【台湾起業3年目を振り返って】コロナウイルスの影響

【台湾起業3年目を振り返って】コロナウイルスの影響

こんにちは!台湾で applemint というウェブマーケティングの会社の代表を務める佐藤(@slamdunk772) です!

さて、applemint は台湾で起業して3年を終え、9月からは4年目を迎えます!思えば、起業した1年目は外国人がビザを更新するのに必要な300万元の売上 (約1000万円) がとてつもなく大きな数字に見えました。

しかし色々な幸運が重なり2年目に1000万円の売り上げを達成すると、その後成長を遂げました。2年目はかなり調子が良かったので3年目は当初かなりの飛躍を見込んでいたのですが、コロナウイルスが来て….

結局目標達成どころか赤字が続いたのが3年目です….やっぱり物事うまくいかないものですね。

まーそんな色々あった台湾起業 3年目を時系列でお話したいと思います!ちなみに台湾起業1年目や2年目の話を見たい方は以下のブログからどうぞ!

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applemint が台湾で起業して2年目をどのように歩んだかを書いています。

2019年 10-12月:やばい新入社員入社

recruit in 【台湾起業3年目を振り返って】コロナウイルスの影響

2年目にかなりの飛躍を遂げた applemint は事業の成長の伴い、人材の採用が必要になりました。ここまで全てリファラルで採用してきましたが、今回は初めて104を使うことにしました!

台湾のことを知らない人のために書くと、台湾の人材採用方法は主に以下に集約されます。

台湾の人材採用方法

1. リファラル (紹介)
2. FB や HP へ DM (直接応募)
3. 人材派遣会社からの紹介
4. 104 (人材マッチングサービス)

この中で一番人気が高いのが #4 の104を使った人材採用です。104は8000-9000元の費用を出せば90日間求人情報を掲載できます。早速お金を指定口座へ振り込んで募集要項や条件を入力して求人情報を掲載しました!

しかし待っても待っても誰も応募しません。

どうすればいいか悩んでいた所、クライアントの社長さんが、「受け身になってても誰も来ないよ!自分からメッセージ送らなきゃ!」と言われ、DM をし始めました。そしたら数人から返信がありました。

佐藤峻leo sato

超有名企業でない限り、104では積極的にDMを送る事をお勧めします

返事が来た数人と面接をしたのですが、全くいい人材が現れません….挙動不審な男性、お友達と一緒に面接に来る子など、とてもじゃないですが採用をする気になれませんでした。

しかし、ついに春が来ました。

面接した子の中に、一人だけかなり日本語ができて、非常に好印象を持った子がいました。他のメンバーも大絶賛!すぐにオファーを出し、1週間後に彼女から承諾の連絡が来ました!

そして11月に入社。ついにこれで人材採用のストレスから救われると思うととても嬉しい気持ちになりました!

最初の2週間はトレーニング。その後3週目から本格的に OJT を始めました。ちなみに applemint では新人がトレーニング期間中だろうと OJT 期間中だろうと、在宅勤務日は在宅で仕事をさせます。これにはちゃんと訳があって実は新人をわざと泳がせてます。

applemint は自由を結構与える代わりにきちんとやるべきことを期日通りにやる責任感がある人を求めています。なので、在宅勤務中に主体的に仕事をするか、責任をもって言われたことをやるか見ています。

話をこの新人に戻すと、3週目からどうやら様子が少しおかしくなり始めました。在宅中にブログを書けと言ったのに、何やら全然終わらないんですね。トレーニング中も動画を見ろと言ったのに見てないんですね。

ちょっとおかしいなと思いながらも仕事に慣れていないのかな?とか呑気に思っていました。そして11月末に彼女の歓迎会を行ったのですが、なんと彼女から歓迎会当日に 39度の高熱のため欠席すると連絡が来ました。

仕方なく他の社員で食事会に行くと、他の社員から彼女に対する不満が大爆発(笑)

「あいつまじで言われたことしないから何も渡してない」
「Aやってって指示したら勝手にBやって危うく大問題になる所だった」
「家のネットが壊れたから終わらなかったってどういうことだよ!(怒)じゃーカフェ行って終わらせろや!っていうか3週間でもう2回ネット壊れてるんだけど(怒怒)」

佐藤峻leo sato

そのほかに、「仕事中に鼻歌歌ってんじゃねーよ」という意見もありました…

これはもうやばいと思いました。全く仕事をしないのです。入って3週間でこれなのでもうお先真っ暗でした。しかもその当時は出来るだけ新人が入りやすいようにと試用期間を従来の3ヶ月から1ヶ月に短縮していました。

歓迎会を行ったのは彼女が入って3週目だったので、次の週には受け入れるか否かを決めないと、正式に入社して厄介になるということです。結果的には彼女を不採用にしました。

彼女に不採用を告げる面談前に何を言おうか前日に1-2時間考えたのを覚えています。でも不採用する旨を伝えたら相手の反応はあっさりしていました。

もしも彼女が歓迎会に来ていたら仕事を全くやらない子を雇うところでした。ちなみにその子は歓迎会の日に 39度の熱が出たのですが、月曜日にはけろっとした様子でした。薬とかも服用していませんでした。まー仮病でしょう。

2020年1月-3月:ドキドキの紅包と忘年会

new year in 【台湾起業3年目を振り返って】コロナウイルスの影響

2020年の台湾の過年 (年末) は1月でした。念のため話すと、台湾のお正月は旧暦に沿って毎年変わります。過年(年末)と言えば忘年会です。台湾ではこの忘年会のことを尾牙と言います。

尾牙でお馴染みなのが『紅包』(お年玉) です。そしてこのお年玉は通常経営陣のポケットマネーから出されます。2019年は僕の給与がショボすぎてとてもじゃないですけど出せませんでした。

実はこれを書いている2020年時点も給与は相変わらず結構しょぼいのですがそれでも他のスタッフよりはもらっているので初めて紅包を出すことにしました。スタッフは僕らみたいに小さな会社で紅包をもらえると思っていなかったのか、嬉しそうでよかったです。

忘年会は毎年行く焼肉屋さんで行いました。参考までに話すと、この焼肉屋さんは applemint の事業が少しずつ軌道に乗り始めた2年目に頑張ったご褒美に行った焼肉屋さんです。

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ちなみにこの忘年会は1月の末に開催したのですが、台湾はその時からコロナウイルスを結構警戒していました。マスクは当たり前でしたし、連日コロナのニュースが報道されてました。また、中国やその他諸外国からの入国規制もこの時から強化していました。

台湾ではマスクが品薄になってましたが、僕は元々台北の空気が汚いという理由でコロナが流行する前にマスクを購入していました。ラッキーでした。その他の人はみなマスクを求めて連日薬局前に並んでいました。

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この時、コロナウイルスが自分たちの事業に与える影響は限定的でした。もちろん僕らの顧客の中にはインバウンドや観光を事業の柱としていた会社もあり、影響がなかったわけではありません。

しかしながらそれらの顧客が売上に占める割合は比較的に少なかったので、影響はそこまで出ていませんでした。むしろその当時は拡大の見込みがあり、3月には面接で非常に印象が良かった子にオファーを出しました。

そしたら新入社員に内定を出してから急激に経営状況が悪くなり始めました……タイミングが悪いですよね…..(泣)その当時日本でコロナウイルスを理由に内定を取り消していた会社の気持ちが少しわかった気がします。

しかし、内定を出した子は applemint のオファーを承諾し、尚且つ台中から台北に引っ越す準備をしていました。また、直感ですが非常に仕事をしてくれそうな予感はしていました。そんな子に対してちょっと経営状況が悪いからと言って断るなんてできませんでしたし、結果的に採用して本当によかったと思っています。

また、幸いにも会社は財務的に余裕があったので、こうなったら頑張って仕事を増やすしかないって思いました。改めて人を雇うということの責任を感じました。

佐藤峻leo sato

いい人材は中々見つからないので、見つけたらとりあえず確保してそこからマネタイズの努力をするようになり始めました。

2020年4月-6月:コロナウイルスの影響直撃

corona in 【台湾起業3年目を振り返って】コロナウイルスの影響

3月まで売上にあまり問題がなかったのが急に変わったのは4月です。4月に入り、日系の広告主が一斉に広告予算を縮小してきました。うちのクライアントは大部分が日系の会社だったのも災いしました。

広告予算の一部を手数料として頂く広告代理店はこんな時に何も言うことはできません。

4月から売上やその他の数字はどんどん悪くなっていき、4月から3ヶ月連続で赤字になりました。その後一瞬黒字になりましたが、元々4月末に現金化する予定だったウェブサイトのプロジェクトが相手側の手違いで4月に現金化して黒字になっただけです。

経営状況が悪くなったのでもちろん不安でしたが、幸い2018年から2019年にかけて急成長した時に現金資産をためていたのでどこかで心の余裕がありました。本当にラッキーです。

ジタバタしても何も始まらないので、ブログや動画コンテンツを強化して、広告運用や日々の業務を仕組み化することを考えました。同時に、社内でコロナウイルス感染者が出た時のガイドラインを作りました。

次に、この時に今まで週2日で行なっていたリモートワークを週5日にしたり、週4日にしたりしました。台湾でのリモートワークについては以下に書いているので興味のある方はぜひご覧ください!

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このブログでは台湾にある広告代理店 applemint でリモートワーク/在宅勤務を2週間続けて行なった結果に見えたことを書いています。

2020年7月-9月:動画の効果、広告代理店としての驕り

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コロナウイルスを機にYouTube で台湾のプロモーション事情を話すことを本格的に始めました。元々台湾デジタルマーケティングについて「見て」知りたい人のために動画を始めたのですが、始めて3ヶ月でお問い合わせが増えました。素直にすごく嬉しかったです。

動画がどうやら効果ああるということで、コロナ渦で赤字が続く中デザイナーを雇って動画の強化とウェブサイトの強化を行おうと思いました。幸いにもうちのスタッフの知り合いにいいデザイナーがいたので、すぐに面接をスケジュールして会いました。

面接では彼女の作品集を見て、彼女から作品の制作過程やロジックをきちんと説明してもらいました。きちんとロジックがあり、作品のレベルが高く、すぐにオファーを出しました。

オファー内容も彼女の要求と相違がなかったので来てくれるものだと信じていましたが、結果的に断られました….

以前も紹介である子に断られたことがあるのですが、その子は面接した当時転職したばかりで今の会社に満足なようでした。今回の子は割と現在の会社に不満があって転職活動を行なっていたのにも関わらず断られました。

なんか本当に自分はまだまだ力不足だなと実感しました。もっと魅力的な会社にして僕らが探さなくても向こうから応募に来るぐらいの会社にしてやる!と改めて思いました。

佐藤峻leo sato

自分の会社は最高だって自信があるのに毎度ショックの連続です。

また、コロナウイルスで業績が落ち込み、改めて「広告代理業」という仕事を見つめ直した結果、広告代理業の「手数料」というビジネスに限界を感じました。今も今後も重要なのは手数料の先にあるデザインやコミュニケーションといった付加価値だと思っています。

電通や博報堂はとっくの昔に気づいてデザイン力やコミュニケーション力を磨いていたのに、自分は未来のない手数料ビジネスを強化しようとしていました。

また、applemint は今まで台湾の現地の会社との取引をわざと少なくしていました。理由は現地の会社は広告予算が少なく、今まで支払いトラブルが頻発したためです。しかし今回のように日本で何か問題が起きた時のリスクヘッジができていませんでした。

そこでコロナが起こってから6月以降は台湾の現地の顧客との取引も始めました。

コロナウイルスが起こってよかったとは微塵も思っていません。スタッフへボーナスを払えませんでしたし、事業が縮小して来年やりたかったことも暗礁に乗り上げました。しかし、コロナウイルスで広告代理業とは何か改めて考え直せました。また、動画という領域にチャレンジしようとも思えました。

4年目も台湾で愚直に、謙虚に頑張っていきたいと思います。

applemintへのご相談やご連絡はこちらから!

Leo Sato 佐藤峻

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