべき法規制と台湾企業とのビジネスマナー

こんにちは!台湾でデジタルマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!

今日は、台湾市場進出で気をつけるべき法規制とビジネスマナーというテーマでお話しをしたいと思います。

法規制と言っても色々な法規制があるので、今日はその中でも税金と労働にフォーカスをしてお話をしたいと思います。

従って、例えば食品輸入/輸出の規制や貿易に関する法規制を知りたいという方は、ここで読むのをおやめください😅

また、ビジネスマナーに関しては僕の実体験を基に、台湾企業と取引をするときはどういう事に気をつければいいかというお話をしたいと思います。

ダラダラとAI が書いたような一般的な事を書いてもつまらないと思うので、僕の台湾での実体験を書いていきますね。

台湾の税制や労働法

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まずは台湾の税制についてお話をします。営業税は5%で、法人税は僕の認識では20%です😅 👉間違っていたらすみません。

台湾で会社を経営していて思うのが、日本と台湾の経費の認識の差です。いくつか事例をご紹介したいと思います。

海外のインボイスは意味がない

例えば、僕らはよく海外のツールやサービスを利用しています。
Notion、Ahrefs、Asana などは全てアメリカのサービスです。アメリカのサービスを利用した際、領収書(インボイス)が発行されますが、インボイスは台湾では基本的に経費としてカウントされません。

厳密にはやり方はあるらしいのですが、発行後数日以内に国税局へ行き追加費用を払って申請したりする必要があり、とても煩雑です。

従って、例えば月々30ドルかかるようなSaaS のサービスを経費で落とすために、面倒な手続きを踏んでいたら割に合わないので、台湾では海外のサービスはほぼほぼ経費に落とせないと認識しておいた方がいいです。

台湾で何かしらの費用を経費にするためには、会社の統編が書かれた發票が必要となります。また、發票を発行したとしても経費としてカウントされない場合があります。
例えば経費として申請できる交際費は、日本同様に売上に対して適切な限度額があります。

僕の会社は売上規模が全然多くないので、交際費に関しては経費として計上できるのは、せいぜい月々5,000NTD (25,000円ほど) 程度です。5,000NTD なんて会社のスタッフと一回でも会食に行けばすぐに超えます😅

従業員との雇用契約など

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次に、従業員との雇用契約についてお話をします。結論から言うと、台湾では日本同様に解雇をするハードルは高いです。「あの人は仕事をしない」という理由で解雇は基本的にできません。

なので人を雇うのはいいと思いますが、試用期間の見極めと解雇が難しい事を念頭に入れておく必要があります。

ちなみに、当社のクライアントには、一度はデジタルマーケティングを内製化しようとしたものの、スタッフが1-2年で辞めるので、少しお金かかってもいいからという理由で当社に外注した企業がいます😅

台湾にいる日系企業の中には、「うちは従業員が辞めない」という企業もいますが、恐らくよほど待遇がいいか、よほどホワイトだからだと思います。

しかし故野村監督が「仲良しのチームは弱い」と言っていたように、そういう会社が結果を出しているかというと、あまり出していなくて、大抵は親会社である日本の本社が赤字を補填しています…

話を雇用関係に戻すと、台湾では解雇が難しいと言っても、自主退職を促す際に、それなりの退職金を提示すると、割とすんなり辞めてくれます。この辺は日本と同じですかね…

僕の知り合いは、勤務態度に問題があり、解雇が必要と判断したスタッフに対して相場の1.5倍ぐらいの自主退職金をオファーしたらあっさり辞めてくれたそうです。

この退職金は勤続年数によって変動します。例えば勤続年数が1年なら大体1ヶ月が相場で、2年なら2ヶ月みたいな感じです。ただし退職金に関して規定は特になく、金額は会社によって決められます。

また、場合によっては自主退職金が全く意味をなさないケースもあります。

僕の知り合いの企業は台湾事業縮小に伴い、人員の整理を行おうとしたのですが、スタッフの多くは勤続年数が長く、10万元以上もらっていて、それでいて尚且つ30~40代オーバーが大半だったため、彼らは転職出来ないリスクを認識し、自主退職に応じなかったようです。

その結果、僕の知り合いの企業では人員整理が全く進まず、毎月無駄な人件費が発生しています…

僕は台湾で起業して8年目になりますが、初めは雇用に対して割と軽い気持ちでした。しかし、現在は採用活動に対してかなり慎重です。また、台湾(台北)の高い離職率を目の当たりにし、現在は採用よりも利益を減らしてでも外注パートナーを探す努力をしています。

台湾独自のビジネスマナー

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最後に台湾の企業とのビジネスマナーで注意したい点について、僕の実体験を基にお話ができればと思います。

スピード重視

台湾企業は決定の速度がかなり早いです(その分見切りも早いですが…😅)

最近起きたある事例をご紹介します。最近僕らは某台湾寝具メーカーとお仕事をすることが決まりました。8月ぐらいにご相談を頂いて、そこから話し合いが始まって、8月の終わりには契約書に署名がされました。

このスピード感は仕事を受注する身としては嬉しい限りです。

ちなみに、僕らがどうやって台湾企業からお仕事をもらっているかというと、大半は僕のコラムを経由して、僕のことを知ってお問合せをしてきてくれています。
改めて発信をしていてよかったなーと思いました。

現在発信は、HP のブログの他、有料メルマガの applemint lab と YouTube、台湾の大手雑誌『換日線』、そしてポッドキャストです。

以下のポッドキャストでは、僕がYouTube やブログ、コラムなどの発信をした結果、どういうことが起きたか語っています。そのほかにも台湾現地のリアルなビジネスの話をしているので興味がある方は聴いてみてください!

話を戻すと、台湾企業の決定のスピードは早く、僕はとても好きなのですが、日系企業の中にはこのスピードについて行けず、台湾企業がフラストレーションを感じて仕事がなくなるケースがあります。

日系企業は何かと稟議や確認プロセスが多く、決定を慎重に行います。これは利点がある一方で、スピードのある会社からは嫌がられる傾向があることを覚えておく必要があります。

やるやる詐欺

次にやるやる詐欺についてお話をします。台湾企業とお仕事をすると、よくやるやる詐欺に遭います。やるやる詐欺とは、めちゃくちゃやる気を見せていたのに、ひょんなきっかけで急に案件がポシャる事です。

例えば、台湾企業とお仕事をすると担当者の離職に合わせて案件がポシャるケースは多々あります。次の担当者に案件が引き継がれないんですね😅

なので、案件のためにリソース確保で人材採用に動いた結果、案件がポシャるなんて事になったら、ただの損でしかありません。例え契約書を無事結べていても、途中で担当者が変われば、半年で打ち切りなんてことはザラにあります。

僕らも担当者が変わった瞬間に案件がポシャることはもう複数回経験しているので、台湾企業が「やる!」と言っても過度に期待しない方がいいです…

見切りが早いことに加えて、やるやる詐欺が多いのも、僕が台湾で人材採用に消極的な理由です。
たった半年しか仕事をしない企業のために人材を毎度雇っていたらお金がいくらあっても足りません…

交渉の進め方 (値引きは文化)

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最後に、台湾企業との交渉についてお話しします。

台湾企業はほぼ100%値引き交渉をしてきます。これは悪気があってのことではなく、ただの文化です。台湾人にとって値引き交渉は文化の一部です。

自分たちの立場が圧倒的に上でない限り、必ず値引き交渉されることを想定しておいてください。そのため、台湾企業に対しては、通常の日系企業向けの価格より1.5倍程度高めに設定することをおすすめします。

もちろん、日本企業と同じ価格で提示しても構いませんが、台湾企業は値引きが一切ない場合、かなり早い段階で交渉を打ち切る傾向があります。適度に値引きをして、相手の興味を引いた方が良いと思います。

ただし、値引き交渉に応じすぎて、気が付いたら赤字で仕事をしていた、なんてことも起こり得ますので、必ず超えてはいけない利益率のラインを事前に決めておくことが重要です。

また、日系企業の中には「最初は投資だと思って、赤字でも構わない」という考え方をする方もいますが、台湾企業の多くは長期的な付き合いを前提としていないことが多いので、この考えはあまりおすすめできません😅

これらを踏まえて、僕たちは台湾企業と交渉する際、譲れない金額や利益率をしっかりと決め、そのラインを超えた場合は、断固として交渉を打ち切ります。今までこの態度を貫いて、最終的に相手がそれ以上の値引きを要求しなかったケースも多々あります。

ちなみに、台湾企業との交渉に不慣れな人は、通訳を雇って交渉しても、相手に付け入れられることが多いので、信頼できるコンサルを入れる方が良いです。

また、コンサルを入れる際は、必ずそのコンサルタントを信頼することが大切です。
僕は過去に日系企業のコンサルをしたことがありますが、あまりにも台湾流の態度を取ったため、依頼して頂いた顧客を慌てさせてしまった経験があります😅
あの時は、事前にもっと打ち合わせをしておくべきだったと反省しました。

以上、applemint代表の佐藤から、台湾進出における注意点やビジネスマナーについてのお話でした。

もし、台湾企業との取引でサポートが必要な場合は、applemintでは通訳のほか、ビジネスコンサルティングや人脈の紹介も行っていますので、ご興味のある方はぜひご連絡ください!

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

Leo Sato 佐藤峻

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