こんにちは、applemintの木村です。
台湾で飲食店を経営されている方、あるいはこれから台湾で店舗ビジネスを検討されている方の中には、「料理は美味しいのにリピーターが増えない」「教えても行動が変わらない」と感じることはありませんか。今回は、私自身の飲食業での経験からお話しします。
現在は台湾でデジタルマーケティングの仕事をしていますが、私のバックボーンは飲食業です。約12年間店長として現場に関わり、60〜120席・20〜40人規模の数店舗でスタッフ教育を経験し、台湾でも1年目は飲食店の運営に携わっていました。
広告やSNSで来店のきっかけを作れても、リピーターになるかは店舗での接客やスタッフ教育に大きく左右されます。台湾で飲食店を運営中の方はもちろん、これから参入を検討する方にも知っておいていただきたい内容です。
この記事でお伝えするポイントは、次の4つです。
- 台湾では、日本ほど「おもてなし」が当たり前の前提ではないと感じる場面が多い
- 現地スタッフに、日本人と同じ「感覚」でのサービスを期待しても伝わらない
- 「作業」と「サービス」の違いは、言われる前に考えて動けるかどうか
- 顧客情報を共有し、「覚えてくれている店」になることがリピーターにつながる
なぜ台湾では日本と同じ「サービスの感覚」が伝わりにくいのか

台湾に来て8年目になりますが、台湾の飲食店では日本人ほど「おもてなし」への期待度が高くなく、お客様も「言われたことをしてもらえれば十分」と感じている場面が少なくありません。
現地スタッフに、日本人と同じ「感覚」を期待するのは無理があります。「察して動いてほしい」では伝わりません。「何のためにこの仕事をするのか」を伝えると素直に聞いてくれますが、言葉だけでは定着せず、やってみせることが欠かせません。
この「感覚のズレ」は、飲食店に限らず、台湾で新しく事業を始める日本企業にも共通する壁だと感じています。
「作業」と「サービス」は何が違うのか

店長時代、繰り返し伝えていたのが「呼ばれてからするのは作業。呼ばれる前に考えて行動するのがサービス」ということです。
呼ばれて対応するのは必要な仕事ですが、グラスが空く前にお持ちする、メニューを閉じたら声をかけるなど、お客様を見て自分で考える一歩に価値があります。辛い料理に「よろしければお水をどうぞ」と添えるだけで、考えられたサービスとして認識してもらえます。
もう一つ大切にしていたのが、お店のコンセプトや料理への理解を教え込むことです。理解が深まるほど愛着が生まれ、言われなくても自ら動くようになります。
私はスタッフに「ここは給与が発生する部活です」と伝えていました。先輩が後輩に教え、各自がポジションの力を高める。お店全体では1日に何百組もご来店されますが、その一組にとってはその日の大切な一食です。その視点の有無で、届く価値が変わります。
「ありがとうポイント」と顧客情報の共有がリピーターをつくる

スタッフにサービスを体感してもらうため、私はよく「今日は『いくつありがとうポイント』をもらえた?」と聞いていました。もらい方をレクチャーし実践させることで、お客様から自然と「ありがとう」が返ってきて、その成功体験が自信や次の行動につながります。
私が任されていた店舗では、常連客の名前や好き嫌いを書き留めるノートをスタッフ皆で共有し、誰が対応しても次回来店時の一言につなげていました。今ならデジタルツールでも管理できますが、大切なのは情報を集めることではなく、興味を持つことです。
「前回のお話、その後どうなりましたか」「今日は〇〇さんが好きなメニュー、ご用意できますよ」。こうした一言で、お客様は自分のことを覚えてもらえていると感じます。「覚えてくれている店」は代替されにくく、常連化につながります。
飲食店のクレームはなぜ起こるのか

クレームは、待ち時間そのものより「何が起きているかわからない」という不安から生まれることが多いです。以前、上司から「クレームを言ってくれるお客様は、ありがたいお客様だよ」と教わりました。意見をくださる方は、改善の機会をくれているのです。
経験則では、一品目の提供を15分以上お待たせすると不安が強くなるため、10分を超えた時点で調理状況とあと何分かをお伝えしていました。待ち時間が同じでも状況が分かっているかで感じ方は違い、この対応だけでクレームの多くは事前に防げていました。
クレームをいただいた際は、真摯に受け止め、謝罪し、改善策をお帰りまでに伝える。最後まで向き合うことで、再来店の可能性とファンになる機会が生まれます。
飲食店の集客をリピーターにつなげるには、店舗体験まで見る

この考え方は現在のデジタルマーケティングの仕事にもつながっています。広告の数字が期待に届かない時も状況や原因、対策を先に伝える。飲食店でも広告運用でも相手の不安を想像し動くという本質は同じです。
applemintは、広告やSNSを通じて来店・問い合わせのきっかけをつくるお手伝いをしています。四國料理88屋様(事例ページ)のMeta広告運用では、認知度ほぼゼロの状態から配信開始後15日間で日平均来店人数が約60%増加、座席稼働率も約21ポイント向上しました。他の業種の事例はこちらからご覧いただけます。
しかし二度目、三度目も足を運んでいただけるかは店内での体験に左右されます。「知ってもらう」から「また来たいと思ってもらう」までを一つの線で考える必要があります。
広告で来店のきっかけを作った後「また来たい」と思っていただけるかは、ここまでお伝えしてきた接客やスタッフ教育の視点と地続きです。applemintでは広告配信だけでなく定期的に店舗へお伺いし、クライアントと意見交換もしています。台湾でこれから店舗を立ち上げる方にも、こうした視点を踏まえてご相談いただいています。
台湾の飲食店サービスに関するよくある質問(FAQ)
売上を伸ばすには、来客数を増やすべきですか?単価を上げるべきですか?
来客数より客単価を上げる方が効果は大きいです。例えば「今日は全テーブルでデザートアピールを必ず行う」と目標を設定し、獲得件数の多いスタッフに料理やデザートで還元していました。ゲーム感覚で楽しんでもらうことで提案の質も上がりました。
日本語の接客マニュアルを台湾語・中国語に翻訳するだけでは、なぜ伝わりにくいのですか?
マニュアルは「何をするか」は伝えられますが、「なぜそれをするのか」までは伝わりにくいためです。翻訳に加え、口頭で目的を伝え、実際にやってみせる場面を用意することをお勧めします。
台湾の飲食業界は人手不足と聞きますが、時給を上げれば解決しますか?
まとめ|台湾の飲食店サービスを強くするために

飲食店でリピーターを増やす鍵は、特別な設備投資ではなく「呼ばれる前に考えて動く」姿勢です。顧客情報の共有、お店や料理への理解、クレームの背景にある不安の解消。どれも同じ発想の延長線上にあります。
こうした人と人が接する仕事は、AIには置き換えにくい価値です。接客業で培った精神や出会えた方々は、今の仕事にも役立っています。1日に何十人ものお客様の大切な一日に関われることをやりがいに感じるスタッフこそ、店舗の最大の宝です。
applemintでは、店舗運営をされている方、これから始める方へ、商圏データと周辺競合の口コミ・広告動向をまとめた簡易レポートを無料でご提供します。ウェブ集客だけでなく、現場の「型」づくりからいつでもご相談ください。
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