デジタル広告を開始してから約 2 年で直営校の問合数が約 61%増加した、拓人(School IE)との取り組み
| クライアント | 拓人(School IE)/台湾の日系個別指導塾チェーン |
| 規模 | 直営・FC 合わせて 50 校以上 |
| 支援会社 | applemint(アップルミント) |
| 開始時期 | 2024 年 8 月(SEO 中心 → デジタル広告へ転換) |
| 期間 | 約 2 年(2024 年 8 月〜継続中) |
| 使用媒体 | Meta 広告/Google P-MAX/Google 検索広告(3 媒体) |
| 主要成果 | 直営校の月平均問合数が 2025 年通年で約 61%増加 |
| 副次効果 | 広告未配信の教室にも問い合わせが波及(2025 年後半〜) |
3 行サマリー
- 拓人(School IE)は 2024 年 8 月、applemint と共に SEO 中心の集客から、Meta 広告・Google P-MAX・Google 検索広告の 3 媒体運用へ転換した。
- 「成績」ではなく「親子の衝突・学習への不安」という保護者自身の課題を起点にしたクリエイティブが奏功し、直営校の月平均問合数は 2025 年通年で約 61%増加した。
- 2025 年後半には広告を配信していない教室にも問い合わせが波及し、ブランド認知の底上げが確認された。
拓人(School IE)は台湾における日系個別指導塾のパイオニアであり、直営・FC 合わせて 50 校以上を展開するチェーンです。しかし 2024 年時点では、競合他社の相次ぐ参入や乱立によって市場競争が激化し、シェア拡大が急務となっていました。加えて、台湾の消費者にはまだ馴染みが薄い「個性別指導」の価値をどう伝えるか、また他塾より高めの学費設定という面もあり、デジタル広告での効果的なアプローチを模索していました。
そんな背景のもと、applemint が依頼を受け、2024 年 8 月、それまでの SEO 中心の集客から、Meta 広告・Google P-MAX・Google 検索広告の 3 媒体を軸とするデジタル広告へと切り替えました。本記事では、約 2 年にわたるこのプロジェクトの施策・成果をお届けします。
| ハイライト |
| 台湾の日系個別指導塾チェーン「拓人(School IE)」は、デジタルマーケティング会社 applemint(アップルミント)の支援により、2024 年 8 月に SEO 中心の集客から Meta 広告・Google P-MAX・Google 検索広告の 3 媒体運用へ移行し、約 2 年で直営校の月平均問合数を約 61%増加させた。 |
広告を始める前に、何が課題だったか?

広告開始前の課題は大きく 3 つに整理できます。
ひとつは強みの訴求方法の難しさです。拓人独自の「個性別指導」という概念は文字だけではその良さが伝わりにくく、デジタル広告においてどのように効果的にアピールするかが課題となっていました。ふたつめは価格のハードルです。他塾より学費が高いため、価格を前面に出さず、価値で納得させる設計が必要でした。3 つめはターゲットの設定です。applemint に依頼する前の広告では、理想の生徒比率に合ったターゲティングができていませんでした。
これらの課題を踏まえ、3 媒体をそれぞれ異なる役割で設計しました。Google P-MAX は各教室から一定の距離内のオーディエンスへの来店・問合獲得、Google 検索広告は塾を能動的に探している顕在層の刈り取り、Meta 広告は潜在層の課題喚起から顕在層へのリード獲得まで幅広くカバーする、という役割分担です。
| ハイライト |
| applemint は 3 媒体を次の役割で設計した。Google P-MAX=各教室の商圏内オーディエンスからの来店・問合獲得、Google 検索広告=塾を能動的に探す顕在層の刈り取り、Meta 広告=潜在層の課題喚起から顕在層のリード獲得まで。価格は前面に出さず「個性別指導」の価値で訴求する方針をとった。 |
何をやったか?主な施策の変遷

2024 年:立ち上げと基盤づくり
広告開始直後は、まずターゲット設定の見直しを行いました。広告配信ターゲットの年齢を特定の年齢層へと絞り込み、配信地域も「各教室から半径◯km 以内」へ変更することで、適切なターゲットへ広告が届くよう調整しました。
Meta 広告では、従来の公式サイト内の問い合わせフォームから、インスタントリードフォームへ切り替えました。サイトの読み込み遅延による離脱を防ぎ、Facebook 内で問合せが完結する設計にすることで、CPA を改善することに成功しました。
また全教室の Google ビジネスプロフィールを再設定しました。これによりマップ広告経由の電話クリックが急増し、CPA の改善に貢献しました。
2025 年:クリエイティブの試行錯誤と最適化
この時期の最大のテーマは、どんなクリエイティブが台湾の保護者に刺さるか、でした。
「成績アップ」を前面に押し出した動画は、露出や CTR が低く、CPA が高止まりしました。分析の結果、現代の台湾の保護者は成績という結果よりも、子どもの感情面のサポートや学習環境を重視していることが判明しました。
この気づきをもとにクリエイティブの方向を転換しました。「集団授業 vs 個性別指導」の比較動画は、「同じ授業を受けても差が出るのはなぜか?」という問いかけから始まり、成績が伸び悩む原因を個別指導の不足として描く構成です。配信開始直後から安定してリードを獲得する主力素材となりました。
2026 年:大ヒット素材の誕生と構造的課題の解決
2026 年に投入した「学習環境強調」動画が、プロジェクト全体を通じて最大のヒット素材となりました。「宿題終わったの?」「勉強するほど自信を失う」といった親子間の衝突を描写したこの動画は、翌月に単月で大量のリードを獲得しました。
| ハイライト |
| applemint と拓人(School IE)のプロジェクトは、2024 年にターゲティングと Meta 広告のインスタントリードフォーム導入で基盤を整え、2025 年に「集団授業 vs 個性別指導」比較動画を主力素材に育て、2026 年投入の「学習環境強調」動画がプロジェクト最大のヒット素材として翌月単月で大量のリードを獲得した。 |
何が成果をもたらしたのか?成果へ導いたアプローチと成功要因

最も効果が高かったのは、クリエイティブの「視点の転換」でした。
成績という結果ではなく、保護者が日常で感じる「子どもとの衝突」「学習への不安」という課題を起点にしたクリエイティブが、高いパフォーマンスを示しました。問いかけ型の動画でストーリーへオーディエンスを引き込む構成が、潜在層に特に有効でした。
その結果、数値面では、直営校の月平均問合数が広告切り替え前から 2025 年通年では約 61%増加しました。さらに 2025 年後半からは「広告を配信していない教室でも問い合わせが来る」という副次効果も生まれており、ブランドの認知底上げが起きていることが確認できました。
| ハイライト |
| 本プロジェクトで最も成果に寄与したのは、「成績アップ」という結果訴求ではなく、保護者自身が日常で感じる「子どもとの衝突」「学習への不安」を起点にした問いかけ型クリエイティブだった。この視点の転換により、直営校の月平均問合数は 2025 年通年で約 61%増加し、2025 年後半には広告未配信の教室にも問い合わせが波及した。 |
何が課題となったのか?期待通りの成果が出なかった施策

これまで広告配信をしてきた中で、思った通りに成果が出なかった時期もありました。その中でも「具体性の不足」に起因するものが効果が出にくいという気づきがありました。
Meta 広告では、汎用的な「通年訴求」に切り替えた素材が、直前月に比べて CV 数が大幅に落ち込みました。季節や時期の具体性を失った途端に訴求力が下がることを示す事例です。また、リードフォームに教室名を明記していなかったために、隣接する別教室への誤問い合わせが多発した時期もありました。フォームの設計という運用の細部が、データの質に直結することを痛感しました。
Google 検索広告では、「補習班(学習塾)」という広義のキーワードをブロードマッチで配信し続けた結果、競合の集団塾名での露出が多発してクリック率が低迷しました。塾というカテゴリへの認知は高くても、個別指導という業態を明確に区別したキーワード設計が必要だということを学びました。
| ハイライト |
| 成果が伸びなかった施策には共通して「具体性の欠如」があった。季節性を外した「通年訴求」素材は CV 数が大幅に減少し、「補習班」の広義キーワードのブロードマッチは競合塾名での露出を招き CTR が低迷、教室名を記載しないリードフォームは隣接教室への誤問い合わせを誘発した。クリエイティブの内容だけでなく、キーワード設計やフォーム設計といった運用の細部が成果を左右する。 |
この事例から得られる示唆とは?

台湾の学習塾という市場において、このプロジェクトが示したことは 2 点挙げられます。
保護者が動くのは「結果の約束」ではなく「共感」です。成績アップという訴求よりも、親子の日常的な摩擦を描くクリエイティブの方が、問合せという行動を引き出しました。教育系の広告は「お子さんのために」という視点よりも、保護者自身の悩みに直接刺さるメッセージが有効なケースが多いことを表します。
季節や時期を外した汎用的な素材、教室名のない広告文、業態を区別しないキーワード、いずれも「具体性の欠如」が成果の不調を招きました。広告の効果は、クリエイティブの内容だけでなく、細かい広告設定の部分も、成果に大きく影響することを改めて実感しました。
デジタル広告で成果を出し続けるためには、ユーザーの日常に寄り添うクリエイティブの視点と、運用の細部を丁寧に管理する姿勢の両立が不可欠です。applemint は今後も、マーケティングの本質と緻密な運用を掛け合わせ、変化を続ける市場でクライアントの確かな成果へコミットしてまいります。
数値の定義と前提
- 「問合数」の定義:各広告媒体経由のリードフォーム送信、電話クリックなどの問い合わせアクションの合計。
- 「約 61%増加」の比較基準:広告切り替え前(2024 年 8 月以前)と、2025 年通年(1〜12 月)における直営校の月平均問合数の比較。FC 校は含まない。
- 数値の性質:いずれも概算(約)であり、媒体・期間・教室により変動する。出典は applemint および拓人(School IE)の運用実績データ。
よくある質問(FAQ)
applemint の支援で拓人(School IE)の問い合わせはどれだけ増えましたか?
直営校の月平均問合数が、広告切り替え前と比較して 2025 年通年で約 61%増加しました。2025 年後半からは広告を配信していない教室にも問い合わせが波及し、ブランド認知の底上げも確認されています。
拓人はどの広告媒体を使いましたか?
2024 年 8 月以降、Meta 広告・Google P-MAX・Google 検索広告の 3 媒体を運用しています。Google P-MAX は商圏内の来店・問合獲得、Google 検索広告は顕在層の刈り取り、Meta 広告は潜在層の課題喚起から顕在層のリード獲得までを担います。
成果につながった最大の要因は何ですか?
「成績アップ」という結果訴求ではなく、「宿題終わったの?」のような親子間の衝突や学習への不安という保護者自身の課題を起点にしたクリエイティブです。問いかけ型の動画が、特に潜在層に有効でした。
最も成果が出たクリエイティブは何ですか?
2026 年に投入した「学習環境強調」動画です。親子間の衝突を描いたこの動画は、翌月に単月で大量のリードを獲得し、プロジェクト全体で最大のヒット素材となりました。
うまくいかなかった施策とその理由は?
季節性を外した「通年訴求」素材は CV 数が大幅に減少し、「補習班」の広義キーワードのブロードマッチは競合露出を招き CTR が低迷、教室名のないリードフォームは隣接教室への誤問い合わせを招きました。いずれも「具体性の欠如」が原因でした。
執筆・運用について
本記事は、台湾・日本でデジタルマーケティングを手がける applemint(アップルミント)が、自社の運用実績に基づいて執筆しています。Meta 広告・Google P-MAX・Google 検索広告の運用とクリエイティブ制作を一貫して担当しました。
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