みなさんこんにちは、applemint代表の佐藤です。
ここ数ヶ月、僕らの会社ではAIをかなり積極的に使っています(まーみんなそうですよね)😅
広告の分析をしたり、アイデアを出したり、仮説を考えたり、文章を書いたり、クリエイティブを作ったり…
以前だったら数時間かかっていた仕事が、AIを使えば数十分で終わることも珍しくありません。
僕自身、AIはこれからの仕事に欠かせないと思っていますし、社内でも「積極的に使っていこう」とずっと話しています。
ただ、最近ちょっと考えを改めたことがあります。
AIを使って仕事を高速化すればするほど、会社が弱くなるんですよね..😭😭
今回は、実際にapplemintで起きた失敗について書きたいと思います。
先に結論:AIで速くするなら、同時に人間へのインプットも増やさないといけない

今回の話を一言でまとめると、
「AIでアウトプットだけを高速化しても、会社は強くならない」
ということです。当たり前すぎますかね😅
AIによって制作スピードを2倍、3倍にすること自体は素晴らしいと思います。
ただし、その過程で「なぜこれを作るのか」、「なぜこのデザインなのか」、「何が良くて、何が悪かったのか」という人間側の理解が抜けると、組織には何も残りません。
今月はこのことを身を持って実感しました。ここからは、僕らの今回の失敗日記です。
7月、僕が3週間ほど会社を空けていました

7月に出張などが重なり、僕は3週間ほど会社を空けていました。
その頃、社内ではAI活用がかなり進んでいました。僕自身も以前からスタッフには、
「AIは積極的に使ってほしい」
と伝えていました。
ただし、僕が意図していたのは、何でもAIに作らせるというより、作ってもいいから僕にレビューをお願いしてくれというものでした。
これは僕が完全に悪いのですが、台湾には報連相の習慣はありません。日本人スタッフが多数いる事から、僕はいつしか報連相をスタッフにリマインドしなくなりました。
その結果、
「広告の数字が悪くなった」
↓
「データを分析する」
↓
「仮説を立てる」
↓
「AIで新しいバナーを作る」
というところまで、僕の確認抜きで、スタッフが一人で進めるようになりました。
AIなら「それっぽく良いもの」が簡単にできてしまう

問題はここからです。
僕が不在だったこともあり、僕のレビューを待っていると仕事が進みません。これに加えて、報連相の習慣が疎かになり、一部のスタッフが僕のレビューをすっ飛ばしました。
その結果、
「佐藤さんいないし、AIで作ったものも悪くなさそうだから、とりあえず進めよう」
という状況が自然に生まれました。
そしてAIは実際、結構いいバナーを作ります。少なくとも、一目見て明らかにダメというものではありません。
それっぽく整っていて、配色もそれなりで、今っぽいデザインが出てきます。
でも見る人が見たらツッコミどころ満載なわけです。
だから AI のバナーの良し悪しを判断できない間は、必ずレビューをしてもらうように今月スタッフに伝えました。
そのバナーの「何が良かったのか」を説明できるか?

そもそも非デザイナーが AI を使ってバナーを作った時の一番の問題は、結果が良くてもスタッフがきちんとその理由を説明できないことです。
例えばAIで作ったバナーを広告として配信して、結果が良かったとします。
すると、「この訴求が良かったんですね。じゃあ次も似たバナーを作りましょう」となります。
でも、本当に訴求だけが良かったのか?
バナーにはいろいろな要素があります。
フォントが見やすかったのかもしれません。
文字のサイズがSNS広告に適していて、スクロール中に目に入ったのかもしれません。
配色が良かったのかもしれません。
写真と文字の位置関係が良かったのかもしれません。
デザイナーであれば、こうした細かい要素をある程度意識しながら制作します。
ところがデザインを専門としていないスタッフがAIで作った場合、そもそもそうした観点を意識せずに生成していることがほとんどです。
だから結果が良くても、「何が良かったのか」仮説を立てられません。
逆に結果が悪かった時も、「何が悪かったのか」が分かりません。
これでは再現性がありません。
もちろん、バナーの良し悪しすらもAIに聞けばいいという考え方はあります。
結果が悪かったらデータとバナーをAIに渡して、「なぜ悪かったと思う?」と聞けばいいわけです。
僕も高速でPDCAを回すという意味では、これは全然ありだと思っています。
ただ、お客さんに説明するってなると別問題です。例えば定例会で、
「なぜ今回このバナーにしたんですか?」と聞かれた時に、
「AIで分析した結果、このデザインになりました!」って説明したら、広告代理店として最悪じゃないですか😭😭
僕がお客さんだったら、「だったらapplemint と同じ AI を使っている他の広告代理店に頼むわ」ってなります。
逆に、「今回は○○という仮説があったので、この訴求にしています。さらにスマホでの視認性を考えて文字サイズをこうして、前回のクリエイティブと比較するために配色はこのようにしました!」
って説明できるといいですよね?
結局ここは信頼の問題なんですよね。
AI時代だからこそ、あえてブレーキを入れる

AIを使うと、本当に仕事が速くなります。しかもお客さんもスピードを求めています。
だからどうしても、「早く作ろう」、「早く出そう」、「早く次を試そう」となります。
でも、会社として考えた時に、ここには意図的にブレーキを入れた方がいい場合があると思ったのが今月です。
なぜなら、アウトプットだけを高速化すると、スタッフが考えたり、フィードバックを受けたりする時間まで削られてしまうからです。
短期的には仕事が速くなります。
でも半年後、1年後を考えた時に、スタッフの知識が全然増えていなかったら、会社としては強くなっていません。
むしろAIへの依存度だけが上がっている状態です…
AIでアウトプットを増やすなら、人間へのインプットも増やす必要があります。
そんな当たり前の事に今月気付きました…
先月まで僕は、「AI を使ってアウトプットを高速にしろ!」と言っていたのに、今月いきなり「デザインは全て僕がレビューする」とブレーキをかけたので、現場のスタッフは、「?」となったわけです。
一部のスタッフからは、反対意見も出ました。それに対して、僕は半ば強制的にトップダウンで意見をねじ伏せました。
スタッフはさぞ居心地の悪さを感じたでしょう。
けれどクソみたいな AI バナーを出して結果が出たとしても、僕は長期的な目線で絶対良くないと思い、スタッフにレビューを指示したわけです。
今回の経験を通して僕が一番感じたのは、
「AIでアウトプットを増やすなら、それ以上にインプットを意識しないといけない」ということです。
なぜこのバナーなのか?何が良かったのか?何が悪かったのか?次に何を変えるのか?
AIに学習させたら、それとは別に人間が理解して、初めて会社にノウハウが残ります。
今回僕は、AIを使って仕事を速くしようとした結果、ちょっとやりすぎて現場に混乱をもたらしました。結局AI は使いながら要所要所でブレーキをかけることの重要性を理解したのでした。
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