こんにちは、applemint 広告運用担当の Hiro です。
今日お話しするのは台湾のテレビ広告、プロダクトプレイスメントについてです。
テレビプレイスメントとは、テレビ番組で商品を映り込ませたり、話題に取り上げて商品を認知してもらう広告手法です。
台湾では日系通販企業が台湾で積極的に取り組んでいる施策の一つです!
そんなプレイスメント広告ですが、どれぐらい効果があるか気になりますよね?
このブログでは実際の交渉〜放送日までの具体的な流れ、放送日のデジタル広告連携方法を解説した後に実際の実績を公開します!
最後にプレイスメント実施をお勧めするかどうかについて私のアイデアをお話します。
台湾で日系通販商品を担当してきた経験を基に書いていくので、参考になれば嬉しいです!
Contents
台湾テレビプレイスメント実施工程
まず初めにテレビプレイスメントを実施する際の全体的な流れを実際経験に基づいてお話しします。
相談と交渉
まずはテレビ局に連絡し基本実施事項を相談・交渉します。
・出演番組
・出演者
・放送日
・費用 など
撮影準備
大枠の実施内容が決定したら、次は撮影準備を進めます。
・芸能人の出演交渉
・脚本作成
・商品ニックネーム考案
・現場で使う小物制作
話上手な芸能人を選んでおくと、アドリブなど入れてくれたりするのでオススメです。
撮影日
そして撮影当日。
広告主が撮影に立ち会って最後の打ち合わせやセットの準備をします。
・ご挨拶とお土産配り
・商品棚のセット
・台本の最終確認
・撮影観覧
・SNS 用の撮影
収録は司会者やその他の出演者にもガヤを入れてもらう形で進めるため、他の出演者にもご挨拶に回りつつお土産を渡します。
収録前は、みなさんスタジオの脇でメイクや衣装直しなど大変忙しくしているので、隙を見て軽くご挨拶する程度でした。
日本の番組は放送時間 1 時間の番組でも 2〜3 時間カメラを回し続けることがあるそうですが、台湾の番組はほぼ時間通り撮り終えます。
効果音や音楽などのエフェクトも現場で直接挿入する超効率的な収録スタイルです。
放送日
そしてついに放送日。
放送日までにデジタル広告の受け皿を用意していきます。
・Google 広告の検索広告準備
・番組 Facebook 投稿 + 広告
・芸能人 Facebook 投稿 + 広告
・必要に応じて Youtube 広告
デジタル広告が主な購入経路となるため、当日はできる限りたくさんの入り口を用意して放送に備えましょう。
ここまで、テレビ局交渉〜放送までの流れをざっとご紹介しました。
詳しい実施費用や視聴率・視聴者分布などの情報は秘密保持契約の関係で公にすることができません。
※お問い合わせ代理をお探しの場合はこちらからお声掛けください。
デジタル広告との連携
ここからは放送時のデジタル広告連携についてお話しします。
まずは各メディアの主な役割をご紹介します。
リスティング広告を準備します。
テレビプレイスメントの購入の大半は Google 広告でコンバージョンします。
番組名や商品名以外にもどんなキーワードが検索されるか目処をつけ視聴者の様々な検索に対応できるよう準備しておきます。取りこぼしのないよう、大袈裟すぎるくらいに入札をかけ、広告露出を確保しておくのが良いと思います。
放送日当日または翌日に番組公式 Facebook で商品紹介の投稿を行ってくれます。
この投稿を広告配信すると、テレビではリーチしきれなかったユーザーにもリーチを伸ばすことができます。
Youtube
最近になって一部の番組で、プレイスメント広告で放送された動画を Youtube 広告で配信すると販売実績が伸びるとの事で積極的に Youtube 広告実施を勧めているそうです。
もし放送日の実績が良好で、コンテンツ自体の実力が認められる場合には広告実施をしてみても良いかもしれません。
過去実績例
最後に、過去にプレイスメント広告とデジタル広告を連携した時の実績をご紹介します。
Facebook CV上昇率 | Google CV上昇率 | |
女性向け番組 A | 23.74% | 55.06% |
女性向け番組 B | 109.01% | 126.24% |
女性向け番組 C | -17.46% | 6.22% |
3 回分の CV 上昇率を見てみると毎回かなり大きなバラツキがあると分かります。
以下のような複数の外的要素が関係している仮説が立てられます。
・放送時間
・曜日
・番組
・視聴率
・演者
・商品紹介方法
・番組テーマ
・デジタルとの連携状況 など
やるかやらないか。
ここからはプレイスメントの実施要否と実施するための条件を思考してみました。
結論…相当な余裕がない限り実施しないほうがいいと思います。
なぜ失敗するのか
まず、なぜ失敗するのか考えてみました。
失敗要因をまとめると、
・準備不足
・プレイスメント広告に視聴者が慣れ、購入促進に繋がらなくなった
・Netflix や Youtube の台頭でテレビへ費やす可処分時間が減った
この 3 つが挙げられるのではないかと思います。
台湾でマーケティングに従事して 3 年間テレビプレイスメントの事例をたくさんみてきました。正直なところ、失敗してしまったケースの多くは一様に準備不足であったのではないかと感じます。
日系商品のプレイスメント広告がまだ視聴者に浸透していなかった頃は、放送すればほとんどの場合リターンがあり、今よりも平均販売件数が倍以上あった印象です。
しかしその結果、多くの企業が博打的な広告の撃ち方に慣れてしまい、明確な戦略もなければ結果の的確な分析もできないまま、いつのまにかテレビプレイスメント広告の賞味期限が切れてしまったという風に感じます。
同じような例で言うと、2 年程前にインスタストーリーの広告枠がリリースされた際、初めの 1 週間は商品が飛ぶように売れました。私の担当したケースは CPA が五分の一まで下がり過去最高記録を更新した記憶があります。
ここから言える事は、消費者が広告を意識していない条件下では、爆発的にレスポンスが伸びる事があるという事です。
逆に、ピークを超えたメディアは戦略と戦術をきちんと考え慎重に対策を行っていく必要があるのではないでしょうか。
(相当な余裕があったら)どう実施するか
先ほど相当余裕がなければ実施しない方がいいと書きましたが、では相当な余裕とはどの程度の余裕を指すのでしょうか?
『相当な余裕』の定義は 投資利益率が100%を超えなくてもビジネスに支障がないことです。
まずビジネスモデルを指定した理由は、テレビプレイスメント広告全盛期の実績で計算しても、投資費用対効果が100%を超える確率が低いという背景があるからです。
店舗展開などが済んでいるような成熟期のビジネスである事が現実的な条件ではないかなと思います。
次にターゲットです。
番組によりバラツキはあるものの、過去の経験上テレビ広告が効果的な消費者年齢は 50 歳前後です。
過去に某女性向け人気番組でプレイスメント広告を実施した時のデータを見てみると、放送日当日は 45〜54 歳において新規セッションが増加する傾向が一様に見られました。
この事から、プレイスメント広告の内容は商品特徴を紹介するケースが多いと感じますが、もし私が実施する場合、 50 歳のターゲット目掛けて思い切り舵を切ると思います。
もしターゲットが 50 歳よりも若い場合、 同じ広告費で Youtube 広告を使い、費用対効果をコントロールしながら地道に商品教育をしていく方が現実的かもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここまでで台湾のテレビプレイスメント広告についてお話ししました。
この記事では、
・出演交渉〜放送日までの具体的な流れの実レポ
・各デジタルメディアの連携方法と実績事例
をまとめました。
プレイスメント広告の旬は過ぎてしまったようですが、戦略的に取組めばばどんなメディアでも結果を残す事ができます。
ただ、そこまでのコストや手間をかけられない場合は決して無理をせず、Youtube などインプレッション型の運用広告を強化するのも良いのではないでしょうか?
時には賭けに出る度胸も必要ですが、完全な博打になってしまわないよう取捨選択をすることも戦略のうちだと思います!
applemint の運用者は私含め、テレビプレイスメントに際したデジタル広告運用の連携経験がありサポートが可能です。
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