ググる時代から「AIに聞く」時代へ:台湾でAIに選ばれる会社になる方法【LLMO・AIO対策】

ググる時代から「AIに聞く」時代へ:台湾でAIに選ばれる会社になる方法【LLMO・AIO対策】

こんにちは、applemintの河野です。

台湾で事業を展開する日系企業の皆様、または日本から台湾への進出を計画している企業の皆様、日々の営業活動でこのような変化を感じていませんか?

「以前に比べてWebサイトへのアクセスや問い合わせが増えにくくなった……」

実はその背景には、ユーザーの「検索行動の変化」があるかもしれません。

これまでは「Googleでキーワードを検索し、複数のWebサイトを回って情報を探す(ググる)」のが当たり前でした。しかし現在、多くのユーザーが「ChatGPT」や「Gemini」、そしてGoogle検索のトップに表示される「AIO(AI Overviews:AIによる概要)」などに直接質問を投げかけ、AIから瞬時に回答を得る行動へとシフトしています。

今回は、この「AI検索時代」に日系企業が台湾市場で勝ち残るための新しいマーケティング手法「LLMO(AIO対策)」について、専門用語をかみ砕いて分かりやすく解説します。最後に、今すぐ実践できる簡単な対策もご紹介しますので、ぜひご覧ください。

この記事のポイント(3行まとめ)

  • 台湾ではネットユーザーの43.19%が生成AIを利用(TWNIC 2025年度)。検索行動は「ググる」から「AIに聞く」へ移行しつつある。
  • AIOはGoogle検索上部のAI要約機能、LLMOはAIに自社を推奨させる最適化施策。SEOの代わりではなく、SEOの上に重ねる施策。
  • 最初の一歩は「顧客の課題ベースのFAQ+定量的な実績」をサイトに置くこと。継続的に選ばれるには、AI上での自社の見え方の定点観測と外部チャネルの最適化が必要。

AI検索時代の到来:ユーザーは「ググる」から「AIに相談する」へ

台湾でGoogle検索からChatGPTなどのAI検索へ移行するユーザー行動の変化を示すイメージ

これまでのWebマーケティングは、テレビCMや広告で認知を獲得(Attention)し、興味を持った(Interest)ユーザーがGoogleなどの検索窓で検索し(Search)、購入して(Action)、SNSで共有する(Share)という、いわゆる「AISAS(アイサス)」という消費行動モデルが主流でした。

しかし、AIが普及した現代では、このプロセスに大きな変化が起きています。

ユーザーは、自分の悩み(例:「台北で子どもを通わせられる、いい国際学校を知りたい」「台湾進出時に信頼できるマーケティング会社を知りたい」)を、対話型AIに直接「相談(Ask)」するようになりました。

そして、AIが提示した回答や推奨ブランドを本当に信頼できるか、Google検索や口コミサイトなどで「確認(Confirm)」し、購入に至るのです。

この「Ask(AIに相談する)」と「Confirm(確認する)」という新しいプロセスにおいて、AIから自社の名前が挙がらなければ、ユーザーに認知すらされない(比較検討の土俵にすら上がれない)時代がすでに到来しています。

AIO(AI Overviews)とLLMO(LLM最適化)とは?

では、AI検索時代において重要となるキーワードを2つ整理しましょう。

AIO(AI Overviews)とは?

AIO(AI Overviews)とは、Google検索でキーワードを入力した際に、検索結果の最上部でAIがWeb上の情報を要約して回答を表示する機能です。ユーザーはわざわざ個別のWebサイトにアクセスしなくても、検索画面上で求めている「答え」を知ることができます。

LLMO(LLM最適化)とは?

LLMO(Large Language Model Optimization/LLM最適化)とは、ChatGPTやGemini、AIOなどのAIツールがユーザーから質問を受けた際に、自社のブランドやサービスを優先的に推奨(レコメンド)してもらうための最適化施策のことです。海外ではGEO(Generative Engine Optimization:生成エンジン最適化)やAI検索最適化とほぼ同じ意味で使われています。

従来のSEOとLLMOには、Webサイトの「役割」に大きな違いがあります。(台湾市場でのSEOの基本的な進め方は、台湾SEO必勝8ステップで詳しく解説しています。)

  • 従来のSEO:サイトはユーザーが訪れる「目的地」
    • ユーザーに検索結果から自社サイトをクリックして来訪してもらい、サイト内で説得してコンバージョンにつなげます。
  • 最新のLLMO:サイトはAIに学習させるための「情報源(素材)」
    • AIはWeb上のあらゆるデータを学習・検索して回答を組み立てます。そのため、自社サイトはユーザーの目的地であると同時に、AIに「このブランドはおすすめである」と正しく認識させるための「情報提供元(エサ)」としての役割を持つようになります。

さらに、LLMOが最適化する対象は、自社サイトだけにとどまりません。AIはWeb上のあらゆるデータをクロールするため、SNS、比較サイト、口コミサイト、PR記事など、インターネット上のあらゆるチャネルにおいて自社がどう言及されているかを最適化していく必要があります。つまりLLMOは、自社サイト単体のSEOではなく、台湾市場向けのコンテンツマーケティング全体として設計する必要があるということです。

なぜ台湾進出・在台の日系企業にとって、AI検索対策が重要なのか?

台湾の生成AI利用率とAIツール別の利用シェアを示すデータのイメージ

「AI検索なんて、まだ一部の先進的なユーザーしか使っていないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、台湾の実際のデータを見ると、その影響はすでに無視できないレベルに達しています。

台湾でどれくらいの人が生成AIを使っているのか?

  • 生成AI利用率(15〜64歳人口):31.8%、世界147地域中20位で米国(31.3%)・ドイツ(31.1%)を上回る(Microsoft AI Economy Institute「Global AI Diffusion Q1 2026」)
  • 直近3ヶ月以内に生成AIを使ったネットユーザー:43.19%、前年から+16.39pt(TWNIC「台灣網路報告」2025年度、国立陽明交通大学実施)
  • AIエージェントを週1回以上利用する人:約70%(Mastercard Taiwan「2026 Survey on Consumer AI Usage Habits in Taiwan」、2026年6月調査)

調査ごとに対象や定義は異なりますが、共通して見えてくるのは、台湾では人口の3〜4割前後が生成AIを日常的に使い、使っている人の多くが週1回以上のペースで触れているという実態です。

台湾で実際に使われているAIツールのシェア(2026年7月)

  • ChatGPT:63.34%
  • Google Gemini:23.63%
  • Microsoft Copilot:5.33%
  • Perplexity:4.96%
  • Claude:2.65%

上位2つの「ChatGPT」と「Gemini」だけで、台湾のAIチャットボット利用の約87%を占めています。台湾市場でLLMO(AI検索対策)に取り組む際は、この2つのAIに自社がどう認識されているかが特に重要になるということです。

出典:Statcounter Global Stats(AI Chatbot Market Share, Taiwan)TWNIC「2025年度台灣網路報告」

台湾企業側のAI活用も本格化している

利用するユーザー側だけでなく、企業側のAI活用も加速しています。財団法人人工智慧科技基金會(AIF)が台湾企業228社を対象に実施した「2026台灣產業AI化大調查」(調査期間:2026年1月31日〜3月18日)によると、次のような結果が出ています。

  • 企業のAI活用成熟度を示す「AI化指数」は、前年の36.77点から47.26点に上昇
  • 「Ready AI」「Scaling AI」の段階(すでに実務でAIを活用し始めている、あるいは本格的に拡大している段階)にある企業が合計47.8%に達し、ほぼ半数の企業が具体的な活用フェーズに入っている
  • ICT産業の指数平均は52.7点と、全産業の中でも高い水準

台湾現地のビジネスパーソンや、日本から台湾市場を狙う決裁者層が、商談前にChatGPTやGeminiに競合比較をさせていても、もはや不思議ではありません。AIの回答から自社が排除されている状態は、台湾市場における大きな機会損失を意味します。

今すぐできる!シンプルで強力な1つの対策:「課題別のFAQ(よくある質問)」の設置

「LLMO対策を始めたいけれど、専門的で難しそう……」という方のために、今すぐ自社サイトで実践できる効果的なアクションを1つご紹介します。

それは、自社サイトに「ターゲットユーザーの課題に対応したFAQ(よくある質問)」を設置することです。

なぜFAQの設置がAI検索対策に効果的なのか?

AIは、一貫したQ&A(質問と回答)の形式で構造化されたテキストを非常に好み、読み取りやすいという性質を持っています。

FAQを設置する際は、単に「営業時間は?」といった定型的な質問だけでなく、自社が選ばれる理由を、具体的な実績や数字とともに回答にしっかりと盛り込むのがポイントです。

💡 FAQ設計の具体例(台湾進出支援を行う日系企業の場合)

質問(Q): 「台湾進出を検討していますが、現地の商習慣や言語の壁が不安です。どのようなサポートがありますか?」

回答(A): 「当社では、台湾現地に日本人スタッフと現地スタッフを常駐させており、100%日中バイリンガルでの対応が可能です。これまで日系企業様50社の進出支援実績があり、現地の商習慣に合わせたプロモーションの立案から実行まで一気通貫でサポートいたします。」

このように、「100%バイリンガル対応」「実績50社」といった客観的で定量的な実績・数字をFAQ内に明記しておきます。

AIがこのテキストを学習・検索(クロール)することで、Webサイトを情報源として参照し「A社がおすすめです。なぜなら100%バイリンガル対応で、50社の日系企業支援実績があるからです」と自動的に推薦してくれる可能性が高まります。

ただし、このFAQ対策はあくまで最初の一歩です。同じ発想に気づいた競合他社が同様にFAQを整備すれば、差はすぐに埋まってしまいます。AIに継続的に、かつ競合より優先して推薦され続けるには、自社の見え方を定点的に観測し、自社サイト以外のチャネルまで含めて手を打ち続ける必要があります。なお、こうした施策の効果をどう測るかについては、【上級者向け】台湾SEO/コンテンツマーケティング効果測定法もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ):台湾のLLMO・AIO対策

最後に、台湾の日系企業のご担当者からよくいただく質問をまとめました。

AIOとLLMOの違いは何ですか?

AIO(AI Overviews)はGoogle検索の最上部にAIが要約回答を表示する「機能」の名前です。一方LLMOは、ChatGPTやGemini、AIOなどのAIに自社ブランドを優先的に推奨してもらうための「最適化施策」を指します。AIOは対策すべき場所、LLMOはそのための手段だと整理すると分かりやすいです。

台湾でもLLMO(AI検索最適化)は必要ですか?

必要です。台湾では直近3ヶ月以内に生成AIを使ったネットユーザーが43.19%(TWNIC「2025年度台灣網路報告」)に達し、AIチャットボットの利用シェアはChatGPTが63.34%、Geminiが23.63%(Statcounter、2026年7月)を占めています。BtoBの決裁者が商談前にAIで競合比較をする前提で準備しておく必要があります。

LLMO対策をすると、従来のSEOは不要になりますか?

不要にはなりません。従来のSEOはユーザーを自社サイトに集めることが目的でしたが、LLMOでは自社サイトがAIに正しく学習・引用させるための「情報源」になります。AIは検索インデックスを参照して回答を組み立てるため、クロールされ評価される土台としてSEOは引き続き重要です。SEOを土台にLLMOを重ねる関係になります。

LLMO対策として、まず何から始めればよいですか?

自社サイトに顧客の課題ベースのFAQ(よくある質問)を設置し、回答に実績数や対応体制などの定量的な事実を書き込むことです。AIはQ&A形式の構造化されたテキストを読み取りやすく、根拠となる数字があるほど推奨理由として引用されやすくなります。あわせてFAQの構造化データ(FAQPage)を実装すると検索エンジンにも意図が伝わります。

LLMOの効果はどのように測定しますか?

実務的には、①ChatGPTやGemini、Perplexityに自社カテゴリの質問を定期的に投げて自社名が挙がるか(言及率・推奨順位)を定点観測する、②GA4でAIツールからの流入を計測する、③Search Consoleで自社名・ブランド名による指名検索が増えているかを追う、の3点をセットで見ます。指名検索の伸びはAIに推奨されているかどうかを示す手がかりになります。台湾市場では繁体字でも同じ観測が必要です。

まとめ:AIに選ばれるブランドになり、台湾市場を勝ち抜こう

台湾市場でAIに選ばれるためのLLMO・AIO対策のまとめ

自社サイトに「よくある質問(FAQ)」を設置し、客観的な実績や数字を根拠として散りばめることは、AI検索対策(LLMO)に有効な第一歩です。

しかし、AIに安定して、かつ競合よりも優先的に推薦され続けるためには、自社の強みがAIに正しく認識されているかを定点的にプロンプトで観測することや、自社サイトだけでなく外部の比較サイトやSNS、PR記事なども含めたWeb上のあらゆるチャネルの最適化など、多くの分析が必要不可欠です。

  • 「自社ブランドや製品は、今AIにどのように評価されているのだろう?」
  • 「台湾ローカルユーザーが使うAI検索において、自社が推薦される状態を作りたい」
  • 「LLMO(AI検索最適化)を、台湾市場の特性に合わせて総合的に支援してほしい」

このようにお考えの日系企業の皆様は、ぜひ一度applemintのお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。台湾市場の状況をふまえて、いまの自社サイトで何から手を付けるべきかをお伝えします。

これまで100社以上の日系企業様の台湾進出・現地マーケティングをご支援してきた実績(支援事例はこちら)を活かし、現地市場に精通したデジタルマーケティングのプロフェッショナルが、貴社の強みをAIに正しく伝え、AI時代でも選ばれ続ける仕組みづくりを全力でサポートいたします。

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河野 賢人

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