これから台湾で起業したい人へ。僕が7年やってこれた3つのラッキーだった話

これから台湾で起業したい人へ。僕が7年やってこれた3つのラッキーだった話

みなさんこんにちは、台湾で applemint というデジタルマーケティングの会社の代表を務める佐藤  (@slamdunk772) です🙃

今日は、僕が台湾で起業して振り返った時に、「あ、ラッキーだったな」と思ったことを三つ話したい。

起業で成功するかどうかは、よく「運」と言われる。これはめちゃくちゃ同意する。僕も本当にラッキーだったと思う。

最初はマジで苦しかった。ただ、その時から「うまくなるまでやろう」と思ったし、失敗してもまた何か新しく始めていただろう。

じゃあ、今めっちゃ成功してバブリーな生活を送っているかというと、そんなことはない。クソ地味な生活を送りながら、ゼーゼー言っているのが現実。

毎月P/L(損益計算書)を見て、可能な限りコストを削って、それでもなんとか会社を回している。振り返ると、要所要所で「あ、これやっててよかったな」と思うことがある。

今日はそんな僕の“ラッキー”を紹介したい。

1つ目:パートナーに巡り会えた事

lonely in これから台湾で起業したい人へ。僕が7年やってこれた3つのラッキーだった話

起業するちょっと前から実は台湾人のパートナーと同棲して、かれこれ8年。

彼女のおかげで、僕はまともな暮らしができていると思う。彼女がいなかったら、孤独でとっくの昔に精神やられてた、マジで。

起業家はよく孤独だって言うけど、僕の上にはとんでもない先輩起業家がいるから、「僕はめっちゃ孤独を味わった」みたいな偉そうなことは言えない。ただ、起業して7年という短い経験でも、色々な孤独を味わってきた。

最初に感じた孤独は、今までの友人と話が合わなくなること。

科学や哲学、音楽の話ができる友達とは別に問題ないけど、会社の愚痴を言い合ってたような友人たちとは、明らかに話が噛み合わなくなった。単純に視点が変わるからだと思う。

だって、向こうは会社員で、僕は経営者。そりゃあ、ものの見方が変わるのも当たり前だよなって思う。

これは、僕が偉いとか、友人が劣ってるとかじゃない。ただ見ているレイヤーが違うってだけ。でも、そういうズレに気づいて、気づいたら昔の友人たちと疎遠になっていた時、少し孤独を感じた。

次に感じた孤独は、社内の孤独だった。

僕が特定の誰かとだけ積極的にコミュニケーションを取るわけにもいかないし、かといってみんなとまんべんなく話そうとしても、スタッフはもちろん僕に遠慮する。

別に友達を作りたくてスタッフと頑張っているわけじゃないけど、まあ、そういう孤独もある。

最後に、外部のクライアントや経営者、知り合いとの付き合いで感じる孤独もある。

会食のときは笑顔で談笑してても、いざ契約となったら言いたい放題なんてことはザラ。僕が言い返すと、「法務/弁護士がうるさくてすみません」なんて逃げられる(まあ、僕も昔はたまにこんな言い訳言ってたけど😅 → 今はChatGPTがあるから逃げられないけど….)

表ではニコニコして、裏では僕の悪口を言われるなんて日常茶飯事だし、もういちいち気にしなくなった。

こういう経験が積み重なると、だんだん精神にダメージが蓄積していく。

あと、起業して最初の1〜2年は、売上のストレスはすごかったし、顧客からの未払い(踏み倒し)でストレスがマックスだった。それで弱い僕は、よくパートナーに八つ当たりしてしまってた。

ある時なんか、一緒にディナーの準備をしてる時に、豆腐の切り方でキレたらしい(もう何で怒ったかすら覚えてない)。本当に器の小さい人間だなと、自分でも思う😞😞

そんな僕に愛想を尽かさず、ずっとそばにいてくれたパートナーには心から感謝してるし、今でもそう思ってる。起業で本当に難しいのは、愚直に続けること。体力どうこうじゃなくて、数年経つと精神がどんどん削られていくから。

あと、信頼できるビジネスパートナーに出会えたのも本当にラッキーだった。彼がいなかったら僕の会社はとっくに回らなくなって潰れてたと思う。

2つ目:自分で色々できるようになったこと

carpenter in これから台湾で起業したい人へ。僕が7年やってこれた3つのラッキーだった話

会社を始める上で、自分ができないサービスを提供するのは、何かあった時にマジで困ると思う。

僕は幸いにも、大学院時代に兄の影響でデザインに触れ、卒業後は自分でウェブサイトを立ち上げて、SEOを独学した。

最初のデザインを今見返すと、クソみたいなものが出てきて、本当にお客さんに迷惑をかけたなーと思うけど、今ではPhotoshopもサクサク動かせるし、やっておいてよかったと心から思う。

デジタルマーケティングの基礎は、外資系の広告代理店で働きながら学んだ。
週末は特に遊ぶ予定もなかったし、テレビもなかったから、ずっと自分のウェブサイトをいじったり、その当時流行っていたSEOを勉強して、自分のサイトでひたすら実験を繰り返していた。

今ではウェブサイトのデザインもできるから、スタッフが風邪で休んでも、パパッとFigmaでデザインを仕上げられる。

動画制作も、かなりできるようになった。

起業して1年目、ある時お客さんに「動画作れる?」って聞かれて、やったこともないのに「できる!」って即答した。Photoshop の延長で簡単そうに見えっちゃって…😅😅
でも、実際やってみたらめっちゃ難しくてビビった😱😱

しかも簡単だと勘違いした僕は、納期を3日後に設定してしまってたから、その時は仕事の合間に昼も夜もぶっ通しで、一日6時間ぐらい、YouTubeのチュートリアル動画を見まくってなんとか形にした。

これが後々自分で YouTube を始める時に役に立った。

元々広告代理店で営業だった僕は、デジタル広告の運用に関しては知識はあるけど、実務経験はなかった。だから Udemyで勉強した。
こういうと失礼に聞こえるかもしれないけど、幸いその当時実践出来る顧客がいて、実践でトライアンドエラーを繰り返して学んだ。

もちろんお客さんの予算を無駄にしたくないから、ものすごい緊張感で運用していたのを覚えている。

Google Analyticsを使ったサイト分析や、ヒートマップ(Clarity)での分析も、お客さんに求められて、自分で勉強して一通りできるようになった。
そのおかげで、デジタルマーケティングを包括的に見ることができる。

自分で言うのもなんだけど、台湾でこれだけ広範囲にいろいろできるデジタルマーケターって、マジでなかなかいないと思う😂😂

あの時はお金がなくて外注なんてできなかったし、自分でどうにかするしかなかった。もしも最初から外注する余裕があったら、そっちの方が楽だし、そっちに流れていたと思う。

そうすると、外注先に問題が起きた時に、サービス提供すらできなくなってたと思う。

当たり前のことかもしれないけど、自分一人でもサービスを提供できるって、本当に大事だと実感してる。

3つ目:中国語が出来た事

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中国語ができたって書くと、なんだか生まれたときからできたみたいだけど、本当に僕はゼロからのスタートだった。

始まりは22歳。台湾にワーホリで初めて来たとき。
お金がなくて台湾の農家を転々としていたけど、英語が通じる人はほとんどいなくて、マジでコミュニケーションが取れず、めちゃくちゃ悔しい思いをした。

それで、YouTubeで台湾のバラエティ番組をひたすら見まくって、わからない単語を全部ノートに書き出して、次の日には野菜を包装しながらその単語を使って覚える、みたいな生活を続けた。

台湾の人たちは本当に優しくて、僕のクソみたいな中国語も我慢強く聞いてくれた。
中国語を台湾で覚えられたのは、今振り返っても本当にラッキーだったと思う。

僕は中国にも行ったことがあるけど、中国の都会の人たちはすぐに「あぁん?」って言うから、威圧感を感じて萎縮して喋るのを避けてしまう😅
(中国語を学んだことがある人なら、この感じわかるはず…😂)

ワーホリ後に日本に帰国してからも、毎日終業後2〜3時間は必ず中国語の単語を勉強して、週末は朝9時の図書館オープン前に並んで、5時まで缶詰になって勉強した。
並んだのいい席を取るため。土日は、いい席を確保したい高齢者と受験生とよくバトルしてたよ👊👊

おかげで、1年半でHSK6級に合格。
日本で就職したあと、3年後に台湾の大学院に戻ったときには、ローカルの学生と普通に中国語で会話できるレベルになっていた。

最初こそ台湾人の学生は僕に英語で話しかけてきたけど、僕が彼らの中国語の会話についていけるとわかると、そこからは一切容赦なく中国語だけだった。
そのおかげで、さらに実力が伸びた。

ちなみに、個人的なアドバイスだけど、言語交換イベントや日台交流会って、中国語があまりできないうちに行ってもあんまり意味がないと思ってる。
なぜなら、台湾人がこっちに合わせてめっちゃ日本語をしゃべってくれるから。

でも、中国語がある程度できるようになってから行けば、相手も中国語を使ってくるから、ちゃんと練習になる。

僕は中国語ができたおかげで、現在台湾のローカル社員ともストレスなくコミュニケーションできる。
これは本当に大きいと思う。

まとめ:これから台湾で起業を考えている方へ

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台湾で起業して驚いたのは、会社って一度始めて、ある程度軌道に乗ると簡単には止まらないってことだった。
元々失敗するつもりで始めたわけじゃないけど、1.5km走くらいに思っていたレースが、実は20kmマラソンだった…みたいなのが今現在の感覚💦💦

だから、結局は愚直に淡々と続けるしかない。

もちろん人間だから一喜一憂もするけど、そこで切り替える力がめちゃくちゃ大事。なんかこうして書いていると、なんだかアスリートみたいだなと思う🏃‍♀️🏃‍♀️

特に重要なのは「精神の健康」。肉体の健康よりも、実は精神の健康のほうがずっと大事だったと今は思うけど、起業前はそんなこと想像もしてなかったし誰も教えてくれなかった。

たぶん今これを読んでいる起業を目指している方は、ピンと来ないかもしれないけど、実際にその時が来たら「あ、そういえば applemint の佐藤が精神の健康大事って言ってたな〜」って思い出す時が来ると思う👍

それから、自分が得意なこと、自分ができることにフォーカスするのも重要だと思ってる。
自分ひとりじゃできないことをやろうとすると、結局投資家に頼ったり、外部パートナーに依存するしかなくなる。
それって、想像しているより何倍も精神的にきつい。

最後に中国語。
「これからはAIが同時通訳してくれるから、言語学習なんていらない」って思うかもしれないけど、言語を学ぶって、相手へのリスペクトを示す手段でもあると思ってる。

僕が日本人で中国語を話せるってだけで、どれだけ台湾人と距離を縮めることが出来たことか。

あと、経営的な話をすると、中国語を話せないと、台湾で人材確保がめっちゃ難しくなる。
中国語がデフォルトの国で、毎回「日本語ができる人材」を探すのって現実的じゃないし、見つかったとしても人件費は高くつく。

台湾は異常なほど日本語が出来る人がいるから、感覚が麻痺するけどそもそもこの環境って異常だし、例えばアメリカで英語が話せないけど起業するって普通に聞いたらすごい非現実的(大谷選手とかメッシみたいなレベルならいいけど…)

中国語ができないと起業してから地味にボディーブローみたいに効いてくる時がある。

そんなわけで、以上、applemint代表佐藤から、「台湾で起業してラッキーだったこと」の話でした!

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Leo Sato 佐藤峻

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