【台湾繁体字ウェブサイト制作ケーススタディ】KA・RA・DAファクトリー様のリニューアルで予約を維持し、2020年に過去最高益を支えた方法

【台湾繁体字ウェブサイト制作ケーススタディ】KA・RA・DAファクトリー様のリニューアルで予約を維持し、2020年に過去最高益を支えた方法

最終更新:2026年5月28日|原文公開:2022年6月15日|著者:佐藤峻(applemint代表)

Contents

このページの要点(30秒で理解)

  • 誰が:applemint(台湾・台北のデジタルマーケティング会社、2017年設立)
  • 何を:カラダファクトリー台湾(KA・RA・DA factory Taiwan)の繁体字ウェブサイトをフルリニューアル
  • いつ:2019年に企画・設計・制作・公開を完遂
  • 結果:リニューアル後も予約数は減少せず、2020年に同社の台湾進出後の過去最高益達成に貢献
  • 方法:旧サイト分析 → 仮説立案 → モバイル特化設計 → 徹底検証、の4工程
  • 台湾市場の特性:モバイル流入が80〜90%を占め、ローディング速度と繁体字フォント選定が成果に直結する

こんにちは!台湾で、デジタルマーケティングやウェブサイトの制作を手がける applemint 代表の佐藤(@slamdunk772) です。

台湾でウェブサイトをリニューアルすると予約は減るのか?答えは「適切な分析と仮説に基づけば減らない」です。

applemintは2019年にカラダファクトリー台湾の繁体字サイトを刷新し、予約数を維持しながらクライアントの2020年過去最高益達成に貢献しました。

本ケーススタディでは、分析・仮説・モバイル特化設計・検証の4工程で実施した具体的手法と、台湾でウェブサイトを作る日系企業が陥りがちな失敗パターンを公開します。

このプロジェクトはクライアントのリクエストで、企画から制作まで全てをapplemintで引き受けたものです。それまでの弊社の制作は、既存の日本語サイトを中国語化するケースや、クライアントの企画を形にするケースが中心でしたが、本案件は分析・企画・設計・コーディング・検証まで一気通貫で担当しました。

新 KA・RA・DA factory 様ウェブサイト

1. 台湾のウェブサイトリニューアル前に何を分析すべきか?

website analysis

結論:旧サイトのGoogle Analyticsデータを最低12か月分参照し、予約導線・閲覧の偏り・デバイス比率・ユーザー属性の4軸で分析します。

ウェブサイトをリニューアルする際、applemintは必ず旧サイトのデータを分析します。カラダファクトリーも例外ではありませんでした。

旧サイトの分析結果

・予約は圧倒的に電話が多いこと
・価格ページの閲覧が多かったこと
・エンゲージメントと予約率に相関があること
・女性訪問者が多いこと
・モバイルの流入が7割以上あった

これらの分析結果に対して旧サイトはいくつかの問題を抱えていました。その一例をご紹介します。

旧サイトの問題点

1. 予約ボタンを押すと予約ページに行くこと
2. 予約ページはPCでは予約はしやすいがモバイルは非常にしにくいこと
3. デザインが全然女性目線ではなかったこと

そこで僕らは以下の仮説を立てました:

applemint の仮説

1. 電話の予約導線をもっと見える化すれば、予約が増えるのではないか?
2. 価格をコースページに入れれば、価格ページにいく煩わしさがなくなり UX が向上するのではないか?
3. 回遊率を上げ、エンゲージメントをあげれば予約率が上がるのではないか?

つまり、分析の結果リニューアルするサイトでは『モバイルで予約をしやすい事』と、『電話予約がしやすい事』、『女性目線』をとにかく意識しました。その他にも、価格ページを各コースページ内に入れ、色んなコースに興味を持ってもらう事で回遊率を上げることを意識しました。

2022年以降の分析の注意点

今回の分析で弊社は Google Analytics を見て約2-3年のデータを参照しました。今後 Google Analytics ではデータ保存期間がデフォルトだと2ヶ月です。来年の7月には現在の Google analytics は廃止になりますので、今からの導入をお勧めします。また設定はデフォルトの2ヶ月から26ヶ月への変更を強くお勧めします。

2. 分析結果から仮説をどう立てたか?

結論:分析で見えた事実から、予約率向上に直結する3つの仮説を立て、それを設計の柱にしました。

applemintが立てた3つの仮説

  1. 電話の予約導線をモバイルで可視化すれば、予約は増えるのではないか?
  2. 価格情報を各コースページ内に統合すれば、価格ページへ移動する手間がなくなりUXが向上するのではないか?
  3. サイト内回遊率を上げてエンゲージメントを高めれば、予約率も上がるのではないか?

この3つの仮説に基づき、リニューアル版では「モバイルで予約しやすいこと」「電話予約のしやすさ」「女性目線のデザイン」を最優先の設計思想としました。
価格情報を各コースページに埋め込み、複数コースへの興味を喚起する設計で回遊率を上げる狙いも組み込みました。

サイトリニューアルの目的が「予約率アップ」だったので、どうすれば予約率がアップするか、根拠のある仮説を立てることに最も時間をかけました。

テンプレートで綺麗なサイトを作る制作会社は多いですが、根拠のある仮説立案までやる会社は少ないのが台湾市場の実情です。 — 佐藤峻

2026年現在の分析ツールの推奨スタック
  • 2026年時点で、ウェブサイトの事前分析には以下の組み合わせを推奨します。
  • Google Analytics 4(GA4):基本のアクセス解析、データ保存期間は14か月への変更を推奨
  • Microsoft Clarity:ヒートマップ・セッション録画が無料、モバイル動線の検証に有効
  • Looker Studio:GA4データの可視化と経年比較

3. 台湾のウェブサイトでモバイルフレンドリーとは具体的に何か?

wireframe

結論:レスポンシブ対応では不十分で、モバイル単独の動線設計・タップ領域・スクロール体験を独立して設計する必要があります。

台湾のモバイル流入比率(2026年時点)

applemintが運用している複数クライアントのデータでは、デジタル広告経由の流入の80〜90%がモバイルです。これは日本市場(モバイル60〜70%)よりも明確に高い水準で、台湾でウェブサイトを作る際の前提条件が日本と異なります。

Digital 2026: Taiwan

モバイルフレンドリー設計の3本柱

(1) 太字による視覚的アクセント

ユーザーテストでLPを30〜40秒という高速でスクロールする30〜40代女性を観察したところ、画像・太字・イラスト部分で一瞬指が止まる現象を確認しました。
重要箇所を太字にすることで、高速スクロール中でも「読まれる」コンテンツになります。

(2) アイコンとイラストによるセクション分割

文字情報のブロックの間にイラストを挟むことで、スクロールする指を視覚的に止める仕掛けを作ります。目指したのは「読まれる/見られる」コンテンツです。

(3) モバイル独自のレイアウト

PCデザインをそのままレスポンシブ化するのではなく、モバイル時の指の動線・親指の届く範囲・ファーストビューの情報量を独立して設計します。

フォント選定:なぜNoto Sans CJK TCを選んだか

台湾繁体字サイトに最適なフォントの第一候補は、Googleが提供する無償フォント「Noto Sans CJK TC」です。理由は以下の通りです。

  • 日本語版(Noto Sans CJK JP)と互換性があり、繁体字サイトに日本語を併記しても文字化けしない
  • カラダファクトリー日本本社の採用サイトもNoto Sans CJK JPを使用しており、ブランドの一貫性を保てる
  • 商用利用可能で、ライセンス上のリスクがない

カラー設計:オレンジに対するコントラスト

フォントカラーは #1a1a1a(やや黒寄り)を採用しました。applemintは通常、目に優しい灰色寄りの黒を好みますが、カラダファクトリーのブランドカラーであるオレンジに対しては、灰色寄りの黒だとコントラストが不足し、視認性と信頼感が損なわれると判断したためです。

新規流入者に対する信頼感を作りたかったため、オレンジに対してコントラストの強い少し濃い黒を選びました。 — 佐藤峻

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4. ローンチ前の確認工程で何をチェックすべきか?

結論:誤植・表示崩れ・モバイル各機種での表示・ローディング速度の4点を、複数の実機で確認する必要があります。

コーディングと公開前の確認は、台湾のように多様な端末が混在する市場では特に重要です。Google Analyticsで台湾ユーザーのデバイス情報を見ると、解像度のバリエーションが極めて多く、すべての端末を物理的に保有することは不可能です。

applemintでは以下の方針で実機確認しています。

  • iPhone(標準サイズ、min、Pro)での表示確認
  • Androidの主要機種(Galaxyなど)での表示確認
  • Chrome DevToolsでの解像度シミュレーション
  • ローディング速度のLighthouse計測

社員全員がiPhoneユーザーであるため、Android確認専用にGalaxy端末を購入したという経緯もあります。

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5. カラダファクトリー台湾のリニューアル結果はどうだったか?

結論:予約数は減少せず、2020年にカラダファクトリー台湾は同社の台湾進出後の過去最高益を達成しました。

主要成果サマリー

指標結果
リニューアル後の予約数減少なし、その後増加トレンドへ (150%) CVR
2020年のクライアント業績台湾進出後の過去最高益達成
新規創出された問い合わせカテゴリヨガ教室、産後コース、小顔コース
二次的な施策採用ページの拡充(スタッフ補充ニーズの発生)

予想外に予約が増えたことで、スタッフをもっと補充したいというニーズから採用ページも充実化させました。

6. 台湾で日系企業がウェブサイトを作るときの3つの落とし穴

結論:日本市場の感覚で台湾向けサイトを作ると、モバイル軽視・ローディング過多・繁体字フォント不適合の3点で失敗します。

落とし穴①:デスクトップを基準に設計してしまう

日本の企業のクライアントは、どうしてもデスクトップのデザインを基準に判断する傾向があります。
しかし、台湾ではデスクトップからの流入比率は年々減少しており、デジタル広告経由ではモバイルが圧倒的多数です。

対策:制作会社に依頼する際は「モバイルデザインに関して具体的に何を意識しているか」を必ず質問してください。

明確な回答がない場合、その制作会社は再考の余地があります。

落とし穴②:画像ファイルの過剰使用でローディングが遅い

台湾はモバイル中心の市場で、回線品質も都市部以外では不安定な場合があります。にもかかわらず、必要以上に画像ファイルを多用するサイトが今も少なくありません。

落とし穴③:日本語と繁体字の互換性がないフォント選定

日系企業のサイトでは、繁体字ページに日本語を併記したいニーズが後から発生することが多くあります。最初に選んだフォントに日本語フォントとの互換性がないと、後から文字化けが発生します。

対策:Noto Sans CJK TC など、CJK統合フォントファミリーを最初から選定する。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 台湾でウェブサイトをリニューアルすると予約は減りますか?

A. 適切な分析と仮説に基づいてリニューアルを行えば、予約は減りません。applemintが2019年に手がけたカラダファクトリー台湾のリニューアルでは、予約数は維持され、その後増加に転じました。失敗するケースのほとんどは、旧サイトの分析を行わず、見た目だけを新しくする場合です。

Q2. 台湾のウェブサイト制作でモバイル比率はどれくらいですか?

A. applemintが台湾で運用している複数クライアントのデータでは、デジタル広告経由の流入の80〜90%がモバイルです。業種により差はありますが、日本の感覚(モバイル60〜70%)よりも明確に高い水準です。

Q3. 台湾繁体字サイトに最適なフォントは何ですか?

A. Google提供の無償フォント「Noto Sans CJK TC」を推奨します。日本語版(Noto Sans CJK JP)と互換性があるため、繁体字サイトに日本語を併記する場合の文字化けリスクがありません。

Q4. 台湾でウェブサイト制作を依頼する際のチェックポイントは何ですか?

A. 制作会社に「モバイルデザインで具体的に何を意識しているか」を質問してください。明確な回答がない場合、その制作会社は再考の余地があります。台湾市場ではモバイル特化が必須条件です。

そのほか、デザイン会社が単にデザインを制作しているだけなのか、あるいはデザインに対して明確なロジックや仮説を持っているのかを確認すると良いです。

現在では、AIを使えば「綺麗なだけ」のデザインはいくらでも量産できるようになりました。
しかし、見た目が美しくても、流入したユーザーにとって使い勝手が悪ければ意味がありません。

ロジカルにデザインを制作できる会社は、AIを活用する場合でも、UX/UIを意識したうえでAIにデザインを生成させています。

Q5. ウェブサイトリニューアル後のローディングスピードはなぜ重要ですか?

A. 台湾はモバイル流入が中心で、回線環境も都市部以外では不安定なため、ローディング遅延は離脱率に直結します。画像ファイルの最適化、ベクター形式の活用、不要な画像の削減が基本対策です。

Q6. applemintのウェブサイト制作の特徴は何ですか?

A. 旧サイトのデータ分析、仮説立案、モバイル特化設計、徹底した実機検証の4工程を必ず実施することです。テンプレートで綺麗なサイトを作るのではなく、ビジネス成果に直結する設計を重視しています。

Q7. ウェブサイトリニューアル後の効果はどう測定すべきですか?

A. Google Analytics 4で予約導線のコンバージョン率、電話タップ率、モバイル完了率、平均滞在時間、回遊ページ数を経年比較してください。Microsoft Clarityでヒートマップとセッション録画を併用すると、定量と定性の両面から改善ポイントが見えます。

Q8. 台湾では LINE と連携するといいと聞きました。どう思いますか?

LINEと連携することで、お問い合わせ自体は増えやすくなります。

あらかじめLINEとAIを連携し、自動返信などを実装しておくと効率的ですが、そうでなく手動で対応する場合は、その分運用負荷が高くなります。

また、過去の経験上、LINE経由のお問い合わせは比較的質が高くないケースも多いため、実際の顧客化まで引き上げる際には注意が必要です。

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