こんにちは、台湾でウェブマーケティングの会社 applemint の代表を務める佐藤 (@slamdunk772) です。
以前僕は「台湾で見る中国語 (繁体字)パワポ資料の9割はイケてないからとりあえずフォントから改善してほしい」というブログを書きました。今回はもう一歩踏み込んで applemint が実際に台湾で利用するパワポの実例をとりあげ、より実践的な改善術をみなさんにお伝えします!
具体的には3つのお話を紹介します。
- applemint 流の中国語(繁体字)パワポのレイアウトの改善法
- 視線を意識したパワポ改善
- アイコンの有効活用と色の使い方
今回のブログを参考にすれば、みなさんの中国語 (繁体字)パワポ資料がかなり改善されると思います!
Contents
レイアウト改善/優先順位の明確化
まずは以下のパワポをご覧ください:
台湾にある chatwork 社が 2018年に無償で提供していた会社の紹介資料の一部です。このパワポを見たとき、皆さんどんな印象を受けるでしょうか?特に何も感じないという方は要注意です!
僕はこの資料を見たとき、2つの改善点に気づきました:
- 赤い点が優先順位を曖昧にさせてる
- 視点が一点に定まらない
まず1つ目ですが、通常赤い点は強調したい文がある時に使われます。しかし今回の場合、赤い点の後ろの文字は、スライドの中で一番小さいです。
文字が小さい情報は、通常スライドの中で優先順位が低い事を指します。小さな文字に赤い点をつけることは「優先順位が一番低い情報なのに、強調したい?」という矛盾につながります。
また、赤い点のせいで、どうしても視線が赤に行ってしまいます。しかし、パワポにはタイトルや問題点など更に重要な情報も入っています。更にはイラストも入っており、重要な情報が多すぎて視点が定まりません。
つまり、読み手がどこを見ればいいのかわからなくなってしまいます。
applemintのレイアウト改善提案
では chatwork の課題に対して、applemint はどうしたか? applemint が提案した改善資料が以下です (黄色い線はkeynote の定規なので、実際の資料には表示されません):
まず、タイトル→イラスト→小テキストと、大きさを変え、優先順位を明確にしました。
その上で、優先順位が高い情報から低い情報に視線を誘導するため、タイトルを一番左に表示しました。また不自然な赤い点も削除しました。
いかがですか?印象がガラッと変わって、しかも読みやすくなったと思いませんか?
小さい文字が小さすぎて見えない!という意見もありそうですが別にいいのです。小さい文字は後で見るときの補足情報であって、全てプレゼン時に見せる必要はありません。
結論をまとめると、パワポを作る時は、スライドの中で「一番伝えたい情報 」をまず明確に表示します。その後、情報の優先順位に沿って、スライドの面積で占める割合や、レイアウトを考えればいいのです。
視線の改善
次に視線の流れの改善方法を紹介します。まずはこちらをご覧ください。
皆さんは、このスライドを見て何を思いましたか?
僕は、視線を上下に移動しないといけないため、非常に疲れると思いました。
また、先ほどのパワポ同様、「タイトル」はスライド内で優先順位が高いはずなのに、逆に下のテキストが太字で目立っています。そうなると結局、どの情報の優先順位が高いかわかりません。
今回の課題に対し、 applemint が提案したのは以下です:
まず、タイトルの文字を#1、2、3、のテキストよりも大きくして、優先順位をはっきりさせました。
次に、視線は Z の流れで進む特性を利用して、横方向にコンテンツを配置し、より自然に視線が流れるレイアウトに変更しました。
視線の流れと優先順位を意識することで、かなり読みやすくなったと思います。
アイコンの使用/強調改善
次に効果的なアイコンの使い方を説明します。まずは以下の資料をご覧ください。
僕が問題だと思ったのは2点です:
- 太字があまりに多い
- 赤くて太い字が異様に目立つため、優先順位が不明確で何を見ていいかわからない
いくら時間をかけたとしても、優先順位が不明確なスライドは、残念ながら言いたいことが相手に伝わりません。
アイコンを使用して強烈な印象を残す
では applemint ならどうするでしょう?答えは以下のようにアイコンを活用します:
アイコンを入れたことで、「セキュリティ」や「仕事」を連想しやすくなったと思いませんか?特にアイコンの色を赤くしたことで、「セキュリティ」の重要性が視覚的にも伝わります。
イラストとテキストが同時に表示されると、テキストだけの時より数倍認知度が上がる研究結果が出ています。
結論をまとめると、アイコンを少し入れるだけで見やすさが全然変わるので、重要なポイントで上手に活用しましょう。
色の改善
最後に、色の使い方です。まずは以下のスライドをご覧ください:
ここまで読んだ皆さんは、既に改善点に気づいているかもしれませんね!
僕が疑問に感じたのは、やはり「赤」の多用です。
赤という色は、特に背景が白の場合は非常に強烈な印象を与える色になります。もし僕なら、1つのスライドで赤を使うのは 1-2回です。本当に強調したい内容がスライド内にある時だけ、赤を使います。
applemint の色に対する改善提案
ではapplemint ならどうするか?以下のスライドを見てください:
先ほどのスライドより、赤い色が大幅に減ったと思います。本来は、ヘッダーの「導入効果」も赤を使う必要はないのですが、企業のイメージカラーなので一応残しました。
また、テキストの間のスペースも、少し広めにしました。
なぜなら、繁体字の中国語は画数が多く、デフォルトの文字間隔だと窮屈に見えるからです。mac の keynote や windows の powerpoint では、文字間隔の調整ができるため、パワポ作成の際には広めに調整してみてください!
いかがでしたか?
パワポは、ほんの少しの調整が、大きな改善を生みます。今回の内容が、本当に伝わるパワポを作るための参考になれば幸いです!
*ちなみに現在の chatwork の資料 DL はコチラから可能です。(2018年に修正したため、もしかしたらもうリプレースされている可能性もありますが…. 苦笑)
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