こんにちは、佐藤です。
「台湾で働いてみたい。」
そう思っていても、台湾で就職先が見つからず、結局諦めてしまう人は結構います。
でも実は、それなりに社会人経験があって、一つの業界で専門性を積み重ねてきた人であれば、台湾の「就業ゴールドカード」を取得できる可能性があります。
ところが、多くの人はゴールドカードの要件を見た瞬間に諦めます。
「私なんて専門性なんてないし。」
「ゴールドカードの要件に書いている特許もないし、賞なんて取ったことないし。」
そんなふうに思ってしまうんですよね。
でも、台湾で9年会社を経営し、日本人スタッフのビザ取得を何度も見てきた僕からすると、「いや、それなら十分可能性ありますよ」と思う人が結構います。
むしろ、日本人特有の謙虚さがあるせいで、自分の経験を過小評価し、せっかくのチャンスを自分で潰してしまっているケースの方が多い印象です。
実際、僕が「ゴールドカードいけると思いますよ」と背中を押した結果、本当に取得できた人が何人もいます。
今日は、
- 台湾ゴールドカードとはどんな制度なのか
- 実際に僕の周りで取得できた2つの事例
- 「専門性」はどう考えればいいのか
- ゴールドカードを持つと何ができるのか
について、実際に僕が経験したことと、公式情報を照らし合わせながら書いてみたいと思います。
※この記事の制度・金額は執筆時点(2026年7月)の情報です。要件や金額、為替レートは変わることがあるので、申請前には必ず公式サイト(就業ゴールドカード)で最新情報をご確認ください。
Contents
「台湾で働きたい」を諦めるのは、まだ早いかもしれません

台湾ゴールドカードって何?
制度の細かい説明は政府のサイトを見てもらった方が正確なので、ここでは僕の言葉で簡単に説明します。
台湾の就業ゴールドカード(Taiwan Employment Gold Card)は、海外の専門人材を台湾へ呼び込むために作られた制度です。
国家発展委員会(NDC)が運営していて、公式サイトによると、これまでに発行された有効カードは8,500枚以上、100を超える国の人が取得しています(公式サイト)。
普通、日本人が台湾で働く場合は、台湾企業が労働許可証(就労許可)を取得し、その会社に所属する形で働くことになります。
つまり、働ける会社は基本的にその一社だけです。会社を辞めればビザの前提も崩れます。
一方、ゴールドカードは大きく違います。公式サイトでもはっきり「オープン・ワークパーミット(どの会社でも働ける就労許可)」とうたわれていて、就労ビザ・居留証・再入国許可が1枚にまとまった仕組みです。
だから、
台湾企業の仕事を受けてもいい。
日本企業の仕事を続けてもいい。
フリーランスとして活動してもいい。
会社を設立してもいい。
つまり、特定の会社に縛られない働き方ができるようになります。
有効期間は1〜3年で、更新も可能です。これは思っている以上に大きなメリットです。
例えば、台湾へ来たものの給与が思ったより高くない、というケースは珍しくありません。
外国人が通常の就労許可を取得するには最低給与の基準があり、一般の外国専門職だと月給NT$47,971(約18〜20万円前後)以上が目安とされています(台湾・労働部の基準)。それでも最近の台湾は家賃も外食費も上がっています。
「もう少し収入が欲しいから副業したい。」
そう思っても、会社に紐づく通常の就労ビザでは簡単にはできません。
でも、ゴールドカードならオープン就労許可なので、複数の仕事や副業も可能です。
だから僕は、日本人スタッフにも「もし取得できるなら、普通の就労ビザよりゴールドカードの方がいい」と勧めています。
「専門性」のハードルを高く考えすぎている

ここで多くの人が勘違いします。
申請条件をざっと見ると、
「〇年以上の実務経験」
「専門性」
「受賞歴」
といった言葉が並んでいて、
「自分には無理だ。」
と思ってしまうんですね。
でも、ここで一度立ち止まってほしいんです。
実はゴールドカードには、科学技術・経済・金融・文化芸術・教育・法律・スポーツ・建築・国防・デジタル・バイオ・環境など、複数の専門分野が用意されていて(公式では現在12分野)、申請はそのうち1つの分野・1つの基準を選んで行います(資格・条件ページ)。
そして各分野には、実務経験・受賞歴・専門資格など「複数のルート」があります。受賞歴や特許が必須というわけではありません。
中でも比較的分かりやすいのが「経済分野」の給与ルートです。直近3年間のいずれかの年で月収がNT$16万(為替にもよりますが、おおよそ月70万円前後)以上あれば、それ自体が一つの申請条件になります(経済分野の条件)。特許も受賞歴もいりません。
月収NT$16万は中々いい給与ですが😅
つまり、自分が思う専門性と、台湾政府が評価する専門性は、必ずしも一致しないんですよね。
「自分に合う分野・ルートはどれか」を探すことの方がずっと大事で、まずは公式の資格クイックチェックで当たりをつけるのがおすすめです。
少なくとも僕が見てきた事例では、「本人は普通だと思っている経験」が評価されたケースを何度も見ています。
実際にゴールドカードを取得したスタッフの話
数年前、うちへ入社した日本人スタッフがいました。
普通なら会社で労働許可証を取得して終わりです。
でも履歴書を見た瞬間、僕は思いました。
「この人、ゴールドカードいけるんじゃない?」
その人は、レストラン業界で7年以上働いていました。
有名シェフではありません。
ミシュランのお店でもありません。
特許もありません。
何かの大会で優勝したわけでもありません。
本人も、
「いや、自分なんて普通ですよ。無理です」
と言っていました。
でも、僕は違う見方をしました。
当時、うちではレストランのマーケティング案件も扱っていました。
つまり、日本で培ったレストラン運営の知識や現場経験を台湾へ持ち込み、日本のノウハウを台湾企業へ提供できる人材だったんです。
だから、
「日本の飲食業界で培った知識を台湾へ還元できる。」
という切り口で、本人に合う分野・ルートを選んで申請しました。
結果は無事取得。
本人は最後まで半信半疑でしたが、問題なくゴールドカードを取得できました。
これにより彼女はうちに勤めながら、副業もできる選択肢を得ました。これはめちゃくちゃでかいです。
もう一人、僕が勧めて取得できた人
もう一つ印象に残っている話があります。
ある方とお会いした際に、
「台湾へ移住したいんですよね。」
という相談を受けました。
その方も、一つの業界で長年仕事をしていました。
だから、
「一回ゴールドカード申請してみたらどうですか?」
とだけ伝えました。
でも本人は、
「いや、自分なんて専門性ありません。」
と言うんです。
僕からすると十分専門性がありました。
もちろん、
「絶対通ります。」
とは言えません。
審査するのは台湾政府(内政部移民署・NDC)ですし、僕は行政書士ではありません。
でも、「チャレンジする価値はありますよ」と背中を押しました。
仮に、落ちても申請費用は、一番低い1年のビザならNT$3,700です。
1年: NT$3,700(約1.7万円)
2年: NT$4,700(約2.2万円)
3年: NT$5,700(約2.7万円)
参考:
就業ゴールドカード等の料金規定(法務部 法規データベース)
まず試すなら、1年のゴールドカードを申請し、気に入ったら更新すればいいだけです。
そんな出来事があってから数年後、その話も忘れかけた頃、その方から、
「ゴールドカード通りました!」
という連絡が来ました。
僕はこの瞬間、「やっぱりそうだよな」と思いました。
自分が思う「普通」は、他人から見ると専門性だったりする
この二つの事例で共通していたことがあります。
それは、本人が思っている自分の価値と、第三者から見た価値が全く違ったことです。
営業でもいい。
飲食でもいい。
製造業でもいい。
マーケティングでもいい。
デザインでもいい。
一つの業界で7年、8年、10年と積み重ねてきた経験は、それだけで十分な専門性になる可能性があります。
自分では「普通」と思っていることでも、台湾から見れば価値のある知識かもしれません。
転職が当たり前になった今、1-2年で仕事を変える人はたくさんいます。台湾で会社を経営していると、半年から-8ヶ月で転職をしている人なんてそこらじゅうにいます。
けど、ある業界で長く勤めた人は、実はそれだけでも十分価値があったりするわけです。
ゴールドカードを持つと何ができるのか

改めて整理すると、ゴールドカードを取得すると、
- 特定の会社に縛られず、どの会社でも働ける(オープン就労許可)
- フリーランス・副業・会社設立もできる
- 台湾企業とも日本企業とも並行して仕事ができる
- 家族の帯同も可能(配偶者・子ども、条件により親や祖父母の訪問も)
- 高所得者向けの税制優遇の対象になり得る
さらに、その先には永住権(APRC)という選択肢も見えてきます。
公式FAQによると、ゴールドカードを3年以上保有し、その間の台湾滞在が年平均183日以上であれば、永住権の申請が視野に入ります(APRCに関する公式FAQ)。
日本じゃない別の”居場所”を見つけることは、僕の経験上確実にメンタルヘルスに役立ちます。
逃げる場所は多ければ多いほどいいです👍
申請してダメなら、それでいい
もちろん、全員が通る制度ではありません。
でも、申請しなければ可能性はゼロです。
仮に通らなかったとしても、
「あ、まだダメかも。」
という結果が分かるだけです。
ちなみに台湾は、一回ダメでも、二回目申請したらなんか通るってケースもちょくちょくあります。
担当者の匙加減によって結果が変わるんですね(マジで)。
日本人の方の多くは、一回ダメだと、すぐにその後も諦めてしまうケースが多々あります。これは本当にもったいないです。
一方で、通れば数年間、会社に縛られない働き方ができます。
副業もできます。
フリーランスにもなれます。
台湾企業とも日本企業とも仕事ができます。
そして前述の通り、その先には永住権という道もあります。
だから僕は、迷っている人ほど一度チャレンジしてみる価値があると思っています。
まとめ
台湾で働きたい。
台湾へ移住したい。
でも就職先が見つからない。
そんな人は、「台湾で就職する」という選択肢だけで考えない方がいいかもしれません。
もし一つの業界で長年積み重ねてきた経験があるなら、その経験自体が台湾で評価される可能性があります。
僕自身、この9年で何人もの日本人を見てきましたが、「自分には専門性なんてありません」と言う人ほど、意外と取得できるケースを見てきました。
だから、「どうせ無理」と決めつける前に、一度だけゴールドカードという選択肢を真剣に調べてみてください。
もしかすると、一番自分の可能性を狭めているのは、自分自身なのかもしれません。
参考リンク(一次情報・公式サイト)
- 就業ゴールドカード 公式サイト(日本語)
- 資格・申請条件(分野一覧)
- 経済分野の条件(月収NT$16万ルートなど)
- 資格クイックチェック
- ゴールドカードから永住権(APRC)へ:公式FAQ
- 外国専門人材招へい・雇用法(国家発展委員会)
本記事は制度の一般的な紹介であり、個別の申請可否を保証するものではありません。最新の要件・金額・審査基準は必ず公式サイトや専門家(行政書士等)でご確認ください。
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