【2024年実施事例:成功と失敗の両方】京都の伝統工芸品を台湾で集客した話|台北は数千元のお椀が売れ、高雄は台風と商品構成で苦戦した

【2024年実施事例:成功と失敗の両方】京都の伝統工芸品を台湾で集客した話|台北は数千元のお椀が売れ、高雄は台風と商品構成で苦戦した

2024年11月、台湾で「京都の伝統工芸品展」への集客をFacebook広告(トラフィック目的)で実施。露出を前年から伸ばしつつ、CTRはFacebookトラフィック広告の全業界平均(約1.7%)と同等以上を維持した。

・台北会場は好反響で、数千台湾ドルのお椀など高単価の商品が売れた。一方、高雄会場は台風による会期延期と商品構成のミスマッチで苦戦した。

・最大の学びは「広告のクリックが取れること(CTR)と、当日の集客・販売は別物」だということ。天候・会場運営・商品構成が結果を大きく左右した。

こんにちは、台湾で applemint というデジタルマーケティングの会社の代表を務める佐藤  (@slamdunk772) です。

今日は、僕らが実際に運用した「京都の伝統工芸品を台湾で見てもらう・買ってもらうための集客」の事例を、成功も失敗も両方共有します。

事例記事というと成功談ばかりになりがちですが、それだと「で、本当のところどうなの?」という肝心の一次情報が抜け落ちます。なので今回は、台北での手応えと、高雄でうまくいかなかったことを、できるだけ正直に書きます。

クライアントとの守秘があるため具体的な運用数値は出しませんが、その代わり「世間一般のFacebook広告と比べてどうだったか」を相対値でお見せします。

伝統工芸品の台湾進出についての基本的な考え方は、以前こちらのブログに。今日はその「実践・反省編」です。

背景:台湾で伝統工芸品を「売る前に、見てもらう」難しさ

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台湾では日本のようにPRだけで認知が広がりにくい構造があります。
メディアに企業名や商品名が出るのは、基本的にメディアにお金を払ったときだけです。
「いい物だから自然に売れる」は台湾では通用しにくいという課題があります。

また、PR times のように、どこかのPR 媒体に投稿をすれば、不特定多数の方が見てくれるような媒体もないため、台湾では結局のところデジタル広告をする必要があります(ポジショントークじゃないですよ〜😁)

そこで今回は、広告で人を集めて、まず現物を見てもらう設計にしました。
会場は北部(台北)と南部(高雄)の2エリアです。

実施内容:地域・ターゲット・バナーを分けて検証

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結果を学びに変えられるよう、最初から「比較できる形」で組みました。

  • 地域:北部(台北)と南部(高雄)の2エリアに分割。
  • ターゲット:25〜55歳の女性。「文房具・陶磁器」関心層と「日本文化芸術」関心層を当て分け。
  • バナー:静止画2種。「日時・場所を明記した告知デザイン」と「陶磁器の写真素材」。

さらに高雄では、前回の台北開催のあとにGA4で行動データを見て、商品構成を決めようとしました(この判断が後で課題になります。後述)。

広告の結果:クリックの面では設計が効いた(すべて業界平均との相対値)

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まず、広告そのものの反応は良好でした。

  • 全体:予算が増えたこともあり、露出を前年から伸ばし過去最大規模にしました。CTRはFacebookトラフィック広告の全業界平均(2025年の各種ベンチマークで約1.7%)と同等以上を維持
    露出を増やすとCTRは薄まりやすいので、規模を伸ばしながら平均水準を保てたのは設計が効いた証拠です。
  • 興味関心:「日本文化芸術」関心層が突出し、全業界平均のおよそ1.5倍のCTR。「文房具・陶磁器」関心層より一貫して約1割高い結果でした。
    昨年の仮説「京都の工芸品は品質・デザインで日本文化芸術層を強く引きつける」を再び裏づけました。
  • バナー:「日時・場所を明記した告知デザイン」が商品写真型を明確に上回りました。期間限定イベントでは、まず情報(いつ・どこ)を明示するクリエイティブが強い。
  • 地域:広告の反応は北部(台北)が南部(高雄)を上回りました。

ここまでは「いい話」です。問題はこの先、会場で起きたことでした。

会場の結果:台北と高雄で明暗が分かれた

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台北:手応えのある成功

台北会場は好反響でした。数千台湾ドルのお椀(碗)など、単価の高い商品が複数売れ、来場も多く、「工芸品を本気で見たい・買いたい台湾人」が確かにいると実感できる場になりました。

百貨店ではなく、住宅地の一角を借りての開催で、それでも人が集まったのは、広告がちゃんと興味がある人に届いていたためと思います。

また、わざわざ足を運ぶということは、それほど目的意識が高いということで——つまり来場者の質が高かったと見ています。

高雄:正直、うまくいかなかった

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一方の高雄は苦戦しました。理由は主に2つです。

1. 台風で会期が延期になった: 台湾の秋は台風の影響を受けます。高雄会場はイベント当日に台風が来るという予報があったため、念の為翌日からの開催としました。
しかし蓋を開けると、台風の影響はほとんどなく、元々開催される予定だった日にたくさんの人が間違えて来てしまったそうです。
単発イベントは、告知した日に天候が崩れるだけで一気に弱くなります。

2. データが示した「お椀人気」を、商品構成に活かしきれなかった:台北開催のあと、GA4で行動データを見ると、明らかにお椀(碗)への関心が高い人が多いと分かっていました。だから高雄ではお椀を主役にしたかったのですが…

主催には行政(公的機関)が関わっており、その意向もあって商品構成は小物が中心になりました。
残念ながら——準備した小物は、正直なところ高雄ではあまり人気が出ませんでした。

データは「お椀で行け」と言っていたのに、現場の品揃えはそうならなかった。ここが今回いちばんの反省点です。

うまくいかなかったことからの学び

成功談だけでは次に活きないので、はっきり書きます。

  • 広告のクリック(CTR)と、当日の集客・販売は別物。今回、広告の反応は良かったのに、高雄の現場は伸びなかった。広告は「会場まで人を連れてくる」役割で、その先は天候・会場運営・商品構成が握っています。
  • データ(GA4のお椀人気)と、現場の商品構成を一致させること。いくら関心データを取っても、当日並ぶ商品がズレていれば成果は出ません。次回はステークホルダー(行政含む)との合意形成を、もっと早い段階・データを根拠に行えればと思っています。
  • 天候リスクを前提に設計する。台湾の台風シーズンに単発イベントを当てるなら、予備日や複数日開催、延期時の再告知フローまで最初に組んでおくべきでした。

次の打ち手:以降に向けた対策

  • 商品構成をデータ起点で決める:GA4などで関心の高い商材(今回ならお椀)を主役に据え、主催・行政とも事前にデータで握る。
  • 天候リスクへの備え:予備日・複数日開催・延期時の再告知を設計に組み込む。
  • 興味関心の拡張:「日本文化芸術」層を軸に、「日本文化 → 日本の歴史」「京都工芸品 → 京都旅行」へ関心の隣接領域を広げる。
  • 「問い合わせ」目的の広告を追加:昨年・今年とも問い合わせが多く寄せられているため、来場だけでなく問い合わせ獲得の広告を併走。カスタマーサポートは applemint で巻き取ることも検討。
  • ショート動画の投入:過去イベントの記録写真を「告知デザイン」と組み合わせ、静止画では届かない層を狙う。

なお、これまで北部で借りていた会場(MIJ)は現在は利用できなくなっており、次回は会場の再設計も含めて動く予定です。

よくある質問(FAQ)

Q. 台湾で日本の伝統工芸品の展示会に集客するには、Facebook広告は有効ですか?
A. 集客の入口としては有効です。2024年11月のapplemintの運用では、CTRがFacebookトラフィック広告の全業界平均(約1.7%)と同等以上を維持しました。
ただし広告で人を呼べても、当日の販売は天候・会場運営・商品構成に左右されます。広告単体で成果は決まりません。

Q. どんなターゲットが最も反応しましたか? A. 25〜55歳の女性のうち「日本文化芸術」に関心がある層が最も反応し、CTRは全業界平均のおよそ1.5倍でした。

Q. 台北と高雄で結果はどう違いましたか?
A. 台北は好反響で、数千台湾ドルのお椀など高単価の商品が売れました。高雄は台風による会期延期と、小物中心の商品構成が需要と合わず苦戦しました。

Q. なぜ高雄はうまくいかなかったのですか?
A. 主な要因は2つ。台風で会期が延期し来場が伸びなかったこと、そしてGA4ではお椀への関心が高いと分かっていたのに、主催(行政)の意向で小物中心の構成となり、その小物が高雄では人気が出なかったことです。

Q. この事例からの最大の学びは?
A. 「広告のクリックと当日の集客・販売は別物」だということ。
関心データ(GA4)と現場の商品構成を一致させ、天候リスクまで設計に織り込むことが、イベント集客では決定的に重要です。

まとめ

  • 2024年11月、台湾で京都の伝統工芸品展への集客をFacebook広告(トラフィック目的)で実施。
  • 広告の反応は良好で、CTRは全業界平均と同等以上、「日本文化芸術」層は平均の約1.5倍。
  • 台北は成功(数千元のお椀など高単価商品が売れた)、高雄は台風延期+小物中心の構成で苦戦。
  • 最大の学びは「広告のクリック ≠ 当日の集客・販売」。データと商品構成の一致、天候リスクへの備えが鍵。
  • 次回はデータ起点の商品構成、天候対策、問い合わせ目的広告、ショート動画を予定。

台湾でのイベント集客は、広告だけでなく「会場・商品・天候・関係者との合意」まで含めて設計する必要があります。そこまで一緒に組み立てたい方は、お気軽にご相談ください。

以上、applemint 代表佐藤からでした!

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Leo Sato 佐藤峻

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